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魔法が使えないエルフと最強魔法使いの冒険譚  作者: タライ
トント王国編
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セレス!君に決めた!

 感知した方向に行くと、そこにはダンジョンがあった。

 しかし……。


「ん?冒険者ギルドの掲示板にこんなダンジョンの情報とかあったっけ?」


 朝の暇なときなどに時折冒険者ギルドに立ち寄っては何かお得な情報がないかと探したりしているのだが……。

 そのなかでも一番お得というかお金ががっぽりと稼げること間違い無しなのが新しいダンジョンなのだ。

 そんなにダンジョンがポコポコと出来る物なのか?と思うかもしれないがこの世界では出来ることが多いのだ。

 なんせ魔王の地位を名乗るヤツが1000人以上もいるのだから、魔王が自分の力を誇示するための方法の一つとして自身が支配、または制作したダンジョンの数が多いということだ。

 なによりそのダンジョンに自身のお宝を隠すための借り倉庫的な感じでダンジョンを作る魔王もいるとの噂だ。

 実際新しいダンジョンには金銀財宝が眠っていることが多く。

 きっとこのダンジョンもそうなのだろう。

 しかし……俺はダンジョンの入口を見る。


【ヒマツブシデツクッタダンジョン】


 日本語だ。

 うん、間違うはずがない日本語だ。


「ねぇーカイト、ダンジョンの入口にあるこの文字分かる?私の知っている言語とかじゃ当てはまらなくて……古語でもないわよね?」

「お前が古語とか理解出来るわけないだろ、いいって見え張らなくても」

「見栄なんて張ってないわよ!全くカイトは私を舐めすぎだって、私だってバカじゃないのよ!」

「財布」

「ふえっ、う、うるさい!バーカ!」


 反撃が完全に小学生男児のそれである。

 全く仕方のない奴だ。


「嫌な予感しかしないけど……一個だけ言えることがある」

「なに?」

「このダンジョンには神のいたずらが絶対に隠してある」

「ふーん、そうなの?」

「あぁ、絶対だ」


 あのバーコードこの世界とかにも干渉してやがるのか、というかかなりいい加減な神だったし、なんというか……。

 あの神なら暇つぶしでダンジョンくらい作ってしまいそうな印象はある。

 しかし妙なのはわざわざ入口に日本語があるという謎の事態だ。


「まぁ、深く考えるのは後にするか、中に入るぞセレス」

「ふふん、お宝お宝」


 目をギラギラとさせたセレスがルンルンとした軽い足取りでダンジョンの中に入っていく。

 俺もその後をゆっくりとついていく。

 とりあえずこの中に犯人がいるのは確かだ、とにかく感知した財布の魔力の残り香的な物を頼りにダンジョンを攻略していく。

 少し進むと大柄な人くらいのクマっぽいモンスターが現れる。

 手足に血の様な跡があり、きっとこのモンスターの餌食になった者がいるのだろう。

 そんなモンスターにセレスはというと。


「ぎゃああああ!!でたぁあああ!!」


 うるせぇ……。

 

