第48話 吸血貴族はアイドルの血がお好き
「急な頼みですまぬな。じゃが、わらわの吸血衝動もあまり長くは抑えられぬのじゃ。おぬしに今日中に会わねば、またユウトの血の世話にならねばならぬからのう」
「でも、ほんとに……? ほんとに、ミナミナの血でいいの?」
やや戸惑うミナミナに、イオネラははっきりとうなずく。
それからイオネラは、雄斗の体の状態について、ミナミナに話した。
あいかわらず、イオネラは彼の血のみを吸って生活していること。
だが雄斗というひとりの人間の血ばかり吸っていたために、雄斗自身が体調を崩しかけていること。
代わりの血を探しているが、不健康な者の血は不味くてとても吸えないこと。
ミナミナは近ごろ、イオネラに血を吸われたいがために体質改善に取り組んでいると先日聞いていたから、一度吸ってみるのもよいと考えたこと。
それらを、イオネラはかいつまんで説明した。
雄斗がいまや極度の貧血症状にあり、毎日保健室通いになっていることまでは、ミナミナには伝えなかった。
また、吸血衝動がいったん起これば、たちまちイオネラは通りすがりの人にとびかかってでも血を吸いたくなること。
そしてなぜか、今回は吸血衝動が起きてから時間が経っても、ある程度我慢ができていることも。
イオネラに吸血衝動が起きたのは今朝。雄斗とツグミが学校に行くのを見送ってからだった。
もはや日課だとでもいうように、朝から雄斗と軽く言い合いになった(ちなみに原因は「今日は傘をもって出るべきか否か」)後、玄関を出ていく二人を見ながら、イオネラはまた湧きあがる吸血衝動を感じたのだった。
だがその衝動は、以前のようにイオネラの全身をとらえ、無様に玄関の床にはいつくばらせるような強迫的なものではなかった。
なんとなく、心の奥底に現れた「血を吸いたい」という欲求。
それは少しずつ、わずかに高まっていくものの、急激にせりあがってくるような速度をともなってはいなかった。
例えればそれは「食欲」と同じようなもの。
徐々に募るものの、いますぐに満たさなければ耐えられない、というほどのものでもない。
原因はわからなかった。おそらく、以前よりイオネラの体内に血が満たされているから、吸血衝動も比較的穏やかなものになっているのだとも思えた。
イオネラは、そのあたりのことを面に出さず、あくまで主の威厳を込めてミナミナに接した。
「ユウトの代わりを見つけておくのに、早いにこしたことはないと思うてな。昨今おぬしが体質改善に取り組んでいると聞き、こうやっておぬしの血を味見してやろうというておるのだ。ありがたく思え」
彼女の言葉に、ミナミナはすぐさまひれ伏した。
「もちろんだよイオちゃん。ミナミナは、吸血貴族イオちゃんの世界征服に加担するために生まれてきたんだから。いくらでも吸ってくれていいよ~♪ で、どうすればいいの? ミナミナ、肩を見せればいいのかな?」
未知の体験を前にいくぶん興奮した様子のミナミナに、イオネラは沸き上がる衝動を抑えながら近づいた。
「首筋を出して――いまのミナミナの服装ならそのままでも大丈夫じゃ。あとはわらわに背中を見せてくれればよい。最初にチクッとした痛みがあるかもしれぬが、驚くでないぞ」
「うん。わかった」
ミナミナはうなずくと、イオネラに対して静かに背を向けた。
少しだけミナミナが肩の布地を下へずらす。うるおいのある白くきれいなうなじが、イオネラの目に映る。
イオネラは再び吸血衝動がせり上がるのをこらえ、ミナミナの背後に座った。
そして彼女の両肩に、そっと手をかける。
「では、吸うぞ。じっとしておれよ」
そう言うイオネラの手に、わずかに揺れるような感触が伝わった。
ミナミナの体が、緊張のためか小刻みに震えている。
少しだけ、彼女はイオネラを不安そうな表情で振り返った。
