思い出した
冬木さんが学校に来なくなって西村と高橋さんは心配していたが、他のクラスメイトはそんな様子はなかった。
それを見かねた高橋さんが「心配じゃないの」とクラスメイトに聞くが「誰それ?」と返された。
どうやら僕達三人以外、冬木さんの事を覚えていないらしい。
高橋さんは電話をかけたのだが、『この電話番号は現在使われておりません』になっていたそうだ。
先生に頼んで名簿を調べてもらうと冬木さんの名前があり、住所も載っていた。見つけた先生も「こんな子いたっけ?」と首を傾げていたのを見て、先生も覚えていないことが分かった。
そして僕は今、冬木さんの住所に向かって歩いていた。
あの次の日、冬木さんに聞こうとしたのだがいつも感じる懐かしさと同時に罪悪感を感じるようになり、罪悪感から聞くのが怖くなった。
結局、何をも聞く事が出来ないままいなくなってしまった。
「おい、誠」
振り返ると西村と高橋さんがいた。
「二人共、冬木さんの家へ?」
「ああ、先生に名簿を見せてもらった」
「ふさちゃんの事がどうしても心配で」
「そっか、そうだよね」
「一緒に行こうぜ。もう直ぐそこだ」
「うん。行こう」
そして三人で歩いてる数分後、住所の場所に着いた。
「えっと、ここで合ってるよな」
「ねぇ、安住くん。ここで間違いないよね?」
「うん、ここだよ」
西村と高橋さんがが困惑してる。それもそうだ、着いた場所には家はなく辺り一面の雪景色だった。
僕はこの場所が、写真に写っていた幼い頃の冬木さんと遊んだ場所と、夢の中で遊んでいた場所だという事が分かった。
「あ・・・」
そうだ、やっと思い出した。
「ふさちゃん、嘘の住所を書いたのかな」
「いや、ここが冬木さんの家だよ」
『私、大きくなったらこの雪景色がみえる所に住みたい。この雪景色を見てると、何だか全てを真っ白にしてくれそうだから』
幼い頃、僕が誘ってここで一緒に遊んだ時、確かに冬木さんはそう言っていた。
でも、その所為で冬木さんは亡くなったんだ。
次話は過去の話になります。
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