1話 出遅れプレイヤーの初日 起動
書き溜めありません!! なのに導入部をアップしてしまう!!
(メインシステムの天恵はシンプルなほど万能だが使いづらく地味、細かいほど特化・派手になるが使い所が限定される、と……)
ある秋の放課後、推薦ではやばやと受験が終わってしまった高校3年生「吉井久良」は、大きなカプセルを起動させながらスマホで情報収集に励んでいた。
天のいたずらか、いままで商品券すら当たらなかった懸賞サイトで最新型のVRポッドに当選した久良は、ついに気になっていたVRNMOに手を出そうとしているのだ。
(こんなにいい機材があるなら、ワーギフをやるしかないからな)
それなりにゲームやVRが好きなら、フィジカルポッドシリーズを目の当たりにして、テンションの上がらないはずはなかった。
(脳波や電気信号だけじゃなく、振動や送風でよりVR演出と同調する、Hi-Tecの粋が我が家に来るとは)
ポッド表面の液晶に表示されたインストールの進捗状況が、新体験へのカウントダウンに思える。
これだけ胸が高鳴ったのは、スマートグラスの起動画面ぶりだろうか。
(とはいえ、追加サーバーを含めた第2陣にも乗り遅れたわけで、普通にやるよりはクセのある遊び方をしたいよなぁ
幸い攻略情報や掲示板は盛り上がっているわけで……)
そうして調べているうちに、以下のような方針でキャラクリをすることに定まってきた。
・[天恵]はシンプルかつイマイチ評価なもので
・種族はランダムから、ランダム限定種族を引ければラッキー
・「決断力」の称号が便利そうなので、細部はほどほどに始める
・2スロット目は有料だが、キャラ消去は無料らしいので詰んだらその時考える
そうこうしている間に、液晶には、
[World of the Gifted のインストールに成功しました]
の文字が浮かび上がる。
縁に指紋をかざすと、シュッと空気の抜ける音とともにポッドが開く。
「最初にして大きな山場、キャラクリのお時間だ!」
次回はキャラクリ苦戦パートです。
苦戦するタイプのVRなろう気になる! という方はぜひブクマで温めておいていただけますと幸いです。