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余命60年の私と余命8億年の君  作者: とりもち
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おうまさんをみにいこう


「おうまさんがみたい。」


私が起きるなり、みゆちゃんは開口一番にそう言った。

そう、起きるなり。

みゆちゃんのいる場所は私のベッドの中。

ぎゅーと私を抱きしめて、そう要望を口にした。


「じゃあ動物園……いこっか……。」

「はしってるとこみたい。ねえねえ。

 おうまさんみにいきたい。」

「じゃあぼくじょうかな……。

 牧場なら、きっとアイスも美味しいね……。」

「もっとはしってるとこみたい。」


ぼーっとする頭で返答するも、みゆちゃん的にはピンと来ないらしい。

でも走ってるとこ……。

うーん……。


「フラン……なんかいいアイデアある……?」


思い浮かばなくてフランにトスをあげる。

するとフランはすぐに答えてくれた。

ただ、ちょっと気が引けるような場所を。


「走ってるとこなら競馬場はいかがですか?

 あそこならきっと見られますよ。」


そう言ってフランはお布団の中からみゆちゃんを引っ張り出した。

みゆちゃんの次は私。

そしてくるくると布団を綺麗に畳んでみせた。

でも競馬場か。

果たしてみゆちゃんを連れて行ってもいいのだろうか。


「みゆちゃん、競馬場はいやだよね。」

「ううん、おうまさんはしってるとこみたい。

 けいばじょうがいいな。」


食い気味にみゆちゃんはそう言った。

ここまでが早朝のお話。


そして現在の時刻は午前9時半。

私とフラン、みゆちゃん、それに小鳥の4人。

そんなメンバーで競馬場へと到着した。


「おうまさん♪おうまさん♪」

「お馬さん楽しみですね、みゆ様。」

「うん、たのしみ。」


私と小鳥の前をみゆちゃんとフランが手を繋いで歩く。

後ろからだとその弾む足取りが分かりやすい。

みゆちゃんはとってもご機嫌だ。


「でも競馬場かー。まさか来る機会があるとは。」

「まあでも結構楽しいぞ。あたしは来たことある。」

「あ、そうなの?へー。」

「かすうどんが美味しい。」

「食べ物目当てじゃん。」


小鳥の興味は馬よりもうどんらしい。

まあでもそれはそれでだ。

今日はお馬さんを見て美味しいものを食べて帰る。

それで充分だろう。


「まあでも折角だし勝負しようぜ。

 どっちの運が強いかさ。」


賭け事はしない。

そんな私の意思とは裏腹に、小鳥はそう提案した。

え、まじで?


「あー……いや、折角だから。

 ほ、ほら今日は12レースだしさ。

 1200円までって決めたら楽しそうじゃないか?」


うーん。

賭け事はあんまりだけど……。

まあ一番負けても1200円だ。

それくらいなら良いかもしれない。


「わたしおねえさんちーむ。」


そんな私たちの話を聞いて、みゆちゃんが私の足にしがみついた。

ふふ。頼れる助っ人だ。


「一緒に頑張ろうね、みゆちゃん。」

「おうとも。がんばろー。」


軽くハイタッチ。

私とみゆちゃんがチームということは向こうは小鳥とフランかな。

そう思ってフランをちらりと見たら、フランは首を横に振った。


「私は分かっちゃいますからね。ズルはだめです。」


とまあそんな具合だ。

分かっちゃうならしょうがない。

ということで私とみゆちゃんチームVS小鳥。

1200円を元手にどれだけ儲かるかゲームスタート。


一応だけど競馬のルール。

スマホで調べて、分かりやすい賭け方だけ今日は選ぼうと思う。

単勝は一着の予想。

複勝は選んだ馬が3着までに入れば良し。

そして三連単。

これは1から3位まですべて当てること。

当然だけど複勝の儲けはわずかで、三連単を当てるのが1番儲かる。


ということで第1レースから私たちの勝負はスタートだ。

あ、でもその前に。


「罰ゲームは?」

「無しでいいだろ。負けはお金かかるんだから。」

「それもそっか。」


ということで罰ゲームもなし。

そんな平和なゲームが始まった。



 

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