「イオちゃん……」
「どうしたのじゃ、ミナミナ」
「あの……ほ、ほんとに吸うの……?」
「当たり前じゃろう。いまさら何を――」
「いや、その……い、イオちゃんが吸血鬼だっていうことを、信じてないわけじゃないんだよ? でもなんていうか……ほ、ほんとにイオちゃんが吸血鬼だったっていうのを、いま実感してるっていうか……本当に血を吸うんだって思うと、ちょっと緊張しちゃって……いままでは、話に聞いてただけだから……」
「初めて血を吸われるのなら、疑うのも仕方がないのう。じゃが、怖れることはない。ユウトはいつもわらわに血を吸われておるし、ツグミも一度吸われておる。ミナミナも必要以上に警戒する必要はないぞ」
「そ、そうだよね。う、うん……じゃあ、いいよ。ミナミナの血、全部イオちゃんに捧げるから!」
笑顔をつくったミナミナは、再び首を前へ戻す。
肩に手を置くイオネラ。
ミナミナの様子が落ち着いたとみるや、イオネラは心の箍を緩めた。
抑えていた吸血衝動が、たちまちイオネラの胸を支配する。
ミナミナをつかんでいる手にも思わず力がこもる。
イオネラは口を大きく開ける。若く張りのあるミナミナのうなじへ、徐々に口を近づける。
そして――
鋭くとがった犬歯が彼女の湿った皮膚に触れると、イオネラはその先端を突き刺した。
「あっ……」
ミナミナが小さく声を上げる。
彼女の肩に突き立てた歯を、イオネラはそのままゆっくりと沈めていく。
破られた毛細血管から血がにじみ出て、口腔から舌を伝い、喉をゆっくりと流れる。
イオネラは傷つけたミナミナの肩から、血を徐々に吸いだしては、次々と飲み込んでいった。
しばらくの沈黙を挟み、ミナミナがほっとした様子で口を開いた。
「……イオちゃん。最初にちょっと痛んだけど、いまは何も感じないよ。雄斗君の言ってたとおり、献血みたいな感じだね。ミナミナ、どうなるのかなってちょっと怖かったけど、案外――」
そのとき。
ミナミナの体に、急激な変化が現れた。
「あっ――ああっ?」
驚きに満ちるミナミナの表情。
全身から力が抜け、かわりにこれまで経験したことのないような、えもいわれぬ感覚に襲われる。
「なに……あっ、うそっ……?」
とても姿勢を保っていられず、後ろへ倒れかかるミナミナ。
構わず血を吸い続けるイオネラに対し、ミナミナは、おとずれた体の変調にすっかり心を取り乱していた。
「い、イオちゃん、わたし……あ、ん……!」
決してつらくはない、むしろ快感といってよい感覚。
その甘美なささやきに全身を支配されることを不安に感じたミナミナは、必死に体をよじり、吸血鬼の牙をはずそうとする。
だが血を吸い始めたイオネラは、とりつかれたように肩を強くつかんでおり、ミナミナの抗いを受けても微動だにしない。
「だめ……ダメだよイオちゃん……このまま、だと、わたし……どうにかなっちゃ……あっ……!」
最初は抵抗をみせていたミナミナも、イオネラが抑え込んでいるうちに少しずつ動きがなくなっていく。
全身の力がほとんど無くなったミナミナは、いまでは完全に足を投げ出したような形になっていた。
「イオ……ちゃ……あん……」
うわごとのようにイオネラの名を呼ぼうとするが、やがてそれもままならないほど、言葉があやふやになっていく。
ミナミナは目の色を失い、もはやイオネラの腕だけで上体を支えられているような状態になっていた。
それでも、ミナミナはなぜかうっすらと笑顔を浮かべながら、あいまいな意識を保とうとしている。
だがそれも、長くは続かなかった。
イオネラが血を吸い続ける中で、かろうじてつないできたミナミナの意識は、ついに途切れた。
「――――あっ」
ミナミナが目覚めると、そこにはイオネラの顔があった。
「……大丈夫か、ミナミナ」
「イオちゃん……? う、ん……大丈夫……あ」