 クマ型モンスターが騒いだセレスを攻撃しようとするので……。


「はぁ、マリオネット」


 俺はセレスをマリオネットで引っ張る。


「ひゃっ!?ぶべっ」


 引っ張っただけで別に受け止めるつもりはなかったのでそのまま態勢を崩して俺の目前で尻もちを付くセレス。


「ちょっと!引っ張るならせめて受け止めてよね!」

「めんどい、重い、さきに行くなバカ」

「誰が重いですって!」


 クマ型モンスターの口元よりも真っ赤になって怒るセレスを無視して俺はクマ型モンスターの方に向き直る。


「えーっと、どうしたものかな~」


 さすがにこの中でハイドロボムなんて使えないし……。

 というより放出する系の魔法は全般ダメだな、俺の魔力だとアホみたいな威力になるし……。

 そこで俺はセレスの方を見る。


「な、何よ!やるっての!」


 あの魔法をセレスに試して見るか。


「赤魔法パワーバフ」

「はぇ?」


 俺はセレスの魔法をかける。

 それはシンプルに力のステータスが向上するという魔法でかけられたものは数分の間、素手で岩でも潰せるくらいの力を得る。


「よし、戦えセレス」

「なんでよ!」

「財布」

「分かったわよ!」


 ついでに緑魔法のディフェンスバフもかけておくか。


「ほい」

「おぉ!今度は何よ!」

「攻撃を受けても耐えられるようにしてやった」


 まぁ、財布を失くしたのはセレス自身だ。

 自分自身に取り戻させるのが一番だろう。

 ということで俺は傍観することにした。


『ガァアアア』

「ひぁっ!?」


 クマ型のモンスターはそのままセレスを襲い、セレスが目をつぶってモンスターの薙ぎ払い攻撃を受ける。

 しかしモンスターの爪はセレスの服こそ切り刻むが……セレスの体には傷一つつけることが出来ずにいた。

 目をつぶっていたセレスも目を開いて自分に傷がないことにホッとしたのも束の間……自分の服が破れているのを見て。


「またかよ!このクソモンスター共が!!」


 毎度モンスターに会うことで服をダメにされているセレスが溜まった鬱憤を晴らすかの如くクマ型モンスター略してクマモンに攻撃を加える。


『ガァッ』


 するとクマモンはセレスの渾身の右ストレートを受けて、破裂する。

 そこら中に飛び散るクマモンの内臓。

 その内臓もしばらくすると魔力の粒子に変わって消えていく。


「ふむ、思ったよりも攻撃力があるようだな」

「……」


 思いのほかバフの威力が高くなってしまったかもしれないと思いつつも急に黙りこくるセレスの事を見つめる。


「どうした?」

「……」


 あぁ、内臓の被爆地に一番近かったもんな。

 さすがの能天気にも来るものがあったのか。

 あれを間近で被ったらのなら俺だってしばらくは飯が食えそうにないし、いくらなんでもセレス自身にすべてやらせるのは酷だったかもしれない。

 そんな事を俺が考えているともしらないセレスは顔をバッと上げ、両手を握りしめる。


「キモチイイイイイイイイイイイイイイイイイイ」

「あぁ、イカレちゃったか」


 そこからは壮絶というか、ぐろいというか……まぁとにかくR指定で言えば最低でも15以上は必要な惨劇をキヒャヒャとセレスが笑いながら作り出し続けていた。

 俺はそんなセレスの後を追いかけるのであった。

 

 セレスが奇声を上げながらモンスターを次々と倒していって、俺は後ろから進むべき道だけをセレスに教える。

 しかしここまでの時点でダンジョン内のモンスターの数が全く減っていないところを見るに先に進んでいる泥棒は隠密系の黒魔法を使えるということかな?

 潜伏しながらのダンジョン探索ならこのモンスターの残りようも納得だし……っというかそもそもセレスがバインドで拘束されていたことからも、明らかに盗賊職に付いていることは明らかだな。

 まぁ、もう少しで追いつく……金色の竜が施された赤色の扉が見えた。

 その扉はすでに開いており、中を覗くと……キャットピープルがいた、しかも美少女だ。

 そしてミノタウロスと戦闘をしていたが腕をケガしてる。

 誰の目からみてもキャットピープルの美少女が劣勢。

 そんなキャットピープルの姿を見て、セレスが俺の服を掴んでくる。

 俺はセレスの方を見ると……上目使いで何かを懇願するような顔で見てくる。

 はぁ、全く……俺達はあいつに償いをさせるためにここに来たんだぞ。


「お人よし」

「カイトのほうが」


 そして俺は扉をバット開けて、セレスの腕を掴む。


「へっ?」

「バカヤロー!死んじまうぞ!」


 そして俺はバフ効果の乗った絶対に壊れないエルフをミノタウロスに向けて放り投げた。


「がはっ!?」


 壁にミノタウロスと一緒に叩きつけられたセレスが肺から空気が出て変な声を上げる。


「おえーっ!なにすんのよ!」


 俺はセレスの事を無視してそのままキャットピープルの方へと向かって傷を治してあげる。

 キャットピープルは何が起こったか分からないと言った様子で俺とセレスを交互に見てくるので……とりあえず俺はキャットピープルに自己紹介して、キャットピープルの子も自己紹介に応じる。

 そして俺はアリが絶対に逃げ出さなようにその肩を掴んで……。


「金返せ!この泥棒猫!」


 アリの事を罵るのであった。


作者「中国でな、漢のナニを鍛える。ことのできる拳法みたいなのがあるみたいだよ。」

カイト「へ~、それ、ちゃんと鍛えこまれるまでに一体どれほどの地獄を味わうんだ。」

作者「うーん、以前にさ、セレスにナニを蹴られたじゃん」

カイト「うん、そうだな。あれは痛かった。」

セレス「何それ!そんなことあった!?」

作者「あったよ~、まぁ、その苦しみを一万回繰り返すと思って。」

カイト「地獄を一万回も味わわなきゃいけないのか。普通に俺は無理だな。」

セレス「私にはわからないわ。」

作者「あれだよ。そう、いつの日か分かるときが来るよ。」

セレス「なんか、ちょっと怖いけど。まあいいわ。」

カイト「おい、みんな読んでくれてありがとな!もしいいなって思ったら、感想、評価、レビュー、ブックマークなどよろしくな」

作者「それじゃ、また明日な!」

セレス「バーイバーイ!」

作者・カイト・セレス(今のは決まった!)

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