↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/13

星の神々と星の欠片と星の子と・・

遅くなりましたが、お届け出来て嬉しいです。ありがとうございました。

それは、愛する者と結婚した後の、アリアの人生・・・




医師の妻として夫を支える傍ら、二人の子宝にも恵まれた。


夫と子供達に囲まれ賑やかに、且つ幸せに生活を送っていた。そうそう、父のライトはあれから結婚をしたのである。相手は寡婦だったが、元気の良い夫人だ。


アリアの夫アレンは、妻との約束通り、無理をせず、必要な助力は遠慮なく行い家族を大切にした。


その頃には、老王の治世は終わりを告げ、若い王子が後を継いだ。王子妃にはシスターパラスの妹の公爵令嬢が妃として迎えられていた。


新たな王と王妃は民の為、緩やかに改革を進め善政に務めていた。

若い王は王政ではなく、議会を立ち上げ、少しづつ民との距離を縮めようと考えているようだった。

委員会を設け、自薦推薦問わず募った。その数多い委員の中に、夫のアレンをはじめ、アリアと仲の良い者達も居た。これは仕事ではなく不定期に行われるもので、生活の負担にはならないようになっていた。


ところで、アリアの子供は娘が二人、長女のセレナ、次女のステラ。セレナは父と同じく医師の道を歩み、同じ医師の仲間の一人と結婚した。


元気の良いステラは母同様剣術魔術に優れ、冒険者として活動するようになった。そしてある時突然武器屋の息子と電撃結婚をした。店主ゼノの後を継いだアニータの息子である。アニータはアリアの剣術のライバル娘になるかもしれなかった女剣士で、今は二代目店主をしている。


時は緩やかに過ぎていく、その間にアリアの父ライトは天に召され、夫人も二年後に後を追った。

キューブは夫人を見送ると、アリア達に別れを告げ魔界に帰っていった。


アリアとアレンは子供が巣立った後、夫婦水入らずに暮らすようになる。アリアは幸せだった。ただ一つ気がかりなのは、夫のアレンの体調が崩れ易くなったことだ。若い頃相当無理をしたのが祟ったのである。アリアはもっと早く気が付けばと嘆いたが、そんなアリアに夫は、アリアに会わなければ早死にする所だったと感謝するのだった。


アリアは夫に医師の仕事の引退を勧め、早々に隠居を決めた。夫とのんびり薬草採取をしたり、お茶を飲んだり体調を気遣いつつ過ごす。娘二人も子供がそれぞれ出来、孫が遊びに来る日々を送る。


そのまま穏やかに余生を思った矢先、暗雲が王国に立ち込めた。王の息子二人の継承権争いが突如巻き起こったのだ。図らずも王は病に伏していた。仲裁をする王妃は暗殺され、長らく内戦が続いた。王は病をおして、まだ仮りだった議会を立ち上げる。王子二人は討たれ、妻と子供は幽閉された。


内戦の爪痕は大きく、巻き込まれた者は身分を問わず多数に渡った。議会に協力していたアリアと仲の良かった者達も亡くなったり怪我を負っていた。夫のアレンは王に協力する傍ら怪我人を治療し、内戦の収まる頃儚くなった。深く悲しむアリアだが、世の混乱は続き、アリア自身も嘆く暇がないほど多忙になる。夫に代わり、議会に関わるようになった。


王政は緩やかに廃され、民と貴族が手探りで政を決めていく。貴族もやがて淘汰されていくだろう。

やっと訪れた穏やかな世を見守りながら、アリアは息を引き取った。娘夫婦、孫、ひ孫に囲まれ看取られた大往生である。







・・・・・・・・・










「アリアちゃん・・・・ 」


人生の後半で波乱な世を送ったアリアちゃんを思い、しばらく呆然としていたら、光の柱が幾筋も降り立った。









それは人の姿となり私の前に現れる。その良く知った顔ぶれは、マーズ様、ライトさん、アレン・ファーモス先生、そしてアリアちゃんだった。姿は最後に会った結婚式の頃の年齢である。

なんだろう?と思ってると、まずライトさんが目の前に来た。


「・・・?」


「ヨウコ殿、この度はアリア共々お世話になりました」


そう言うと、がばっと頭を下げられた。


「ああ、はい、お世話しました。ライトさんも晩婚とは言え結婚出来たって事は女心が分かったのね。見たわよ、奥さん美人だったじゃない、やるわねぇ、うりうり」


「いや、その、お蔭さまで、じゃ、また・・」


いつもの気安さで返事したら、赤くなってゴニョゴニョ言って逃げた(汗) 相変わらずである。

他の3人の目が生温かい。すると少し間を置いて今度はファーモス先生が前に来た。


「ヨウコさん、アリアの事をありがとうございます」


しっかり目を見て感謝を告げられた。うん、ファーモス先生ったらイケメン度が増してる。こんなに目立ったハンサムだったっけ? 目の保養である。


「アリアちゃんを幸せにしてくれて、こちらこそありがとう!」


そう返したら、綺麗な青い目を細めて嬉しそうに笑った。そして後ろのアリアちゃんに振り向き、頷き合うと、ファーモス先生もこの場から消えた。 ん?


