表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
65/78

第64話 吸血貴族との別れ


 夜になり、外はときおり雷をともなう猛烈な雨に見舞われていた。

 激しく窓を打つ雨粒。強い風とともに断続的にガラスをたたく音が、二階にある雄斗の部屋にも鳴り響いている。

 明かりの消えた部屋。

 その奥に立つ、水色の敷き布団に藍色の掛け布団がかけられたベッドの上には、吸血鬼であるイオネラの姿があった。

 彼女はやわらかい綿生地の上でうずくまり、全身に脂汗をかきながら必死に「何か」を耐えていた。


「はぁ……はぁっ……」


 部屋にただよう、イオネラの息づかい。

 唇をぬらし、苦しそうに目をつむりながら、彼女は自分の中に湧きあがる強い欲情を抑え込むために全力を尽くしていた。

 体をふるわせ、目に見えない何かと相対する、孤独な闘い。

 しみだす唾液を飲みこみ、いますぐ動き出したくなる衝動に首をふって、ベッドに顔を押しつけ、頭を抱え込み、あらゆる方法で紛らわせようとする。

 そうした長い苦痛の時間が経過し――

 自分を突き動かす欲望が徐々に収まっていくのを感じると、イオネラは全身から力を抜き、体を横に倒して大きく息を吐いた。

 肩や手足がけいれんし、しばらく動けない時間が続く。

 雄斗のベッドに広げられた掛け布団を、顔や手足からにじむ汗でぬらす。

 胸の動悸どうきが落ち着くのを待ってから、イオネラは徒労の表情で、ゆっくりと顔を上げた。


(いま、何時じゃ……)


 ふとイオネラが雄斗の机の上にあったデジタル時計をみやる。

 そこに表示されていたのは「22:35」の文字。


(……二十分以上も経ったのか)

(だんだんと間隔が狭まってきておる……。それに一回の長さも少しずつ長く……)

(このままでは、今日一晩も耐えられぬな……)


 体の火照りがおさまり、イオネラはベッドの上で上体を起こしてから、静かにため息をもらした。

 額からまぶたの上に流れる汗を服のそででぬぐい、唇をかみしめる。

 枕の横には、彼女が雄斗から借りているスマホが転がっていた。

 イオネラはそれを手に取ると、慣れた手つきで画面を操作し、発信履歴を表示させた。


(ミナミナめ……わらわがもう百回以上電話をかけておるというのに、まだ何も返答がないのはどういうことじゃ)

(もしや、ミナミナの身になにかあったのか……?)

(今日中に連絡をとるのは難しいかもしれぬ……そうなれば、もはやあきらめるより仕方がない。何とか最後に話をしたかったのじゃが――)


 焦りの色をのぞかせるイオネラ。

 発信履歴に整然と並んだ「ミナミナ」の文字のうちひとつを親指でたたく。

 もう同じ動きにはあきあきしたとでもいうように、イオネラはなかばあきらめた気持ちでスマホを耳にあてた。

 電話をかけると、コール音の代わりに相手先の指定した曲が流れる。

 ミナミナの着信用の曲は、彼女自身が歌う曲「I Need Your Games」。

 もう同じ曲をこの二日間ほどで百回以上聴いたことになるイオネラは、未来都市をイメージしたその歌のサビの部分を、メロディも歌詞も、もはや夢に出そうなほどに完全に暗記していた。

 ミナミナが歌っているとはいえ、さすがに同じ曲を聴かされることに苦痛を感じ始めながらも、イオネラはがまんして着信を待った。

 サビの部分の歌が終わる。


(――やはりダメか)


 あきらめてイオネラがスマホを耳から離そうとした。

 そのとき彼女の耳に、わずかに「ブツッ」という着信音が聞こえた。


「――ミナミナ?」


 あわててスマホを戻し、話しかけるイオネラ。

 返事は無い。だがスマホの画面を見ると、やはり「通話中」の文字とともに通話時間が一秒ごとに刻まれていた。

 ミナミナが電話に出ている。間違いない。


「ミナミナ! ミナミナじゃな!?」


「……………………うん」


 しばらく間をあけてから発せられたその声は、小さくかすれており、ほとんど聞き取れなかった。

 だがイオネラはその声音を聞いて、ミナミナだと確信した。


「いままでどうしていたのじゃ!? わらわが何度電話をかけても一向に出ようとせぬとは、何かやむにやまれぬ事情があったのか? 電話が壊れたとか、紛失していたとか……。わらわはおぬしの身に何かあったのではないかと心配しておったのじゃぞ!? 」


「……………………」


「いや、そんなことはどうでもよい。それより今朝のニュースをみたぞ。おぬし、ついに19Kに正式メンバー入りするそうじゃな! なぜそのような大ニュースを、おぬしの主であるわらわへまっさきに伝えぬのじゃ。電話が難しければメールでもよかったのじゃぞ? わらわは字が読めぬが、優秀な筆頭下僕であるユウトが代わりに読んでくれるから、ひとことだけでも送ってくれればよかったものを」


