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【完結】半端者の私がやれること〜前世を中途半端に死んでしまった為、今世では神殿に入りたい〜  作者: ルシトア
第二部 ルルーシオ王国編

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メディカルチェック

 いつの間にか眠っていたようで、目を覚ました時、私はベッドに寝かされていた。

 誰かがベッドに移動させてくれたらしい。

 起き上がってみると、私の体はとても軽かった。誰か治療してくれたのだろうか?

 それとも私の心の変化の表れなのだろうか?


 身支度を整えると、待っていたかのようにドアが出てきた。扉を開けると、そこにはバネッサとオリバー、ラルフさんに、リヒトお兄様がいた。

 何やら話をしている。

 このメンバーは皆知り合いだったの?

 ちょっと疑問に思ったが、それよりも実咲や正輝が居なかったことに少し寂しさを覚えた。

 また連絡を取れると言っていたし、急ぐ必要は無いのだけれど……。

 子供達とはまた会える。

 そう思うと、それだけで心は温かかった。


 どう声をかけようかと戸惑っていたら、バネッサがいち早く気がついてくれた。


「おはよう! フィリア!

 よく眠れた?」


 そう言って近づいてきたバネッサは、私の腕を取り、サティカで何やらチェックをしているようだった。


「あっ、ごめん!

 別にサティカに悪い事してるわけじゃ無いよ?」

「大丈夫。バネッサの事は信用しているから、体調管理とかかな?」

「うん!そうそう!

 鑑定魔法でも出来るのは知ってるんだけど、私は医療の知識とか全然知らないし?

 見方がわからないのよね?

 サティカのメディカルチェックは、一般人の私でもわかりやすく表示されてるからさ!こっちの方が見やすいのよ!!」


 確かに鑑定魔法だと、知りたい項目の数値が書かれているだけなので、医療従事者以外は何が何だかわからないだろう。

 知りたい項目を選ぶのすら難しい人もいる筈だ。


「ふふふ。そうなんだ」

「うん! 体調は問題ないみたいだけど、フィリアとしてはどう??」


 私にも見えるように、バネッサはサティカの項目を開いて見せてくれた。

 簡単なバイタルサインの数値の最後に、参考意見として日々の生活の注意点の他に、最終判定は5段階で表示されていた。

 1、良好。

 2、概ね良好です。体調変化があれば注意して下さい。

 3、急ぐ必要はありませんが、時間のある時に検査を受けましょう。

 4、数日中に医師の診断を受けましょう。

 5、一刻も速い治療開始が必要です。


 私は2の所にマーカーが引かれてあったので、概ね良好という事だ。


「ありがとう。ここ最近では1番調子がいいと思う」

「そっかそっか。じゃぁサティカのメディカルチェックも当たってるって事ね!

 さすが父さん!!

 ……って勝手に人の健康状態を知るのはダメだったよね? ごめんね」


 バネッサが途端にしょぼんとした態度を取り、謝ってきた。

 確かに、他人様の健康状態を同意も無く勝手に除くのであれば、個人情報の観点からだとダメだと思う。

 でも、私はバネッサに頼りきりだし、バネッサなら不快に思わない。親しき仲にも礼儀ありだけど、今回はこんなにも私の事を心配してくれる人がいるという方が嬉しかった。


「私は大丈夫。

 バネッサが心配してくれたのは凄い伝わってきてるから。

 私とバネッサの仲でしょう? ね?

 でも、他の人には気をつけて」


 私が気にしていない事が分かるとパァーっと笑顔が戻ってきた。バネッサの変わり身が早いなと思いつつ、この表情の豊かさに救われている部分が沢山あるので私も自然と笑みが溢れる。


「勿論!! 他の人にはしないよ!

 フィリアだけ!! 

 ってフィリアなら何でもして良いともおもってないからね!?」

「ふふふ。それだけ気にかけてくれているのでしょう?

 ありがとう」

「へへへ。まぁそうなんだけど、私はお姉ちゃんだし??

 フィリアを守るのも、心配するのもお姉ちゃんの役目です」


 えっへんと腰に手を当てて胸を張るバネッサは、ちょっと子供っぽいなと思いつつ、可愛らしいので心の中で思うに留め、指摘するのはやめた。


「ありがとう。これからもよろしくね!

 あっ、今取り込み中だったのでは?」


 バネッサが私に駆け寄ってきたので、他の人達との話は中断してしまったようだ。

 ラルフさん達は、話をしている様子もなく、皆こちらの様子を伺っていた。申し訳ないです。


「あっ! そうだった!!

 大変な事になってたんだった!!」


 ここでは時間の経過は無いが、何やら大変な事が起こっているようだ。


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