ミナミナは周りを確かめようとして、ほおにやわらかい感触を得た。
そのときはじめて、自分の頭がイオネラのヒザの上に乗っていることを彼女は認識した。
「あ、あれ? ミナミナ、イオちゃんにひざ枕されてる……? じゃあいっそこのままおやすみなさい――」
「これ。再び寝ようとするでない。もうおぬしの血は吸い終わったのじゃから、早く目を覚ませ」
言われ、ミナミナはしかたなくといった調子で床に手をついて上体を持ち上げた。
「なんだぁ……イオちゃんの吸血、もう終わったんだぁ……」
そう残念そうにつぶやきつつ、ミナミナはイオネラにかまれた自分のうなじにおのずと手を触れた。
感じるわずかな痛み。血は止まっていたが、自分の体に小さく赤い二つの傷がついている。
その感触に、ミナミナは恍惚の表情を浮かべた。
「ふふ……イオちゃんのつけてくれた傷が、ミナミナの体に刻みこまれたんだね。これでミナミナも、イオちゃんの下僕の正式メンバー入りだよ」
そしてミナミナはするすると、イオネラに体を寄せた。
「な、なんじゃ。ミナミナ、わらわが血を吸ってから様子が変じゃぞ?」
「うん、変かも。だってさっき血を吸われてたとき、ミナミナ、すっごく気持ちよかったもん……」
うっとりした目つきで、ミナミナはイオネラを顔を――その唇を見つめる。
「イオちゃんのその牙で血を吸われると、体中から力が抜けて、その代わりに言い表せないくらい気持ちのいい感覚が全身に広がるの。初めてだよ、あんなの……。ミナミナ、もうイオちゃんの吸血なしじゃ生活できないよぉ……」
「しっかりせい。そんなことでは、今度はおぬしが貧血症状になってしまうぞ」
「それでもいい。ミナミナ、イオちゃん依存症だもん」
ミナミナは頬をほんのり紅潮させ、子供のようにイオネラへ体を預けようとする。
イオネラはなんとかミナミナを立ち直らせようと、彼女の肩にふれる。
そのとき、ミナミナは急にイオネラの両肩に手を置いたかと思うと、そのままぐっと顔を近づけ――
イオネラの唇に、そっとキスをした。
「――――!?」
イオネラが驚いてすぐに彼女を引き離す。
ミナミナは抵抗するでもなくされるがまま、どこか満足げな笑みを浮かべている。
「き、急になんじゃ――? わらわには、そのような趣味はないぞ!?」
「ごめんね、イオちゃん。急にキスしたくなったから……」
「おぬし、やっぱり変じゃぞ。しっかり気を保て」
「うん、変だよね……。ミナミナ、もしかしたら女の子のほうが好きかもしれないから」
困惑するイオネラの顔を見つめながら、幸せそうな顔でミナミナは話す。
「いつも男の子より女の子のほうが、見てて胸が高鳴るの……。いまもミナミナ、イオちゃんのことで胸がいっぱいだよ……」
「落ち着けミナミナ。わらわに血を吸われたことで、やや気分が高揚しておるだけじゃ。少し休んだ方がよい」
「はあい」
もはや言われるがまま、なされるがままになっている、幼児退行気味のミナミナ。
だが間もなく、ミナミナはスイッチが急に切り替わったかのように、イオネラの手を自分の肩からそっとおろしつつ、その場にうなだれた。
「……ごめんねイオちゃん。あんまり冗談が過ぎるとダメだよね……。ちゃんと自立した大人にならないと、ね」
自虐的に笑うと、ミナミナはようやく元のアイドルの顔に戻った。
「でも、すっっっごく気持ちよかったよ、イオちゃん。ミナミナの体、どうなっちゃうのかと思ったよ~。――あ、でも気持ちいいっていうことは、ミナミナの血、不健康だっていうことかな。味はどうだった?」
いつもの様子を取り戻したミナミナの言葉に、イオネラはようやく安心した。
「うむ……ユウトの血に比べると、まだまだ美味とはいえぬな。じゃが、不摂生だったツグミよりははるかによい味じゃった。これからも精進するのじゃぞ」
