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序章 月の無い夜
初めての投稿です
あたたかい目で見守って頂けると幸いです!
なぜ自分は刀をふるう必要があるのか…
なぜ自分ばかりこんな目にあっているのだろう
なぜ自分は……
そこまで考えて、少女はそれが無駄な行為だと気づいた。ふとした瞬間に浮かぶ思いを振り払う。無意味なことを考えている時間はない。はやく戻らねば何をされるか分からないのだ。つい先日も、戻るのが遅れたばかりに少女の少ない食事はさらに少なくなったのだ。少女は急いで手近に転がる敵で刀の血を拭うと、高くそびえ立つ城に向かって歩いていった。
寒い、月の出ていないとある夜のことである。