「ああ、そっか、此処は天国なのね、だからライトさんとファーモス先生が居るのね。そうだ!私もお礼言わなきゃ、うちの旦那に会わせてくれてありがとうございます」


先程まさ君に会った事を思い出し、私もお礼を述べたら、アリアちゃんが優しく微笑んだ。


「此処は地上と天界の狭間、地上の一つ上の次元、確かに、地上人から見たら天国かもしれないかな。私も洋子さんに幸せになって欲しかったから嬉しい」


う、なんかじわっとくる。アリアちゃんの微笑みが女神級に尊い。


『うん、女神だからね』


え?今しれっとマーズ様爆弾発言突っ込んだ? 女神? マジ?(汗)


それにしても、


「マーズ様、口に出さず心の中で思ってる段階で突っ込みを入れるのはやめてください」


『はは、そなたも相変わらずだな。問うべきは(そこ)ではあるまい』


美しいお顔で楽しそうに追撃してくるマーズ様をジト目で見ていたら、アリアちゃんが困ったように笑った。


「マーズ神、からかうのはほどほどに。洋子さんがかわいそうです」


『ああ、オリーブ殿失礼した』


「え?対等? ん?オリーブ?・・・・・・???????????」



なんだか此処に来てからの情報量の多さに混乱してきた。パニックという奴である。


そんな私にアリアちゃんが、翳した手から光を放ち、暖かい光に私を包んでくれた。ああ、癒される。さっき旦那が包んでくれた光と同じく、暖かい愛の光りだ。

落ち着いた私に、アリアちゃんが順を追って説明してくれた。




アリアちゃんの本当の名はオリーブ。それを聞いて思い出した。ゲームの初期設定の名は、オリーブ・オイルだったって。名前だけならともかく、苗字まで入れると、正直だっさ~~ パスタにでも和える気かよって当時思ってた名前である。ごめんなさい(汗)


そしてアリアちゃんは天界の娘だが、神の子だった。これも思い出した。最後のエンディングで神のナレーションがはいるのだが、その一説に、「○○こそ、天帝陛下が地上人の可能性を知る為に遣わした神の子じゃ・・」と。そうか、女神様だったのね。


そして、ライトさんとファーモス先生は、この狭間ではなく、その上の天界に召されたとのことである。これも思い出した。確かBESTのエンディングを迎えると父娘で天界に召され再会するとあったわ。そうか、ライトさんもファーモス先生も天界人になったんだ。これって昇天?かしら。


少しづつ事情を理解していく私にアリアちゃんが私の手を包み込むように握ると、申し訳なさそうに、さらに爆弾発言を突っ込んできた。


「あのね洋子さん、実は地上で繰り返されるこの私の実験人生は、私が自ら望んでなり続けたものなの。勿論この記憶は完全に封印されていて、封印が解けた今思い出したのだけど」




流石の私もしばし絶句した。正気に返ると怒涛の疑問が沸き起こる。


「え? 嘘、なんで? だってあんなに苦しんで酷い目に合って、自らを消滅させたいって泣いてたじゃない!」



その疑問にはマーズ様が答えた。

アリアちゃんは過去、というか太古の昔、地上の女神オリーブとして在ったことがあり、人々の生を見守っていたそうだ。その中に、星の欠片を持つファーモス先生の過去世の魂に出会ったという。星の欠片とは、人の心を知る為に天界から地上に降りた魂のことで、人として生きた後、浄化と目覚めを迎えて再び天界に還る者のことである。尚、普通の人間も覚醒と悟りを得ると天界に召されることが出来る。これって天使みたいな感じらしい。天使イコール天界人。


地上を見守っていた女神のアリアちゃんは、ファーモス先生の魂を心から愛するようになったという。そしてファーモス先生の魂が目覚めて帰還するのを待ち望んでいたが、いったん人の記憶に埋もれた魂はそう簡単にはいかず、いつも輪廻の中に還っていってしまうのを悲しく見送っていたそうだ。


