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【完結】半端者の私がやれること〜前世を中途半端に死んでしまった為、今世では神殿に入りたい〜  作者: ルシトア
第二部 ルルーシオ王国編

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バネッサの画策 sideバネッサ

「ブレン、ありがとう!」

「いえ、バネッサ様の要望でしたら大歓迎です。

 この時代、フィリア様以外の方がここを訪れる事は無いと思っていましたが、こんなに多くの方が、ここを訪れる様になって感激の極みですよ」

「ふふふ。ここならゆっくり話せると思って、いい考えでしょう??」

「「「……」」」


 私とブレンは、にこやかな顔をしているが、後の人達は困惑顔だったり、青白い顔をしている。

 今ブレンの住んでいる? 空間にみんなを集めた。

 だだっ広い真っ白な空間。

 望めば、テーブルから椅子から飲み物食べ物まで希望のものが出てきてくれる便利な空間。素晴らしい!!

 フィリアは別室(もちろんブレンの空間内だ)を用意してもらって、休んでもらっている。ここだと、フィリアもゆっくりできて、他の空間は、時間の流れが止まっているので、ここにいる人達と心ゆくまではなせるし、一石二鳥なり!!


 リヒトから、ここの存在を聞いて、懸命に鑑定をした甲斐があったのだ。

 私は必要ないと思っていたけれど、この空間は今の緊急事態にはちょうどいい部屋だ。

 過去の自分! よく頑張った!!

 じゃ無かった話を戻そう!


「では、私の考えを言いたいと思います!!」


 私は勢いよく、皆の方に向き直る。

 ここにいるのはフィリア、ブレンと私以外にも、リヒト、ポンコツ親父ラルフ、そしてオリバーがいる。

 オリバーには、会ったことは無かったけれど、リヒトに呼ぶ様に言ったので消去法で、あの人がオリバーなのだろう。

 オリバーは、今はなんかパッとしない見た目だけれど、あれは変装しているだけで実際は違うと思う。

 リヒトが言っていた人物像に全く当てはまらないからだ。

 こんな時まで変装?って思うけど、それは無視してとりあえず本題に入る事にした。


「まず、フィリアに、前世の事と今の自分を結びつける事は禁止します。

 つまり、今の自分の姿で、フィリアに前世の事を懺悔することは許しません!!」


 私の言葉に、ポンコツ親父が、驚愕の表情の後更に青い顔をしている。


「いや、その、バネッサ? 父さんの気持ち知ってるよね?

 それはちょいと、父さんへの配慮が足りないんじゃないかな?」


 ポンコツ親父は、何故か私にとても遠慮気味に話し始めた。

 前世の事を一任すると約束した手前、強く出れないのだろう。


「別に謝罪するなとは言ってないよ?

 今世の姿で話すなって言ってるだけ」


 私の意図を理解したのか、3人は納得の表情をする。

 フィリアに今世と前世を結びつけてほしくないのだ。

 結びつけてしまうと前世の最期を話さないといけなくなる。

 それは絶対に避けたい!! ドロドロ話なんで今のフィリアに必要ないし、聞かせたく無い。

 フィリアに、これ以上、後悔や責任を感じてほしく無いのだ!!


「意図はわかった。で? 態々ここに呼び出したのは? 

 それを周知する為か?

 ここは時間が止まっているからいいが、早急に取り掛からないといけない事がある」


 オリバーは、どこか苛立ちの様な落ち着かない動作でいる。

 その様子をリヒトは珍しそうにみていた。

 なのでオリバーの普段の様子とはかけ離れてるのだろう。

 ここは時間が止まっているのだから問題なし!!


 それよりも大事な話!

 家族会議ですよ? それ以上に大切な事なんてある訳ないじゃん!!

 頭はいい癖になんで、人の機微には気づかない?? ちょっと腹立ってきた!!

 それだけの為に呼び出す訳ないじゃん!!


「勿論それだけじゃないです! 私! 貴方達に言いたい事があって呼び出しました!!」


 3人が怪訝そうな顔をしている。


 ポンコツ親父は私と普段から顔を合わせていて、いつも言いたい放題なのに、何を今更という顔をしている。

 いつも半分も言えてませんけどね? 私も遠慮してますよ?


 リヒトも同じ様な顔だ。

 リヒトは、今世ではフィリアの兄であり、私とは異父姉弟だ。前世では、同じ両親から生まれた姉弟でもある。訳あって、前世も今世も一緒に暮らした記憶は殆どない。本当に残念!!

 まぁそれは置いておいて、リヒトも前世の記憶を持っていて、リヒトが生まれて直ぐから、魔道具で連絡を取っていた。

 アーレン王国とトライア地区は、魔法壁によって近くて遠い場所だったけれど、ポンコツ親父の作った通信魔道具(ここはポンコツじゃなくて素直に凄い父親だと思う)のお陰で、今世はリヒトも私も、それほど寂しい思いはしなかった。

 リヒトの父親は、異父姉弟が連絡を取る事に関して複雑だっただろうけど、そこは遠慮しなかった。

 リヒトが5歳で転移魔法を覚えたのもあり(我が弟は、天才だと思う。私は凡人だけど、私は姉だからね!!)、それからは、頻繁に会いに来てくれた。

 いつも2人の会話は、私7割、リヒト3割くらい。うん。私よくしゃべってるね。

 なので、リヒトも何を改まってと思っているのだろう。


 オリバーは、よく見ると、怪訝と言うよりは、苦渋の顔をしているように思う。表情があまり動かず無表情の様にも見えるけれど。

 オリバーとは、ちゃんと会うのも話すのも、初めて。

 今世では、他人。前世でも近くて遠い人だった。

天才に囲まれすぎて、バネッサは気づいていませんが、バネッサも充分に、才能溢れる娘です。

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