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つないだ手の先に  作者: はらぺこ姫
こぼれた話
38/41

両親に会う

プロポーズの後の話です。

【両親に報告】

結婚を決めた私たちにとって必要なのは。

まず、自身の両親への報告。

それは、問題がなかった。

あるとすれば、弟の。

「姉ちゃんが結婚したら、次僕じゃ」

というものくらい。

いくら実家暮らしが楽だからと言って。

私を理由に結婚を先延ばししている弟に。

遠慮する理由はないので、そこは放置。

和馬さんの方も、何の問題もなかったらしい。

次に必要なことと言えば。

「うちの両親は僕が花音の両親に。

一番先に挨拶したほうがいいと」

大事なことなので、それぞれの両親にまず聞いてみよう。

と話し合って、翌日和馬さんからの連絡。

「うちは、和馬さんの家に合わせるって。

私が和馬さんの家に行くのも同じ日で良いかな?」

できることなら一度で終わらせたかったけど。

結局、お互いの家をまず行き来して挨拶。

その後に両家で顔を合わせる。

その時に詳しい話を決めましょう。

そのことで纏まった。


【両親に挨拶】

私の家にスーツ姿の和馬さん。

仕事帰りで会ったこともあるから。

スーツ姿を見たこと無いわけでは無いけど。

今日は、緊張もあって直視出来ない。

「どうぞ、上がって」

お母さんも、いつもより声のトーンが高い。

和室の奥では、お父さん。

何故か弟の手を握っている。

弟は逃げようとジタバタ。

お父さんと目があった。

「良く来た。待っていたよ」

お父さん、取り繕っているけど。

さっきまで誰よりも緊張していたのは知っている。

その隙に弟は自分の部屋へ。

私は、和馬さんを置いてお母さんと一緒に台所へ。

「いちご大福?」

お母さんが用意していたのは。

近所で有名な和菓子店のいちご大福。

「期間限定だからね」

お母さんは機嫌よくお茶を淹れている。

何故、その選択?

疑問に思いながらも一緒に持って行く。

私はお父さんに。

お母さんは和馬さんに。

和馬さん、いちご大福を見て。

お母さんを見る。

何故か頷くお母さん。

和馬さんの肩の力が抜けた?

和馬さんが、お父さんに向き直る。

私も和馬さんの横に座る。

和馬さんが何かを言い出す前に。

「やらんよ」

一言。

お父さん。私に言っていたのと話しが違う。

思わず声を上げようとした私。

お父さんが手で制する。

「やるとかやらんとかそもそも話が違うんだ。

私は、楽しみにしているんだよ。

新しい息子と一緒にお酒を飲む日を。

あの時、約束してくれたよね」

和馬さんが、頷いている。

いつの間に、そんな約束していたんだろう。

「幸せにするとかの約束もいらない。

うちの娘はそんなヤワじゃない。

悩むことはあっても、勝手に幸せを見つける娘だ。

育て方は間違ってなかった。

和馬くんを見て確信したよ」

お父さん?

「だから、和馬くんいや息子の話なら聞くよ。

家族の悩みを聞くのも父親の務めだ」

和馬さん、真面目に話を聞いている。

そう言えば、お父さんの話。

最近あまり真面目に聞いてない。

だからか、お父さんの話が止まらない。

これ、どこかで止めないと終わらないよ。

「息子との話はいつでもできるんだから。

これ、早く食べましょう」

お母さん、和馬さんにそんなグイグイ行かなくても。

おかげでお父さんの話が止まったのは助かるけど。

「ありがとうございます。大好きなんです」

和馬さん、いちご大福好きだったの?

私の知らない和馬さんを知っているなんて。

意外にお母さん、侮れない。


【私の番】

食べ終えた後。ほんの少し雑談。

その間も時間が気になる。

次は私の番。

お母さんには会ったけど。

お父さんには会ってない。

「じゃあ、花音。うちに行こう」

促されて立つ。

緊張で動きがぎこちない。

「いつでもおいで。

クリスマスには、ディナー作って待っているよ」

お父さん!?

「あら、クリスマスツリーあったかしらねえ」

お母さん!?

おかげで、緊張は吹っ飛んだけど。

苦笑いの和馬さんと外に出る。

「クリスマス。二人きりは無理みたい」

和馬さんの手が宥めるようにぽんぽんと触れる。

「イヴとかもあるからそんな気にしない」

それはそうだけど、ちょっと面白くない。

そんな話をしているうちに、和馬さんの家に着く。

和馬さんのお母さんが既に待っていた。

「うち男の子しか居なかったから。

娘に憧れていたのよね」

何故かハグまでされている。

そういえば、和馬さんのお兄さん。

県外に居るらしいけど。

仕事が楽しすぎて、ほとんど帰って来ない。

そんな風に聞いた気がする。

「だから、挨拶に来ただけだって」

お母さん、私の手を握って離さない。

「男の子って、話しかけても返事もしてくれないし」

その話には、笑うしか出来ない。

応接間に案内されて、やっと解放されて。

和馬さんと並んで座って。

お母さん、消えたと思ったら。

プリンを持って現れた。

しかも、私の好きなお店。

なんで知っているの?

思わず、和馬さんのお母さんを見る。

手を口に当てて笑っている。

もしかして、どこかで情報共有されている?

「2人で話でもしていたんじゃない。

おかしいと思ったよ。花音はどう?」

そう言えば、お母さんたち同級生って言っていた。

最近、お母さん良く出掛けていた気がする。

やっと繋がった。

「忘れてないか」

あ、和馬さんのお父さんが居たんだ。

「良いじゃない。娘が来るのに花が必要だ。

出かけたと思ったら、花を買って戻って来るし。

そのテーブルの花がそう。私にもくれた事無いのに」

お母さん。それ言っても良い話?

「お母さんには、今度買ってくる。

だってこんな可愛い娘が来るのに。

花の一つもないのでは、あまりにも寂しい。

じゃなかった。和馬の父です」

勢いについていけず、お辞儀だけ。

「母です」

今度はよろしくお願いしますと言えた。

「うちの息子が全力で選んだ娘さんだ。

良い子なのは知っているよ」

お父さんニコニコしている。

「是非、お父さんと呼んで欲しい」

はい?

「おとう、さん?」

疑問形になった。

和馬さん、横で笑わないで。

「じゃあ、私はママがいいな。

息子に呼ばれても可愛く無いけど、娘なら嬉しい」

はい?

「まま?」

和馬さん、生きている?

笑ってないで助けてよ。

「もう良いだろ。うちの花音で遊ばない」

しばらくして、やっと立ち直った和馬さん。

2人の顔も真面目な物に変わった。

「和馬。式はいつの予定なの?新居はどうする?」

お母さん、和馬さんに怒涛の質問をしている。

結婚するまで、こんなにやる事あるの?

勢いだけでここまで来たけど。

思ったよりやることの多さに。

めまいがしてきた。

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