やがて天界に戻ったアリアちゃんは、今回のこの人の生の実験の世界線に、ファーモス先生の魂を見つけたそうだ。それで実験に立候補したという。

いやでも、女神であるアリアちゃんが、不甲斐無いライトさんのせいとはいえ、何も出来ず闇落ちしちゃうの? その思いが顔にでたのだろう、その訳も教えてもらった。


人間の肉体に入ったアリアちゃんに、無限の力を持たせたら人間の体は耐えられるはずもなく、木っ端微塵になってしまうという話だ。だから厳重に潜在意識に鍵を掛け、けして能力が漏れないようにしていたという。そういった鍵をかけた肉体に浄化と再生、人の世での記憶抹消をしていたが、人間界の記憶抹消は上手くいかなかったそうだ。カルマのせいね。


アリアちゃんは語る、人の身で受ける辛い境遇は天界では魂の貴重な経験として尊ばれるのだと。ただし、人の身の精神魂から見れば、心を引き裂くほどの慟哭を味わったのだろうと。その人の身が耐えきれなければ、実験は続けられない。だから最後のチャンスにと私に助力を願ったのだという。


地上に降りたアリアちゃんは、オリーブの能力記憶がないまま、無意識にファーモス先生の魂を探していたけど今まで会えなかったそうだ。それでいつも、誰と結婚しても今一つ心が動かなかったみたい。先生、実はこの世界線で結構な頻度で死んでたんだって(汗)そりゃ中々会えないわ。



さて、ずっと驚きっ放しの私だが、まだ甘かった・・・・

この後最大の爆弾発言をかまされたのである!



『そもそも何故、我ら神々がこの実験を行ったか分かるか? それは地上の半分を無に帰す争いが起こるか起こらぬか見定める為なのだ』


「何それ、そのハルマゲドンみたいなやつ!」


『そなたの世界ではそんな言葉だったな。他にもあろう、レムリア、アトランティス、それ以前にもあったな』


「いろんな怖い話があるけど御伽噺じゃなかったの?」


『世界は何度も滅びては再生している。この世界もそうだ。今の所は部分的なものだが、事の次第では大きくなるだろう。そなたも滅びた王国の者たちに出会ったのではないか? この国も、勇者ライトによって一度救われているが、争いの火種は消えなかった』


「だから勇者に、娘を託したのね。そう言えば、神が魔王に命じて王国を襲ったってゲームではあるけどホント?」


『それは違う。彼の者らは瘴気に侵された者の末裔、だから人の瘴気が増すと引き寄せられ、狂ってしまうのだ。彼らを呼ぶのは人自身なのだ。人が穏やかであれば狂う事もない。勇者は一騎打ちにて魔王を正気に戻したのだ』



驚いた、なんていうか、何も知らなかったのね、私・・

続きだが、この実験世界線はアリアちゃんのエンディング内容に関係なく、その半世紀前後には、どうあっても争いが起き、内戦、隣国との戦争、瘴気による魔王襲来などなどのきっかけが起こり、それが大陸中に広がるものだったそうだ。


それを納めたのが今回のファーモス先生をはじめとする星の欠片を持つ者達だった。そう、あのお助けキャラ達も星の欠片の持ち主。彼らも天界に召されたそうだ。彼らが集結したのは神々の仕業ではなく、彼らの意思?いえ、無意識の意思により集まったみたい。このメンツが揃って初めて争いの火種が収まったそうだ。

元々はファーモス先生と王子だけだった。そう、あの王子も星の欠片を持つ者だった。しかも、国を動かす立場にある為、誰よりも優位に動けた。


あのお助けキャラ達、星の欠片を持つ人達だったからアリアちゃんと気が合ったのね。ファーモス先生もそうだけど、金や権力のある王子と違って、庶民は限界がある。シスターパラスが自在に動けたのも元貴族だからみたい。まあでも、金や権力に溺れずにいるのは偉いと思うわよ。それに今回ファーモス先生が死ななかったのは、シスターの支援が厚かったからだという(汗)


