表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】半端者の私がやれること〜前世を中途半端に死んでしまった為、今世では神殿に入りたい〜  作者: ルシトア
第二部 ルルーシオ王国編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

122/159

魔力の流れ

 なんだか、今なら出来そうな気がする。

 と根拠のない自信が湧いてきた……。


 私は、右の指先に集中して魔力を練る。

 指先より大きな魔力の玉を作り、左の人差し指を近づける。

 このまま飛ばそうとすれば、魔力の玉が移動するだけだ。

 その失敗は何度もしている。


 今は、体の魔力の巡りがいいのか、今にも指先から吹き出しそうな感じだ。それを維持し続ければ、もしかしたら出来るのでは無いかと思う。

 今までは、飛ばそうとして、出力をグッと上げで押し出す様にしていたが、それだとグッと上げた後の反動でその後が弱まってしまい途切れてしまうのかもしれない。


 私は反動が起こらない様に、少しずつ出力を上げていく。

 魔力の巡りが良いからか、わからないけれど、ある時から少しずつ左側に魔力が引っ張られる感覚になる。

 ん? と思ったら、線がスーッとラインを引いた。

「オヒョ!!」

 思わず変な声がでる。


 …………。これは、成功したのではないだろうか?

 に何というか、体の中に一本の線があり、それが今繋がったというか、回路が完成したというか……その線を魔力がぐるぐると回っているような、そんな感覚だ。


 もう一度、今度はもう少し間隔を空けて線を結ぶ。

 一度通った感覚がある為か、さっきよりスムーズに結べた。


 なんだが不思議な気分だ。

 あんなに悩んだのに、出来てしまえばあっという間とか、なんだったんだろう? と思ってしまう。


 指先の間隔をどんどん開けても問題なく線を結べた。

 指先同士で線を引けたら、次は右手の指だけで魔導線を引く練習だ。


 空中に、絵を描くイメージで魔導線を引いていく。右手から一本の線が出ていく感じ。さっきの左手指先に引っ張られる感覚を忘れない様にして、魔導線を引いていく。


 空中には、少し青みがかった銀色のキラキラした線が浮かんでいた。

 私が魔力供給を止めても、その魔導線の輝きは失われなかった。


「で……出来た!!」


 私は誰もいない教室で思わず、独り言を言っていた。


 嬉しいのと驚きと、高揚感と、なんだかいろんな感情が、あって収拾がつかない。

 ただ、今の感覚を忘れない様に、何度も何度も描くのを止めることができなかった。

 一度解ると、指先からシュルシュルと魔力が出ていく感覚は、体が覚えていて、魔導線が簡単に引ける。

 ぐるぐる螺旋状にしたり、丸い線、四角い線、太い線から細い線等、調節までできる様になった。

 こうなってくるとお絵描きしたくなる。


 目の前には素晴らしいお弁当。

 描きたくなるのは必然で……。

 どうせなら、お絵描きとなると、色が欲しいなと思う。

 ペガサスの黒い瞳を描きたいなと思ったら、指先に黒い魔力が出てきた。

 ほぇ!? 凄!!

 私は思い思いの色を出しながら、目の前にあるデールさん特性弁当のペガサスを見ながら描いていく。

 私に絵心は無いけれど、模写は得意だ。

 よく見ながら、ペガサスを描いていった。

 お弁当を書き上げたところで、指先が痺れてきたので、何かしらの限界が来たのだろう。

 無茶をして、何かあったら嫌なので、この辺でやめておいた。

 そう言いつつ、周りを見渡すと、私が描いた魔導線だらけ……。部屋中に浮かんでいた。

 魔導線は一度手を離れたら、本人が回収するか、誰かの分解魔法で消去するか、専用の分解魔道具で分解するかの3択だ。


 レルート教官にも見て頂きたいので、とりあえず魔導線は残しておいて、食事に戻った。


 ◇◇◇


「これはどういう事だ?

 説明しろ!」

「あれ? ええっと?

 魔導線が描ける様になりました!!」


 レルート教官が、教室の扉を開けて入って来ようとすると、ピタリと止まり、その後、何故がお怒り気味の形相に変化した。

 レルート教官なら、「おめでとう!」とか、「良かったな!」とか共感してくれると思ったのに……。しゅんとした……。


 ……何か間違えたのかな?

今年最後の投稿です。

来年もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