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【完結】半端者の私がやれること〜前世を中途半端に死んでしまった為、今世では神殿に入りたい〜  作者: ルシトア
第一部 アーレン王国編 

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治癒ポーション

 次に考えたのは治癒ポーションだ。治癒ポーションは、魔術の本に載っている。この世界の治癒ポーションは低級、中級、高級、特級があり、重症度において使い分けられる。症状別の治癒ポーションはなく内服すると全体的に満遍なく効果を与えるので全身症状がない場合は非効率と言える。怪我等、治癒したい場所が明確な時はそこに直接かけた方が効率的だ。

 アーレン王国では低級は基本的に使われない。低級治癒ポーションは初級の治癒魔法と変わらないからだ。魔法使いであれば余程の事がない限り学園で習う為必要ない。

 低級治癒ポーションは外国への輸出向けだ。

 他のポーションもアーレン王国ではそこまで需要がない。

 まず高級や特級が必要な程の怪我をする事は現在のアーレン王国では少ない。穏健派と過激派の攻防は水面下ではあるが、暴力沙汰になる事はほぼないからだ。念の為、保険として特級ポーションを持ち歩いている人もいるが、有効期間が5年から10年とかなり長い。使わなければ需要は生まれない。

 更に必要な状況になったとしても余程のことがない限り使われない。治癒魔法師に頼む方が効率的で経済的だからだ。ポーションは作るまでの過程が複雑で、直接治癒魔法をかけるより魔力も多く必要な為にその分割高になっている。懇意にしている治癒魔法師の所に転移魔法で移動して治療を受けた方が安上がりなのだ。


 という事で、治癒ポーションはアーレン王国では殆ど需要がなく、依頼されて作るくらいしかない。依頼されるのも基本的懇意にしている治癒魔法師な為、私達が作った所で売れない。治癒ポーションを作るなら国外向けを考えるしかない。

 ちなみに半端者で低級治癒ポーションを作るなら治癒魔法の敵性がある前提でも1日に数本しか作れない。

 ただ低級治癒ポーションでも外国には需要があるので毎日一本ずつ作れば自分個人の居住区での費用くらいは賄える。とりあえず、毎日一本ずつ生成して自分の費用くらいは補填できるようにした。国外へ輸出してもらうのはまだ家族任せなのが悔しい。

 そう家族に言ったら、

「ルクセル侯爵家はフィリア1人を一生養っても、何も負担になる事はないから気にするな。寧ろもっと自由にいきていいんだそ?」

 と言われてしまう。とてもありがたいし、優しい言葉だが、それに甘えていてはいけない。これは私の気持ちの問題だ。


 個人的な事は置いといて、根本的な居住区の運営費用としては足りないだろう。もっと効率的なポーションを生み出す必要があった。なんなら治癒魔法に適性が無くても作れるポーションを皆で作り、自活出来るようになれば皆が今後の費用の事を心配しなくて済む。

 元々治癒ポーションは作るのが面倒なので治癒魔法師も外国向けとして国に頼まれている分以外は殆ど作らない。なので私達が代わりに作ったとしても摩擦は起きないはずだ。


 それから私は色々試行錯誤し始めた。元々、実験等するのは大好きだ!! ある仮説を考え、実験結果を纏める。

 殆どが残念な結果になるが残念な結果からわかることも沢山ある。日々、思いつく限り様々な条件下で実験をした。


 前世のファンタジーのラノベではポーションは必須のアイテムだ。色々なポーションがあったなぁ。と思うけど、この世界では調べた限り、どれもあまり需要がないので、1番、治癒ポーションが現実的で可能性があるフィールドなので、結局治癒ポーションの研究に落ち着いた。


 思った通り、治癒魔法師は今の治癒ポーションを作るのはとても面倒なので、私の作ったポーションは受け入れられているらしい良かった。まぁ1日1本誤差範囲だろうか。


 アーレン王国では治癒ポーションの需要がないので研究も余りされてない。4種類しかない治癒ポーションをもっと細分化して、その分単価が安くなれば外国の需要は有るかしら? 色々考えてみたが、結局良いものは作れなかった。


 あれもこれも煮詰まってしまった。

 ふぅ……。

 もうこれは気分転換をするしかない!!

 私は久々の散歩をする事にした。


 居住区は広い。今はぼーっと何も考えたくないなぁと思ったので、今の時間に人が少ない農園の方に足を運ぶ事に決めた。

 農園の近くには小さな森のような部分もあるので森林浴も出来る。森に入る人は殆どいないし、気分転換にはもってこいだろう。それに最近研究のために始めた作物の手入れもしないといけないし。


 魔力移行について煮詰まっていた時に一度離れてポーションの研究をしたいとオリバーに相談した。有能な護衛騎士は次の日にポーションの役に立ちそうな薬草の資料を国内外から集めて、更に種や苗まで用意してきたのだ。

 更に更に居住区内の農園の個人区画の契約までしてきていた。農園には、共同で管理する区画と、趣味等で使う個人区画があり、申請して空いている区画が有れば使う事が出来る。


 有能すぎるだろう。うちの護衛騎士。護衛騎士の範囲を大きく超えているけどね。

 実を言えば、作物を育てたりするのは苦手だったりする。前世は何度か枯らしてしまったような。仕事が立て込んでて……とか、ははは……ごめんなさい。今世は、土と緑の魔法の適性があるので何とか今の所枯らさずにすんでいる。

 とりあえず1日1回は見に行かないとね。せっかくオリバーが持ってきてくれた種や苗を枯らす訳にはいかない。私は重くなっていた体を起こして、農園は向かった。

次は水曜日くらいになると思います。

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