仕返しと庶民の味方
心地よい木漏れ日で目が覚める
藁のベットのちくちくとした寝心地は決して良いものではないが、しかしそれもまた一興だろう。
隣で寝る二人の美人の寝顔を見ながら
俺は、藁のベットから一人立ち上がる
昨日の店員の言葉を思い出した
人間用の部屋は空いていないっと言っていた。
思えばあの時、店員はアリを見ながら言っていたような気がする。
何故アリを見て、そんなことを言ったのかは俺には分からないけど、仲間になって日は浅いが、俺はマザーにアリの事を任された。
大切な仲間だ。
そんな仲間が侮辱されたとあれば、許せるはずもない
俺は、以前に魔法図鑑で見て学んだとある、黒魔法の練習台として、この宿を選ぶことにした。
そして、俺は二人を起こさないように、受付のほうに向かった。
先ほど宿を出た後に屋台で買った果物を手に、俺らはとある場所に向かっていた。
その場所というのは、もちろん馬を売っているところだ。
しかし、アリの話しでは馬のほかに、トカゲのようなモンスターで、馬よりも強い力で引っ張れるものが多いとのことで、金にも多少は余裕があるため、もし今の所持金で足りるのならそのトカゲのようなモンスターを買いたいところだ。
手にした果物を食べながら、アリが何かを心配するように俺に言う
「カイト、そのやりすぎだと思うにゃ…」
きっと俺が、宿にしたことを言っているのだろう
しかしまぁ、明らかに仲間を侮辱されていたのだ。
それに、少し多めに金は置いてきているの
俺は、特に悪びれることもなく、堂々とアリに言う
「いいや、あいつらにはあれくらいでちょうどいいんだよ。」
「そうかにゃ?」
アリが、本当に大丈夫なのかという不安の表情をあわらにしながら俺を見てくる
そんなアリに、いつの間にか完食したらしいセレスが、アリの果物を狙いながら言う
「そうそう、あいつらアリにひどいこと言ったんだから、あれくらいがちょうどいいのって!なんで私の手を叩くのよ!このバカイト!」
「誰が、バカイトだ!この盗人エルフが!人のものを取るんじゃねーよ、欲しいならまた買ってやるから言え」
アリの果物を取ろうとするのを俺が手を叩いて、邪魔をすると逆切れしてくるものだから、セレスと口喧嘩になる
そんな俺らの様子を見たアリが、目に涙を溜めて
「二人ともありがとうにゃ」
「おう、こっちこそごめんな、昨日はこのエロフを抱えていてな、少し疲れてて頭がよく回らなかった…、その場ですぐに気づいてかばってやれればよかった」
俺が宿の人にしたことは、インビジブルという魔法で、半年間人が認識できなくした。
どういうことかというと
インビジブルという魔法は、人や物にかけることができる魔法だ。
そしてこの魔法は、【自分を透明にする】のではなく、【他の生物から認識されにくくなる】魔法だ。
その制度は使用者の魔力量に比例する。
そして俺の魔力量なら、半年間、人から認識されにくくなる。
さらに全力で魔法を使ったので本当にあそこに宿があるってことは、あれっあの宿どこだ?
…っとこのように俺ですら、もうどこにあるかわからんほどに、あの宿が認識できない
ということで宿の人よ、半年間客無しで商売が成り立つかな~
「でもにゃ、カイト」
「ん?なにアリ?」
「この国、王都に住む者は一応税金を納めきゃいけないんだけど」
「あー、知らんよ。そんなのすまんな宿の人」
宿の人がこの国の税金納められないだと?
そんなのは俺の、あずかり知るところではないな
「いや、税金の納金には王城の者が直接お金を集めに、耳を塞いでも王城の人の苦労はにゃくにゃらにゃいよ!カイト!」
知らん!知らん!なんで、わざわざ王城の人がお金を集めてるんだよ!
バカなのか!ここの王様は!銀行とか作れよ!あぁああ、ここ異世界だった!
