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余命60年の私と余命8億年の君  作者: とりもち
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12月26日


「お嬢様。朝ですよ。ふふっ。」


つんつんとほっぺをつつく指で目が覚めた。

視界にはニコニコ笑顔のフラン。

おはようのちゅー。


「えへへ。フラン、昨日ね。」

「お話はランニングのあとにしましょう?

 ゆっくり聞きたいです。」


腕を優しく引っ張られて起床。

んーっと伸びをすると、ちょっと気持ちいい。

昨日は帰ってすぐに緊張が解けてぐでーっとなった。

フランに介助してもらいながらお風呂に入って歯を磨いて。

だから昨日のことはまだフランにもちゃんと伝えられてない。


「ふふっ。お二人のお話楽しみです。」


でもフランは私たちの成功を確信してる顔だ。

私が振られたなんてまったく考えてない。


「フラン。まだ付き合えたーとは言ってないよ?」

「幸せそうですから。お見通しです。」


そう言いながら、フランの手が私を引っ張る。

誘われるがままに洗面所。

顔を洗ってお着替えをしてジャージ姿。

さっそくアパートの前の駐車場へ。


「あ!王子様!」

「あ!おねえさん!」


私を見つけて、めぐるちゃんとみゆちゃんが駆け寄ってきた。

ふたりともとってもキラキラした目をしてる。

やっぱり私が振られた可能性なんて微塵も考慮してなさそう。


「おつきあいおめでとう。」

「はい!おめでとうです!

 昨日のデートのこと、聞かせてください!」

「ください。」


ぴょんぴょん跳ねながら、ふたりはそう言った。

そんな風に聞かれるとちょっと恥ずかしいけどね。

あ、でも肝心の小鳥が見当たらないや。


「小鳥はどうしたの?」

「あ、小鳥ちゃんはですね……。」


ちょっと気まずそうな表情のめぐるちゃん。

少しもごもごしたあと、口を開いた。


「昨日いちゃつきすぎた……恥ずかしい……って。

 多分今もお布団で悶えてます……。」


なにそれ可愛い。

遊びに行っちゃだめかな。


「だ、だめですよ!

 小鳥ちゃん居たら王子様のお話邪魔しちゃう!」


小鳥のお部屋に向かおうとする私を、めぐるちゃんが全力で止めた。

むー……。

布団で悶えてる小鳥見たかったな。


でも確かに小鳥が居たらできない恋バナも多いだろう。

ここは諦めよう。

悶える小鳥は、きっとそのうちまた見れる。


「ではラジオ体操流しますねー!」


フランの声に合わせて、ラジオ体操が流れ始める。

それからみんなでラジオ体操してランニングもして。

そして朝ごはん。

いつもはフランと小鳥と3人だけど、今日はフラン、みゆちゃん、めぐるちゃんの4人。


今日の朝ごはんはポテトサラダを挟んだクロワッサン。

ポテトサラダもクロワッサンもフランの手作り。

とっても美味しそう。


「いただきます。」


みんなで手を合わせてご飯スタート。

そしてその次の瞬間。


「そ、それで!昨日はどこまで!?」


めぐるちゃんがそう食いついてきた。

よくぞ聞いてくれました。

私も話したくてうずうずしてたのです。


「昨日はねー。お互い好きって言い合ったよ。」

「ひゃー。いいね。いいね。」


みゆちゃんがぱちぱちと拍手。

ふふー。

そう、とっても進んだのです。


「でもこれ以上は秘密ー。

 小鳥の名誉があるからねー。」


口の前にばってん。

ふふー。

手を繋いで帰ったし、頭も撫でてもらえたー。

でも秘密ー。


「ふたりともなかよし。おめでとう。よしよし。」


みゆちゃんが私の手を取る。

そしてよしよしと撫でて祝福してくれた。


朝ごはんのあとは小鳥をからかいに行こうかな。

そしてたっぷりいちゃつこう。

なぜなら私たちはもう付き合ってるからね。

遠慮なんて要らないのです。


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