「うん! ミナミナ、毎日イオちゃんに血を吸ってもらえるよう、さらなる血液改造に取り組むよ! あ、でもそうするともう血を吸ってもらっても快感はなくなるんだよね……うー、それも惜しいなあ……」
「なにを言っておる。そんなことではもう二度と吸ってはやらぬぞ」
「ああんイオちゃん! ゴメンゴメン! ミナミナ、きっと血液サラサラになってみせるから、また吸って~!」
「ええい、いちいちまとわりつくでない! こら、また唇を近づけてくるな!」
「いいでしょイオちゃあん。血の契約を交わしたんだから、もうミナミナはイオちゃんと一心同体、何もためらうことはないよ!」
「意味不明なことをぬかすでない!」
そうやって、ミナミナのイオネラに対する一方的な求愛(?)は、しばらくの間続いた。
「――このあとは、また仕事か?」
ようやくミナミナの襲撃を振り払ったイオネラは、居ずまいを整えて出入り口に立った。
結局、抱き付くこともキスすることもできなかったミナミナはやや残念そうな様子で、イオネラを見送る。
「うん。明日、ちょっと大きな公演イベントがあるから、その打ち合わせと練習」
「毎日大変じゃな。だが、日本一のアイドルになるにはまだまだこの程度でへこたれていてはならぬのじゃろうの」
「もちろん! ミナミナ、イオちゃんに血を吸ってもらったから、なんだか体が急に軽くなった気がするよ~♪ さっきの番組で正直ちょっと気持ちがくじけそうだったけど……これからもっともっと頑張れるよ! イオちゃん、ありがと!」
「わらわの方こそ、時間をとらせたな。感謝するぞ」
ミナミナの血を吸ったことにより、自分の体が徐々に蝕まれるような重さを感じていることを、イオネラは言わずにおいた。
頼もしい笑顔を見せながら、イオネラはミナミナに告げた。
「ミナミナ。わらわはいついかなるときでも、どんなことが起きようとも、ずっとおぬしの味方じゃからな。おぬしが夢をかなえるためにわらわにできることがあれば、いつでも遠慮なく言うのじゃぞ。それも下僕としての務めじゃ」
「イオちゃん……」
イオネラの心からの言葉に、ミナミナは感動したように目をうるませる。
「ありがと、イオちゃん……。また絶対会いにきてね。あ、休みがとれたらまた一緒にホワイトテイルでお茶しようよ!」
「むろんじゃ。また連絡するぞ」
「うん!!」
そうしてイオネラは楽屋を出ていった。
扉が閉じ切るまでそれを見送ったミナミナは、どこか感慨に浸るようにそのまましばらくのあいだ、白い扉を見つめていた。
楽屋に、再び静けさが戻る。
次の打ち合せの時間まで、まだ少しある。
ミナミナは楽屋にあったテーブルのそばに座ると、積み重なっていたファンレターを読むのに時間を費やすことに決めた。
基本的に、ミナミナへの応援メッセージは公式ファンサイトの送信フォームやツイッターズなどSNSを通じて送られることが多いのだが、手紙でも毎日何通かが送られてきていた。
スタッフが事前に中身をチェックしているため、すでに開かれている和、洋封筒を取り出してはぱらぱらとながめてみるミナミナ。
封筒でメッセージを送るファンは常連の人が多く、見慣れた文字で「○月×日の公演、観に行きました!!」「新曲サイコーですね!」と書かれた言葉にミナミナは心をほっとさせた。
そうしてながめていった何通目かで――
急に、様相の違う封書が現れた。
それはシンプルな白い封筒で、中に入っている手紙もごく普通の横罫の便せんだった。
だが、ミナミナはその手紙に、他とは違う雰囲気を強く感じた。
「――なんだろ、これ」
ふと、ミナミナは封筒の表書きを見る。
そこにはなぜかファンクラブ名ではなく「南 菜摘 様」――ミナミナの本名のみが書かれており、住所が記載されていなければ、切手も貼られていなかった。
直接、スタッフに手渡したのだろうか。