「……………………」


「それにしても、どうやって19Kに入ることができたのじゃ? おぬしの話では、いまの弱小事務所では決して入ることのできぬ鉄壁のアイドルグループではなかったのか? もしや、事務所を移ったのではあるまいな? どういう事情か、わらわにも教えてくれぬか。このままでは気になっておちおち眠ることもかなわぬ!」


「……………………」


「あ、それから、先日おぬしがレポーターを務めておった番組を観たぞ。トランシルヴァニア公国の吸血鬼の謎を解き明かす番組じゃったな。事前になぜこのことを知らせてくれなかったのじゃ。おぬしが行く前から知っておれば、わらわの住んでいた城や地方についておぬしに調べてきてもらうことも、おぬしに質問を預けてあの学者とやらにぶつけることもできたのに……あの番組の第二弾はないのか? 次こそは必ずやわらわの出生地について調べねば――」


「……………………」


「ミナミナ、聞いておるのか。わらわはおぬしに対して訊きたいことでいっぱいじゃ。早く答えてくれねば、わらわが一方的に質問攻めにしてしまうまでじゃぞ」


「……………………」


「ミナミナ……?」


 何を話してもなんの返事もしないミナミナに、イオネラはさすがに不安になった。


「ミナミナ、どうしたのじゃ。なぜ何も話さぬ。答えてくれねば、話が進まぬじゃろう。せっかくおぬしの19Kメンバー入りを祝ってやろうと思うたのに――」


「……………めん……なさい」


「ミナミナ……」


「ごめん、なさい……イオちゃん…………ごめんなさい……ごめんなさい……!」


 涙声になりながら、必死にしぼりだすミナミナのふるえた声が、イオネラの耳に届いた。


「どうしたのじゃ、ミナミナ。おぬしが電話に出なかったことはとがめるが、そこまで謝らなくともよいぞ。わらわは怒ってはおらぬ。理由を話してくれれば、わらわとて――」


「ちがうの……。私、イオちゃんを、裏切ったの」


「裏切った?」


「イオちゃんを……イオちゃんのことを、私……売ったの……!」


 嗚咽しながら告げるミナミナの言葉に、イオネラは眉根を寄せた。


「売ったとは、どういう意味じゃ。わらわは売り物ではないぞ」


「……私、イオちゃんのことを――イオちゃんの情報を、バイオロイドを追ってる亜斗蘭逓州大学の人にしゃべっちゃったの……。住所も、名前も、電話番号も、全部――」


 ミナミナは神に懺悔ざんげするように、一言ずつイオネラへ告白した。


「亜斗蘭逓州大学の人が、私と話がしたいっていうから、昨日会ったの。その人、私とイオちゃんが出ていたワイワイ生放送の番組を見て、私がバイオロイドについて何か知ってるって疑っていて……。

 もちろん、最初はイオちゃんのことを絶対話さないって心に決めてた。でも、その子――その人が、情報を教えてくれたら私を19Kに加入させてあげるってもちかけてきて……私、全然信じてなかったんだけど、その人が目の前でどこかに電話をかけたら、すぐに事務所から私に連絡がきて、たったいまミナミナが19Kの正式メンバーに加入したって知らせてきて……。

 もう私、わけわかんなくて……絶対なれないものだって思ってたから……。でもその人は、イオちゃんの情報と引換だって……イオちゃんの居場所を教えなかったら、この話はなかったことになるって……だから私、イオちゃんのことを……しゃべったの……」


「ミナミナ……」


 長い間があった。

 イオネラはミナミナの気持ちを察してか、それ以上何も答えず、ミナミナは電話口でひどく嗚咽して何も話せずにいた。


 外で降り注ぐ雨音だけが、二人の間を埋める。

 やがてミナミナが、声を上ずらせながら自嘲した。


「私、最低だよね……。自分が日本一のアイドルになりたいからって――19Kのメンバーになりたいからって、そのために親友を売っちゃうなんて……。

 イオちゃんと自分の夢とを天秤にかけたの。プロデューサーとか、私の事務所の人たちといっしょに。だから19Kのメンバーになるって決めた瞬間から、イオちゃんとは一切連絡をとらないようにしようと思ったの。何度電話がかかってきても、メールがきても、私はもうイオちゃんを売った人間だからって、イオちゃんとは何の関係も無い人間だって思い込もうとして……」