「いや、そのお金を集めるところ作ればいいじゃん」
「ん?どういうこと?本当にへんな発想するのねカイトは」
俺がそう言うとアリが首をかしげる
するとセレスが屋台を指さしながら
「カイトあれが食べたい!てんこ盛りガレット肉のサンドイッチ!」
ガレットとは、ウサギのモンスターの名前だ
モンスターの肉って食えるんだ…覚えとこ
だが、そんなセレスのお願いは一旦置いといて、俺はアリに銀行について知りたそうな顔をしているので、教えることにする
「いやな、アリ考えてみてくれ。ギルドに魔石を持っていくだろ。」
「うん」
「えっ無視?」
セレスは無視します。
「それでな、持っていくと絶対にその魔石に担う量の金が出てくるだろう、つまりは十分な金の貯えがるんだよ。」
「あっ、そういえばそうにゃ、いままでそんな考えたことなかったにゃ」
セレスが俺らの隣で、目を細めて見始める
その時、屋台のほうに看板が出る
「ねーねー!あと一個しかないんだって!カイト早く!」
ガレット肉のサンドイッチが売り切れそうで焦るセレスをわき目に、俺はアリに説明の続きをする。
「そうだな、ギルドの場合は一緒に経営している酒場があるからそこの金も多少はあるんだろうが、ほとんどの金はその税金からなっているはずだ。」
「にゃるほど…」
「売り切れちゃった…」
片付けられていく、看板と屋台を悲しそうな表情で見るセレス
しかし、そんな悲しそうな背中を見せるセレスも無視して、話しの続きをする
「つまりはさ、国民が自分からお金が預けられる場所を作ればいいんじゃないか?」
「もしかして、カイトって頭いい?」
アリがくりくりとした目をキラキラさせながら、俺を尊敬のまなざしで見てくる
なんだか、だましてるようで罪悪感があるな別に俺が考えたわけじゃないし
「別に、俺が考えた仕組みってわけじゃないよ、俺の元居た国での常識だったから…っん?おい俺が頭いいって思ってなかったのはいいとして、もしかして今まで俺の事バカだと思ってたのか?」
「バカって思ってて本当にごめんにゃ!だから許してにゃ!」
涙目で許しを懇願するアリ、いやまぁ別に許すけども
きっとセレスへの態度を普段から見てるアリが、セレスと同じ事をされると思ったのだろう
もちろん、そんなことはしない
すると、ずっと無視してたセレスが、俺の袖を引っ張る
振り向くと、そこにはふくれっ面になった、セレスが目じりに涙をためている姿だった
「売り切れちゃったよ!」
「あぁ、そうだな、ごめんな他の事に集中してて、まぁ今の話しを少しでも理解出来てたなら、好きな物かってやるよ」
俺が、そう言うとセレスが、疑わしそうに見てくるので
金貨を1枚見せると、パッと表情を変えて話しだす
「お金を預けるところを作って、税金の納金とかを簡単にしてなおかつほかの人がお金を好きな時に出せるようにして貯金を簡単にする話の事でしょ?」
得意げに話す、セレス
まぁ以前にも、思っていたがセレスは別にバカじゃない…
頭の回転が早いが、行動があまりにも常識はずれなものが多いから、バカのように見える天才だ。
そして、セレスがいともたやすく話を理解していた事実を目の当たりにした、アリはというと
顎が外れたように、開かれた口からも予想できるように、かなり驚いていた。
見開いた目が、瞬きを忘れていることから、かなりの衝撃だったらしい
そして、やっとのことで口を閉じていう
「セレスって頭いいのかにゃ?ねぇカイト嘘って言ってにゃ」
「ひどい!アリ、ひどい!」
「あー、アリには言ってなかったな、こいつ一応元だけど…元ね!貴族なんだよ。」
「元を強調しすぎよ!いいこと、心はまだお嬢様なんだからね!」
先ほどと同じ表情をするアリを見てセレスが叫ぶ
「何よその顔!アリちゃん!」
「いや、ごめんにゃ、そのいや…さすがに元貴族っていうのは嘘だにゃ?」
「本当に、本当に!残念だけど…事実だ。」
「何が!残念よ!」
「お前の事だよ!この残念貴族お嬢様が!」
「誰が残念貴族お嬢様よ!いい一応私のいた、ドルスターって貴族は貴族中でも王族とかかわりが多くて戦争とかでも、その名を多く刻んでいて!魔力が多いことで有名な貴族なのよ!」
俺は首をかしげる
魔力が多い、そんな家系で生まれて、この娘には魔力の一切が発生しなかったのか
俺が哀れな目でセレスを見ていると
「そんな目しないでよ!やめて哀れな子の目で‥見ないで…見るな!」
「お、オイ服を引っ張るな!オイどこ引っ張ってんだ!このエロフ!」
「私はエロくない!さぁ街中で醜態をさらしなさい!」
人のズボンを下ろそうとしてよくも言うってこいつ力が強い、神具のせいか!
ちくしょうあのハゲ神があああ!!!
あと少しで俺のズボンが下ろされそうになる状況を、アリはというと
まじまじと見ていやがる、止めろよ…
「…色かにゃ~」
おいおい、このヤンデレちゃん、俺のパンツを覗くことに全力を注いでいるようだ。ちくしょう!
あと少しで俺が醜態をさらすというところで
「ちょっと、君いいかな?」
俺のズボンがあと少しで下ろされる瞬間、庶民の味方警察が来たのである。
「ちょ、ちが!カイト説明してよ!」
警察は、セレスを連行する、当の本人は力で反撃できるだろうが、その様子はない
さすがに警察に手を出すほどの度胸はないのだろう
そんなセレスが懇願するように俺にそう言ってくるので…
俺はセレスの事を指さしながら
「こいつ俺のズボンを下ろして醜態をさらしてやるとか言ってました。」
「よし逮捕だ。」
「なんでよおお!」
警察に連行されゆくセレスを笑顔で手を振って見送る俺だった。
今回の話しを再編集したら、文字数が恐ろしいことになった
2000文字くらいだったのが、4000文字くらいになった
恐ろしいくらい長いな
うまく分割すれば、それで二話分だよ
まぁ、でも特に分割できるようなところもなかったので、基本的な話の流れは変えず、ところどころの掛け合いを変えてみました。
んでは、もしもよかったら、感想、評価、レビュー、ブックマークなどよろしくお願いします。
んじゃね~




