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恋の噂話

【皆で集まろう】

『花音。明日、晩御飯を皆で食べたいって』

いきなり和馬さんからの通知。

聞けば、鈴たちも来るらしい。

という訳で鈴に連絡。

『私と茜さんと3人でランチの予定だったよね』

鈴から聞いた話によると。

鈴のお兄さんと茜さんは、大学時代からの付き合い。

当然、和馬さんも直人さんも知っている。

和馬さんの大学時代の話とか聞きたい。

鈴も、直人さんの話を聞いたことはないみたい。

だから、女子会もいいねと言う話だったはず。

『それを聞いたお兄ちゃんが来るとか言い出して。

そしたら、直人も行くとか言い出して。

どうせなら、和馬さんも誘って皆で集まろうと』

経緯は判った。

鈴じゃなく和馬さんから連絡がきた理由も。

『要するに、皆で集まりたかっただけだと思う』

なら、気楽でいいかも。

和馬さんに了承の返事。


【知らない過去】

和馬さんに連れてこられたのは、回転寿司屋。

他の皆はすでに集まっていたよう。

お腹の大きな女性がたぶん茜さん。

キラキラした目でこっちを見ている。

珍しく、和馬さんが挑戦的だ。

「この子が、瀬戸花音さん。

鈴さんの友達で、僕の彼女」

ん?紹介している和馬さんの顔を見る。

隣で鈴と直人さん頷いているけど。

2人とも、うちらがお試し期間って知っているよね?

なんだろう。この独特な空気感は。

「貴女が花音ちゃんね。

初めまして、篠原茜と言います」

想像より、大人しい感じの印象だけど。

周りの警戒度が高くなる。

思わず、和馬さんの手を握り私も身構える。

茜さん、ニコッと笑み。

「ねぇ。花音ちゃんは、和馬くんの初恋に興味ない?」

いきなり何を?

和馬さんは、私を後ろに隠そうとするし。

鈴と直人さんは、揃って口が開いている。

鈴のお兄さん、頭抱えているよ。

でも、正直なところ。

その話ものすごく興味あります。


【誤解を招く】

最初に反応したのは直人さん。

「少なくとも、和馬に彼女がいたことは無いよ。

そこだけは安心して。花音ちゃん」

珍しく直人さん、やや早口。

「それは、それでどうなん?」

と、鈴の突っ込み。

「だから、勝手に人の話で盛り上がるな」

ちょっとムッとした声の和馬さん。

「でも、割と告白はされていたよね?」

茜さん、笑っているんですけど。

どこまでが本当の話か怪しそう。

「断った。花音に誤解される言い方は止めて欲しい」

それはそれで気になるけど。

「和馬さんが嫌なら聞かないよ?」

和馬さんが首を振る。

嫌ってことはないらしい。

「過去に告白した私の友達なんて。

手を握ろうとしたら、露骨に避けられたって」

手、今繋いでいるよね?

背中越しでは、和馬さんの表情は見えないけど。

ぎゅっと握ったら握り返してくれる。

「好きでもない子とは、用もないのに手を繋がない。

と和馬くんそう言って断ったらしいけど」

和馬さん、手を繋ぐのは好きよ?

繋がないと寂しそうな顔するし。

「そういや、花音ちゃんのお弁当を和馬が食べていた時。

あれ?とは思った」 

直人さん、納得したように頷いているけど。

「女の子からクッキー貰っても返していたのに?」

今度は茜さんが驚いている。

「こんなお人形みたいな可愛い子から作って貰ったら。

普通なら食べるんじゃないの?」

鈴のお兄さん、真面目な顔をして言っているけど。

「花音は生きているから、妖精とか精霊だと思う」

和馬さんも、真面目に返さないで。

「鈴の方が可愛い」

直人さんは、何を張り合っているのか。

それよりも、茜さん大爆笑しているけど。

お腹の子供が大丈夫か心配かも。

「なんか思った以上に仲良いのね。写真撮っていい?」

これは、和馬さんが本気で嫌がった。

私も、それは嫌です。


【初恋の話】

お店の中は割と混雑している。

予約はしていたみたいだけど、少し待たされそう。

その間に事実確認。

「和馬さんに、大学時代に告白した人が居るのは事実」

茜さんが頷いている。

「今その子は、結婚しているから安心して」

直人さんと鈴のお兄さんも頷いているから本当っぽい。

「で、さっきの話。和馬君の初恋の相手。

噂によると、人魚姫らしいね」

人魚姫っておとぎ話の?

思わず和馬さんを見る。

否定はしない。

「それが実在すると言っているのが晃。

ただのおとぎ話だと言っているのが直人くん。

で、実際のところどうなの?和馬くん」

和馬さん、首を傾げる。

「だから、花音が居るから解決した」

和馬さん、それは、解決…なん?

「残念。そこを詳しく聞きたかったのになあ」

と、茜さん。

隣で鈴のお兄さんも頷いている。

直人さんが、鈴の髪で遊びながら。

「彼女出来たって大騒ぎになっているのも本当。

僕に聞く人も居るくらいだから。

茜さんのところはもっとすごいと思う」

そういううわさ話って早いよね。

この状況で、お試し期間とは言えない。

でも、なんかむずがゆい。

「大騒ぎと言えば直人くん、式はいつ?

和馬くんと同じくらい聞かれるんだけど」

茜さんの問いに、今度は和馬さんが頷いている。

「もう少し待って。今お金貯めているから」

鈴がムセている直人さんの代わりに答えている。

結婚式かあ。

想像しかけて止める。

―たぶん、それが現実になりそう。


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