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余命60年の私と余命8億年の君  作者: とりもち
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私を知ってる女の子


「ごめんなさい……。

 私、王子様に会えて嬉しくて……。」

泣いて謝る女の子を横目に吐瀉物を始末する。

タオルはあったし、水もすぐに用意できた。

管理者にもすぐに連絡がついて謝ることができた。


でも問題は女の子に追いつかれてしまったことだった。


「ごめんね、咄嗟に逃げちゃって。

 でも今日は遅いしもうお別れだね。

 ばいばい!」

車に乗り込もうとしたら、服の裾を掴まれた。


「私、大ファンだったので会えて嬉しいです……。

 王子様はもう演劇辞めちゃったんですか?」


心にズキリと痛みが走る。

でもそんな私の様子にも気づかず女の子は話し続ける。


「秋の大会、すごく楽しみにしてたんです。

 王子様が主役を演じるって聞いてたので……」


「でもその前に私海外に引っ越しちゃって。

 大会、どうなったんですか?」


女の子の目は期待に満ちていた。

少なくても関東大会。

もしかしたら全国かも。

そんな目をしている。


「私は……

「お嬢様!」

私の言葉をフランが遮る。

「このままだと小鳥お姉様が待ちぼうけです!

 早く帰らないと!」

車の扉を開けて、私を助手席に押し込む。

「ごめんなさい、お嬢様は多忙なので。」

フランはそう言うと運転席へと乗り込んだ。


「待って!王子様!お願い!」

後ろからそんな声が聞こえた。



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