初めてのパターンに、ミナミナは若干違和感を感じた。
封が開かれていることから、中身はスタッフが一度確認しているだろうと思い、ミナミナはそのまますぐに中の便せんを取り出すと、テーブルの上に開いた。
整った美しい字体で書かれた、手書きの文章。
他に比べ、極端に文字数が少ない。
その全てを読むのに、それほど時間はかからなかった。
だが――
そこにしたためられている内容を理解した瞬間、ミナミナの顔から、一気に血の気が引いた。
しわひとつない便せんに書かれた文章を、ミナミナはもう一度、ゆっくりと読み返した。
その文字ひとつひとつをにらみつけるかのように凝視する。
もう一度最後まで読み切ると、ミナミナは急激に胸の心拍数が上がるのを感じながら、心の中で自問した。
どうして。
どうして――。
深くえぐられるような痛みを胸に感じつつ、ミナミナはいつのまにか便せんを持つ右手をにぎりしめていた。
「ミナミナ、まだー? もうすぐ打ち合わせだよー?」
そのとき――
楽屋の扉が急に開き、現れた女の子がミナミナを呼んだ。
「あっ、ユカリン!?」
ミナミナは気がつくと、あわてて手にしていた便せんを背後に隠す。
それを見て、ユカリンと呼ばれたミナミナと同じアイドルグループのメンバーは、不審そうに目を向けた。
「ミナミナ、いま何か隠した」
「えっ? あ、うん。な、なんでもないよ……」
「ファンの人から手紙? あ、もしかして、ラブレターとか?」
「え……ま、まあそんな感じ、かな。うん」
あさっての方向に視線をとばすミナミナに、いつもは物静かなユカリンも興味をひかれたようだった。
「うそ? 冗談で言ったのに……ミナミナ、ラブレターもらったの?」
「ま、まあ、ラブレター、っていうか、なんていうか……。あ、でもそれなら、ユカリンだってもう何通ももらってるでしょ? メールとかで」
「あれはラブレターじゃなくて、ただ私のことを気に入ってもらえてるから……で、でも内容は秘密だし」
「あー。自分のことは棚に上げてー。そんなこというなら、ユカリンの体に直接聞いてみようかな~♪」
そう言いつつ、ミナミナは便せんをこっそり背後にあった自分のショルダーバッグに差し入れてから、ユカリンに近よって脇の下あたりをこちょこちょし始めた。
「あ、や、やめてったら! 私、そこ弱いから、あ、ああっ」
「ほらほらー。正直に話せば許してやるぞえ~」
「それ誰のマネよー? ああ、だからやめてって!」
戯れながら、ミナミナはユカリンとともに楽屋をそのまま出ていった。
小さな胸に、ほの暗い気持ちを抱いたまま。
ミナミナがバッグに入れた便せんには、彼女に宛てた時候の挨拶の後、このような文面が書かれていた。
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さて、ぶしつけではございますが、六月二日に放送された「ミナミナの昼なま:ブルースカイ・クロニクル」にて、ゲストとして出演されていたイオネラ・シェーンベルク様に関してお伝えしたいことがあり、書面にて通知致します。
私どもは現在、行方不明となっている内臓機能再現型高度人造人間[バイオロイド]を捜索しており、イオネラ様がそのバイオロイドではないかと疑義を抱いております。
この件に関して一度、南様とご相談したく、誠に勝手な申し出で恐縮ですが、七月八日(日)十六時、メイド喫茶 ホワイトテイル(東京都台東区台東1丁目○番×号)の窓際、一番奥の席にてお待ちしておりますので、お越しくださいますようお願い申し上げます。
なお、当日は南様お一人でお越し下さい。
亜斗蘭逓州大学 産業工学部 先端工学研究室
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