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1 ポンポン、町へ行く

読み聞かせ用のため、漢字多めです。

 山の(ふもと)の小さな森に、たぬきのポンポンが住んでいました。ポンポンは森の人気者。丸いお腹をぽんぽん叩いて楽しい歌をうたいます。ふさふさしっぽをゆらしながら、愉快なダンスも踊ります。

 森のそばの町にある、素敵なケーキ屋さんの話は、森の奥に住むポンポンも知っていました。ある日、ポンポンは「びっくりするくらい美味しい」という評判のケーキを食べてみたくなり、人間の子供に化けて、町にやってきました。

 そのケーキ屋さんは、すぐに分かりました。白い壁に、しゃれた文字で店の名前の看板がかかっており、外には植木鉢で花がたくさん飾られていました。

 薄いレースのカーテンが、中で人が動くたびにふわりと揺れました。


 小麦やバターの良い香りに、うっとりしていると、ドアが開いておばあさんがひとり「こまった、こまった」と言いながら出てきました。

「いったい、どうしたんです?」

 ポンポンが尋ねるとおばあさんは、

「日付を1日勘違いしていてね、駅に人を迎えに行かなきゃいけないのだけど、これからお客さんがお誕生日のケーキを取りに来るんだよ」

 と言ってため息をつきました。

 ポンポンはどんと胸を叩いて言いました。

「それなら、ぼくが店番をしますよ」

「おやまぁ、それは助かるわ。このケーキよ」

 おばあさんは、ショーケースの端にあるケーキに名前の書かれた平たいチョコレートをさし、「冷蔵庫にお弁当があるからお食べ」と言って出かけてゆきました。

次回は明日更新、

その後はだいたい1週間後を目安に更新したいと思います。

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