「……………………」


「でも、イオちゃんの着信履歴を見てて……いまこの瞬間、亜斗蘭逓州大学の人たちがイオちゃんのことを捕まえにきていたら――イオちゃんが大学の手から逃げてる最中だったらって……もし私がイオちゃんの情報を漏らしたのを何かで知って、イオちゃんが私を恨んで何度も電話をかけてきてるかもしれないって……私に助けを求めてるかもしれないって……そう思ったら私、怖くなって……電話、とれなくて……」


「……………………」


「イオちゃんと元のように仲良くしたかったけど……もうダメだよね。私、アニオタで学校の友だちも少ないから、イオちゃんとだけはずっと友だちでいたかったけど……こんなことしちゃったんだもん。もう赦されるわけないよ」


「……………………」


「ホワイトテイル、もう一緒にいけないね……」


 白んだ声で伝えるミナミナ。

 イオネラは、彼女の話を聞くだけで何も答えない。

 息がつまるような、重苦しい沈黙が落ちる。

 ミナミナもイオネラも、それからしばらく一言も口にせず、ただ二人へのしかかる短い時をやり過ごした。


 窓の外に見えるのは、暗闇と水滴。

 そして窓をたたく雨の音。

 同じ雨は、ミナミナの部屋の窓にも降りているはずだった。

 空は黒い雲に覆われ、月の明かりも届かず、深い闇に包まれた夜。

 しっとりと落ちる静かな雨は、ミナミナの瞳からあふれ出る涙を象徴しているかのように、いつまでも窓の外に降り注いでいた。


 会話が途絶えたままの二人。

 しばらくしてようやく、ミナミナが悲しそうに口にした。


「私、もうイオちゃんとの縁、切るね。じゃあ、さよなら――」


 そのとき。

 ミナミナの話を全て聞き入れたイオネラが、はっきりと口を開いた。


「…………さっきから、何を言っておるのじゃ」


「えっ?」


「友だちでいられないとか、ホワイトテイルにいけないとか……。ミナミナはなぜそんなにしぼんでおるのじゃ」


「なぜって……私、イオちゃんを裏切ったから……」


「何を言っておる。おぬしは千歳一隅のチャンスをつかんだのじゃろう。なぜそれを素直に喜ばぬ? 絶対なれないはずじゃった日本一のアイドルグループ・19Kのメンバーに、おぬしはなったのじゃ。もっと嬉しがってもよいじゃろうに」


 イオネラのあっけらかんとした言葉に――

 ミナミナは明らかに戸惑った声で反応した。


「でも……だって私、イオちゃんの情報を売ったんだよ? 亜斗蘭逓州大学の人に――イオちゃんの体がバイオロイドだっていうことを、あの研究者の人たちに――だからもう明日にでも、大学の人たちがイオちゃんの家に押しかけてくるかもしれないんだよ……?」


「だからどうしたというのじゃ。それを逃せば、もうおぬしは二度と19Kのメンバーにはなれなかったのかもしれぬのじゃぞ。おぬしは日本一のアイドルになりたいのじゃろう。ならばそんな機会をみすみす逃すわけがあるまい。わらわが逆の立場でもそうしておるぞ」


「でも……でも、イオちゃんが、私のせいで大学の人たちにさらわれたりしたら……」


「ハッハッハッ! 何を言うておるのじゃ。吸血貴族であるわらわが、人間どもの力に屈するはずがないではないか! たとえ大挙して押しよせてきたところで、わらわのマイトの力でひとひねりにするだけじゃ。というより、ミナミナもそのことが分かっていてあえてそのような交渉を受けたのじゃろう? おぬしもなかなかの策士じゃのう。主であるわらわも鼻が高いぞ!」


「イオちゃん……」


 主としての威厳を見せつけるように笑うイオネラ。

 あまりに堂々とした彼女の態度に、ミナミナは明らかに戸惑った様子を見せていた。

 ひとしきり笑い終えると、イオネラは落ち着いた声で諭すように話した。


「ミナミナ。おぬしは譲れぬ夢を持つ立派な人間じゃ。それと同時に心の優しい人間でもある。だから夢との矛盾に悩み、わらわのことを心配して大きな不安にとらわれているのかもしれぬ。じゃが、チャンスの女神に後ろ髪はないのじゃ。そのチャンスをつかんだおぬしの選択は何も間違ってはおらぬ。自分の進んだ道に自信をもて。

 わらわはおぬしの主じゃ。おぬしの成長をだれよりも望み、だれよりも喜んでおる。だからわらわのことで悩むのはもうやめよ。下僕に心配されるほど、わらわがか弱い主ではないことくらい、おぬしにも分かっておるじゃろう。おぬしは自らの夢をかなえるために、自分の道を力強く歩くことだけを考えておればよい」


「イオ、ちゃん……」


「だが、油断するでないぞ。これからが本番じゃ。日本一のアイドルになるため、これからも努力を怠ることなく進むのじゃ。わらわはいつでもおぬしのことを応援しておるからな」


