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霊峰ガルダに登ろう!  作者: 静先輩
第二章 Steamガルダ編
22/33

第22話 クレーマーかと思いきや、ガチ勢の正論

 例の公式掲示板も、もはや習慣のように覗いている。

 スレッドは今日も元気に燃えたり鎮火したりしていた。


 そんな中、二ヶ月前の投稿が目に入った。


 > 「難易度ネルソンなのに、ルートが史実と違う件について」


 最初は「うわ、まためんどくさいクレーマーか?」と思った。

 でもアカウント履歴を見てみると、プレイ時間数百時間、バグ報告も的確、他人の質問にも丁寧に答えている、ガチの攻略勢だった。


 投稿内容を読むと、主張はこうだ。


 ・最高難易度が「ネルソン」なのだから、プレイヤーはネルソン本人の体験をなぞるはず

 ・ところがゲーム内のネルソンルートは、史料に残るネルソンの登攀ルートと一部違う

 ・それは「ネルソンらしさ」を損ねており、コンセプトに反しているのではないか


「……言ってること、割とまともだな」


「ネルソンをやる」という狂気の表現に慣れてしまうと麻痺するが、最高難易度を英雄の名前にしている以上、「史実準拠」を求めるのは筋が通っている。


 問題は、それを本当に再現したら、ゲームバランスが「人間の遊ぶもの」から外側に飛んでいきそうな点だけで。


 てっきり運営はスルーするだろうと思ったら、この投稿に返答していた。


「貴重なご意見ありがとうございます。このたび、ゲーム内である条件を満たした状態で挑戦することでお楽しみいただける、『歴史が唯一保証した正規ルート』を実装いたしました。該当ステージ名は『真の大霊峰と真の英雄の一騎打ち』です。挑戦を心待ちにしております。」


 無言削除でもテンプレ返信でもなく、ど真ん中ストレートで返答。

 見直したぜ、闇運営。


 が、それはそれとして。


「二重に隠し難易度あるのかよ」


 まず通常の「ネルソン」があって、その上に「条件付きで開く“真ネルソン”」みたいなステージがあるらしい。


 しかもステージ名が「真の大霊峰と真の英雄の一騎打ち」と言い切り系。

 語尾に「!」が三つくらい付いててもおかしくないノリ。


 コピーの過剰さからして、「やべーの作っちゃったけど、せっかくだから自慢したいよね」という開発のテンションが透けて見える。


 史実のネルソン vs ガルダ、本気の一騎打ち。

 それを「お楽しみいただけます」とか軽く言うな。

 そもそも一騎打ちって言うけど、相手、山だからな。

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