そう、ファーモス先生や他何人かは、実験中の世界で度々死んでるみたい(汗)貧乏人は辛いわよね。

カロンさん、イナンナ先生は比較的裕福でその上、覚醒していたから、先の内戦でも活躍したそうだ。


まあ、何はともあれ、


「色々ビックリしたけど良かったわね。ファーモス先生と会えたことだし、争いも収まったし」


「ありがとう洋子さん。私のお母さん」


「アリアちゃん、あ、いや、女神オリーブ?」


「いいえ、貴女にとっては私はアリアよ」


「そっか、私こそ、貴女の人生全てを、裏舞台まで見納めさせてくれてありがとう」


私達は母娘の様にかたく抱き合い、お互い感謝の思いを無言で分かち合った。

そうよ、あのゲームやってた頃妊娠中で、てっきり娘が生まれると思ってたんだから。息子の和君には、悪かったなとボヤかれたわ。


ずっと抱きしめていたはずなのに、アリアちゃんの体が光の塊みたいになっていく・・


「アリアちゃん!」


「洋子さんの魂に祝福を」



キラキラ光りが溢れ吸い込まれる様に上に上がっていった。

ぼうっと見送っていると、マーズ様が優しく微笑んでいた。

そして報酬をくれるというので、アリアちゃんとマーズ様それぞれとツーショットが欲しいと言ったら、了解してくれた。


嬉しいはずなのに、ちょっと燃え尽きてたら、仕方ないという感じでマーズ様が手を引いてきて、この白い世界を一緒に歩かされていた。


『そなたの世界と違ってこの世界は、身分の格差があり貧しい者が多い。女の身での出世と言えば、高い身分の者との婚姻になる。力の封じられたオリーブも苦しい思いをしたのだろう。王子との結婚に心魅かれることはなく、下手に社交評価を上げれば老いた王に狙われる。プリンセスになぞなりたくなかったのだろう。


我らの評価など気にせず、心の赴くままに生きて良かったのだ。女神に戻った今なら分かっただろうが、人の身では中々そうは生きられぬようだ。最下層に堕ちてしまったことも、環境もあり、そして他を依存したこともあり、辛かったのだろう、


人はカルマの解放だけでなく、自分自身を大事に生きる事で輝ける、軽やかに生きられる、それこそがプリンスであり、プリンセスなのだ。星のように、風のように』、


「ふふ、星のように、風のように、プリンセスになるか。なんか良さげね」


『くっ、そなたは面白い。気がついてないようだが、波動が軽い、星と風の申し子のように、明るく執着が薄い。今のまま、心楽しく過ごすと良い。私からも礼を言うぞ。ありがとう洋子。自分らしく生きよ』


マーズ様ったら、最後にこんな優しくお礼言ってくるなんて反則よ。




ありがとう、アリアちゃん



ありがとう、マーズ様








・・・・・






翌朝、スマホに約束のツーショットがあって、泣き笑いしてたら、息子に頭大丈夫か?って心配されてしまった。大丈夫よ母さんは今日も元気よ。


だって母さんも自分自身がプリンセスだって分かっちゃったんだから。


「和く~ん、姫にコーヒー入れて~!!」 


「げ、そんなことしてたら遅刻するだろ、いってきまーす」




使えない侍従ね、さあ、姫は今日も爽やかに生きるわ

星のように、風のように、


じゃあねえ!!












☆~☆~☆










「アレン、貴方が還るのを随分待ったわ」


「すまない、オリーブ。私がただの星の欠片の持ち主だったなら、もっと早く覚醒できたのだが、貴女と同じく力を封じられていたので、永くかかってしまった」


「そうね、洋子さんには時間がないから、本当の理由を言えなかったけど、貴方も神の子なのだから」


「時間? 違うよ、父が隠したかったんだよ、あの人に」


「貴方がマーズ神の子だっていうことを?」


「ずっと熱烈にファンになってくれたから、イメージを壊したくなかったんじゃないかな」


「まあ、ふふ、でもこんなにマーズ神に似てるのに、洋子さんたら気が付かなかったのね」


「いいんだよ、気が付くのは貴女だけで。オリーブ、愛してるよ」


「愛してるわアレン、愛する貴方が天界を降りてしまってから、女神として地上に降臨したりもしたけど、結局は私自身が人の身となって迎えにいかないとダメだったのね」


「本当にすまない」


「そうよ、魂の恋人置いていくなんて天罰ものよ」


「オリーブ、女神ではなくプリンセスになって」


「あら、貴方も男神ではなくプリンスなの?」


「そう、お手をどうぞ姫君。風に乗って星を渡り、銀河を越えて行きませんか?」


「そうね、まずは月の光を浴びてキスしてからね、あの夜のように」


「喜んで、私のオリーブ姫、私のアリア」



ねえ、洋子さん、貴女の書いている私の物語、星の姫君は星の王子様といつまでも幸せに暮らしましたとさ、って、書き記しておいてね☆




アレンは軍神アレスから。そしてマーズ様と同じダークブラウンの髪と青い瞳です。

多分モテすぎないように、軽く認識障害術を設定して地上に降りた?


宮本洋子はマーズ様の白羊宮から似た漢字をあてました。ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。