 イオネラの言葉に――

 ミナミナはただ「うん」とうわずった声でうなずいた。

 その反応に安心し、イオネラはいままで彼女と話した中で最もやさしい声をかけた。


「ミナミナ。今日、おぬしと話せてよかったぞ」


「私、も……。私も……!」


「うむ。では、な」


 イオネラはそれだけ言い残し、静かに通話を切った。


 ベッドの背にもたれかかり、イオネラは今晩はじめて、表情を心の底から緩ませた。

 ミナミナに対する全ての疑念が解け、彼女は大きく息をつくと、ひとりつぶやいた。


「よかったな、ミナミナ……。これでわらわも安心して――」


 イオネラがスマホの画面を見ながら、何かを決意するように口元を引きしめる。

 そしておもむろに、窓の外へ顔を向けた。

 依然として降り注ぐ雨。

 月の明かりも星のまたたきも、厚い雲に隠れて地上からは見ることができない。

 そんな空を、イオネラは愁いと寂しさを含んだ瞳で、少しの間、見つめた。











 ミナミナの自宅。

 一軒家の奥にある自室のベッドの上で、ミナミナはただじっとイオネラと話していた自分のスマホをみつめていた。

 19Kのメンバー入りが発表されたことへの様々な対応で深夜帰宅となった彼女は、まだ外着のままだった。

 イオネラへの罪悪感にさいなまれつつ過ごした一日。

 それをかき消そうと、ミナミナはアイドルの仕事に集中しようとした。

 だが、ふとした休憩時間や独りになった瞬間、頭の中をよぎるのはイオネラの顔だった。

 朝からずっと働きづめで、体力的にも精神的にも疲れ果てた彼女がようやく自分の部屋に戻ってくると、やはりイオネラのことが頭から離れなかった。

 そこへかかってきたイオネラからの電話に、彼女は決して押さないと決めていた着信ボタンをいつのまにか押していた。


 イオネラは怒るどころか、自分の思いを受け入れてくれ、励ましさえしてくれた。

 イオネラを裏切り、彼女の情報を売り、自分の夢をかなえることを優先させた、非難されるべき最低な自分を。


(イオちゃんは、きっと強がってる。じゃなきゃ、いままで大学の手先から逃げる必要なんてなかったから……)

(それなのに、私のことばかり気にかけて……)

(私、イオちゃんに何もしてあげられてない……迷惑かけてばかり……なのに……)


 ミナミナは胸を強くしめつけられるような思いがした。

 うるんだ両の瞳から、大粒の涙がこぼれる。

 彼女は両手でそれをぬぐった。

 だがあとからあとから涙があふれ出て、どうしてもとまらなかった。

 ミナミナはひどく嗚咽しながら、顔をくしゃくしゃに崩す。

 輝くしずくが次々と頬を伝っていき、したたる涙はアスファルトに落ちる雨のように、水色のタオルケットへ暗い染みをつくっていく。

 自然と、ミナミナの口からイオネラへの言葉がついて出た。


「イオちゃん……ありがとう」











 朝になっても、まだ雨は降り続いていた。

 夜半に比べいくらか小康状態にはなったものの、分厚い雲は依然として雄斗の住む町を覆い、しつこい雨を地上に落としている。

 昨日の天気予報では、降ったりやんだりの天気が今日一日続くとのことだった。

 梅雨明けがはっきりせず、気象庁でも梅雨明け宣言が行われないまま、初夏に入っていた今年。

 季節が戻ってしまったかのような天気に、目を覚ました雄斗は妙な感覚をおぼえていた。


(なんだかモヤモヤする天気だな……)


 これでは洗濯物も干せない。

 入院する前に洗濯だけは済ませておきたかったと彼は思ったが、あきらめて布団から出ると、ベッドからゆっくりと降りた。


「――よし、大丈夫」


 立ちくらみしないことを確かめると、雄斗は部屋を出て、朝食をとるべくリビングの方へ向かっていった。

 まだイオネラもツグミも起きていないのか、リビングの照明は消えたままだった。

 明かりをつけ、彼はなんとなくテレビをつけようと、テーブルの上にあるはずのリモコンを探した。


「……あれ?」


 そのとき、テーブルの上によく見慣れたもの――彼のスマートフォンが置かれていることに、彼は気づいた。


「おかしいな。これ、昨日イオネラに貸したはず――」


 リビングに置き忘れたのか。そう考えながら、彼は自分のスマホを手に取ると、スリープ状態を解除した。

 そのとき画面に現れたものを見て、彼は一瞬自分の目を疑った。

 一気に心臓が高鳴り、雄斗の視界がスマホの画面に――そこに表示されたものに固定される。


 そこにあったのは、全てひらがなで書かれた、短い文章だった。






『ちをすいたくなったから いえをでる ゆうと つぐみ いままでありがとう』





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