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余命60年の私と余命8億年の君  作者: とりもち
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小鳥へのプレゼント選びデート


雛乃との歓談も終わりお昼。

お昼からも予定はいっぱい。

お昼の予定は……。


「王子様!お待たせしました!」

「ふふっ。待ってないよ。いま来たところ。」


駅前での待ち合わせ。

元気いっぱいにめぐるちゃんが駆け寄ってきた。

その姿はもこもこのコートを羽織った制服姿。

とっても可愛らしい。


「えへへ。ふたりっきりでお買い物……。

 で、デートみたいですね……。」


顔を赤くしてめぐるちゃんはそう言った。

ふたりっきりのお買い物は確かに珍しい。

お手々繋いでお買い物はデートらしいかも。

でも今回のお買い物の目的を考えると、私は素直に頷けなかった。


「今回は小鳥に告るためのプレゼント探しだからね……。

 彼女が他の女に告ろうとしてるけどいいの?」


私がそう言うとめぐるちゃんはポカンと口を開けた。

そう、今日の目的は小鳥へのプレゼント探し。

私とめぐるちゃんはお付き合いの関係。

そんな関係で他の女の子へのプレゼントを選ぼうというのだ。

普通なら八つ裂きものだろう。


「そんなの気にするわけないじゃないですか。

 お二人がお付き合いしたら嬉しいですし!」


でもめぐるちゃんは普通じゃない懐の広さだから許してくれるらしい。

合流したときと変わらないニコニコ笑顔。

まあそれならいいのかな。

うん、そう言ってくれるのなら。


(罪悪感は要らないか。)


ということでめぐるちゃんとのお買い物デートだ。

胸を張って堂々と。

あ、そうだ。

せっかくだし腕も組んじゃおう。


「めぐる、腕。」

「ひゃ、ひゃい。」


腕を絡めて威風堂々歩く。

めぐるちゃんは腕を組んだことにちょっと緊張してるのかカチコチと歩いてる。

でもそんなところも可愛い。


「ふふっ。そんな緊張しなくていいのに。

 めぐるは私の彼氏なんだから。

 もっと堂々として。」

「はい、頑張ります。」

「頑張んなくていいよ。

 ほら、力抜いて。」


ふーふーと深呼吸するめぐるちゃん。

そんな脇腹をちょっとタッチ。

めぐるちゃんは小さな悲鳴をあげたあと、私の腕を優しくポコポコと叩いた。


とはいえ今日の目的はショッピング。

こんな駅前でいちゃついててもしょうがない。

私たちはのんびりとした足取りでショッピングモールへと進む。 


「さてと。小鳥の好きなもの……。

 実はね。候補決めてきたんだ。」

「わ、さすが王子様ですね!」


候補を決めてきただけで褒めてくれた。

ふふー。

中身見たらもっと褒めてくれるかも。

スマホをポチポチして画像を出す。

私はそれをめぐるちゃんに見せつけた。


「どう?蟹のカップラーメンタイマー!

 可愛いでしょ!」


スマホに映るのは蟹の形をしたタイマー。

カップ麺の蓋に載せると重しになって、3分きっちり量ることができる。

小鳥はミニマリストだから必要ないものは買わない。

でもこれは便利だし絶対に必要なものだ。

喜んでくれること間違いなし。


「やめましょう、王子様。

 多分、これ、やめたほうがいいです。」

「え、なんで!?絶対喜ぶよ!

 小鳥、蟹も好きって言ってたし!」

「それは多分食べる方です!

 これはやめた方が良いと思います!」

「え、でも……。」

「き、きっともっと良いのありますから。

 ね、一緒に探しましょう……?」


むー。

良いプレゼントだと思ったのに。


でもめぐるちゃんがそんなに止めるのだ。

きっとなにか理由があるのだろう。

それなら別のものを探そう。


「ねぇねぇめぐるちゃん。

 あっちのお店見てみよ。

 枕の専門店だって!」


「こっちのお店はどう?

 ふふー。見てみて猫ちゃん人形。

 にゃーだよ。にゃー。

 小鳥のこと食べちゃうかも。

 めぐるちゃんも食べちゃうぞー?

 にゃんてね。」


「あ!見て!ほら!蟹のキッチンタイマー!

 現物見たらやっぱり素敵でしょ?

 やっぱだめ?なんでさ。もー。」


とまあわいわいお買い物。

2時間くらい見て回ったころ。

めぐるちゃんの目が輝いた。

そしてそのまま私の手を引いた。


「ここ!絶対ここです!ここがいいです!」

「わ、そんなに引っ張ったら危ないよ!」

「えへへ。だって!絶対ここ素敵です!」


そんなに自信満々ならきっといいものもあるかも。

踏み込んだ先はアクセサリーショップ。

キラキラ。

めぐるちゃんの目と同じくらいキラキラ。


でもアクセサリー。

確かにいいかも……。

お揃いのリングとかつけたい……。


(あ、でも。)


「小鳥の指のサイズ知らないや。

 残念だけど、今日のプレゼントにはできないね。」

「知ってるので大丈夫です!」

「ほんと!?じゃあ問題ないね!」


さすがめぐるちゃん。

小鳥の指のサイズを知ってるだなんて。

なんてできる女の子なんだろう。


「あとは形だね……。

 小鳥の好きな形っていうと……。

 ラーメンの形かな。つるつるしてそうな。」

「ラーメンは忘れてください……。」

「ふふっ。冗談。」


小鳥はすごくシンプルなやつが好き。

ということでシンプルな銀の指輪を購入することにした。

ふふ。

喜ぶ顔が目に浮かぶなー。


(あ、それと。)


「こっちのイヤリングも買いたいです。」


私は店員さんにそう言った。

ちっちゃな水色のイヤリング。

こっちもすごく可愛らしい。


「王子様。そっちはご自分用ですか?

 とっても似合いそうですね。」


めぐるちゃんはニコニコとそう言った。

いや、私はつけないよ。


「こっちはめぐるちゃんにだよ。

 今日のお礼。」

「はい?」


聞き返された。

もう1回言った方がいいかな。


「今日のお礼だからめぐるちゃんに。

 あとでつけてあげるね。」

「……あぅ」


ヘナヘナと力の抜けるめぐるちゃんの肩を支える。

まったくもう。

店員さんにお金を払い、へろへろのめぐるちゃんを連れてお店の外へ。

ちょうどいいところにベンチがあった。

ふたり、そこに腰かける。


「もう。お外でへろへろになっちゃ駄目でしょ。

 それともイヤリング、趣味じゃなかった?」

「そんなことないです……。

 た、ただ不意打ちはずるいです……。」


そわそわとするめぐるちゃん。

可愛い。

さて、さっそくつけてもらおうかな。

せっかくのプレゼント。

着けてるところが早くみたい。


「耳、失礼するね。」


めぐるちゃんの耳にかかる髪の毛をかきあげる。

買ったばかりのイヤリングを箱から出して、その耳へ。

淡い水色のイヤリング。

めぐるちゃんによく似合う。


「ど、どうですか……?」

「似合ってるよ。」

「えへへ……。」


赤くなった耳をそっとひと撫で。

ふふ。

なんだかめぐるちゃんは自分のだぞーって印をつけたような気持ちだ。


「王子様、お耳こそばゆいです……。」

「ふふっ。可愛いお耳だから。あとちょっとだけ。」

「あぅ……。」


それからちょっとだけめぐるちゃんを弄って、私たちは帰路につく。

小鳥もプレゼント、喜んでくれるかな。

告白するのはクリスマス。

その時までは、小鳥には内緒。


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