14 新しい計画!
けれど、ユーフィリアはいい案を思いついた。
「テンマー神殿まで続く参道を作る」
シジュクは今回は割と普通の案だと思った。神殿に参道がつくのは珍しいことじゃない。
「別にそれぐらいなら、そう、お金もかかりませんし、いいんじゃないでしょうか」
「うん。で、この参道にずっと屋根をつける」
「屋根……?」
また変なことを言い出したなとシジュクの顔がこわばる。
「そうや。屋根があったら雨でもぬれることなく、神殿まで行けるやろ。これで、また客足は伸びる」
「伸びはするでしょうけど、そのために参道を覆う屋根をずっと作っていったら、とんでもない額になりませんかね?」
「その両サイドに店を並べていったらええねん。ずばり、参道長大商店街計画や! 前世の記憶がそれをやれって言うねん」
ユーフィリアの頭の中には、天神橋筋商店街という日本一 長かった商店街の記憶があるのだった。
「わかりました。ユーフィリア様の記憶とやらを信用しましょう……」
この長い商店街の計画も実行に移され、新世界からは少し離れていたこともあって、王都の新市街地の一つとして発展した。
これをテンマー神殿商店街という。
そして、商店街のアーチ状の屋根が神殿まで伸びた頃――
ウメダ地区のダンジョンもほぼ完成した。
●
ダンジョンの地下一階の広場でユーフィリアは演説を行う。
地下一階といっても、空からの光が入ってくる構造になっているので、割と明るい。だが、ダンジョンとしての難易度はすこぶる高い。
「え~、みんな大変やったと思うけど、ダンジョンの第一期工事が完了したわ。もちろん、これからもまだまだ横に広げていって、この世界最大のダンジョンとしてまだまだ発展させてくけどな」
魔族たちは静かにそのユーフィリアの演説を聞いていた。なかには商業ギルドなどの大物がずらっと並んでいる。
それは権力によるものではなく、信頼によるものだ。
わずかな統治期間にもかかわらず、王都は内乱から大幅に復興した。いや、それ以上に発展していた。
ユーフィリアは魔族のまったく新しい歴史を作っていると言ってよかった。
シジュクも今日は誇らしげな顔でその様子を見つめている。
大規模な土地の領主となったリゼノアも、そこに立っていた。
シジュクは思う。やたらといろんなものを作ってきたユーフィリアだけど、それのおかげで、王都は明らかに活気付いている。
けれど、そういった土木事業も一段落だろうか。ここからは王都も成熟の時代に――
「あと、ここで今後の予定をばばーんと言っとこかな。まだまだうちは働くで」
あれ、こんなこと言う予定になかったぞ、とシジュクの顔が青ざめる。
「次は通称『淀川』の向かい側にも町を作ろうと思てるんや。魔族らしく、おどろおどろしく『13』っていう名前にするつもり」
なんとなく、川を渡ったところに「十三」という町があったような気がするのだ。前世の記憶なので、ウソか本当か判断はできないが。
「ユーフィリア様、そんな話聞いていませんよ! 勝手に発表しないでください!」
「いきなり発表したほうがおもろいやん。というか、そうでないとサプライズ感ないし」
「こっちには話してください!」
「それと、新世界の近くのアヴェーノっていうところに、とんでもなく高い塔を作る計画もあるねん。名前は仮に『アヴェーノのはるかなる塔』にでもしとこかな」
「もう少しゆっくりやりましょう! きりがありません!」
しかし、この場には商業の重要人物もたくさんいるわけで――
「『13』か。なかなかしゃれた名前だな」
「いろいろ出店できそうだな」
「実は交通の便がいいかもしれん」
「その塔もどうせなら人間がビビるぐらいのものにしたいな」
「展望台にのぼるだけでお金がとれるんじゃないか?」
すでに賽は投げられたとばかりに話が勝手に進みそうである。
大阪のオバチャンぽい魔王、ユーフィリアの建築ラッシュはまだまだ続く。
今回にておしまいです! 大阪のオバチャンネタを久しぶりにやりたくて、かなり短時間で一気に作りました。また変なネタはできるだけ形にだけはしていきたいです。




