物投げるなこのエロフが!
≪魔法≫にはいくつかの種類があり。
まずは属性別で、【赤】【青】【緑】【白】【黒】と色ごとに分かれており。
例えば、赤魔法では火属性魔法や肉体強化。
青魔法では水属性魔法や回復魔法。
緑魔法では風属性魔法や防御魔法。
白魔法では光属性魔法や封印魔法。
黒魔法では闇属性魔法や召喚魔法。
それぞれの色が得意とする魔法が決まっており、俺はもちろん全部使える。
ちなみにこの世界の魔法使いはどう頑張ったって、三色魔法までしか使えない者が多い。
だが色は組み合わせで色が変わるのと同じで例えば【赤魔法】【青魔法】を同時に使えば【紫魔法】になる。
そして、最初に例に挙げた魔法は【元素魔法】であり、魔法使い達は自分が使える元素魔法から組み合わせでいろいろな魔法を使う。
宿の一室で目が覚めると先に起きていたらしいセレスが着替えをしている最中だった。
「・・・」
「・・・」
セレスと俺はばっちりと目が合い、そして俺は視線をそらした。
「見たわね、私の裸。」
「見てない、寝ぼけててね。」
セレスは俺を無言で見てくる。
俺は窓から心地よい朝日を浴びるのに忙しく、セレスなんかをかまってる余裕はない。
「見たよね」
「見てない」
「正直に言ったら触らせてあげる。」
「見ました!って痛い!何すんだよ!」
「やっぱり見たんじゃない!この変態!」
「お前!純情な男心を弄ぶなよ!」
「な~にが純情な男心よ!」
正直に言ったのに触らせるどころか、物を投げて暴行するセレス。
セレスは周囲にある物を投げてくる。
投げてくるのは、近くにあった置時計、枕になんかのオブジェ。
「おまえなぁ!昨日こと忘れたのか?酔っぱらったお前が俺に引っ付いてき、ってだからもの投げんな!痛い!おいこら!その変なオブジェが顔に当たったぞこの野郎!緑魔法ビエント!」
俺が理不尽な暴力にやられるのも限界に達したので魔法で対抗する。
ビエントは風を起こして自由に操る魔法で俺の正面には風の壁ができる。
「ちょ!やめてよ!あんた自分の魔力量を考えてきゃああ!」
ちょっとした風の壁を作るつもりが威力が強すぎたようでそのまま風がセレスのスカートをめくる。
「紫だ!エッロ!」
「みるなぁあああ!」
「セレス悪かったよ。まさかビエントであそこまでの威力が出るなんて思わなかったんだ。」
あの後顔面ビンタをもらった俺はセレスに謝っていた。
理不尽な暴力、ともいえないなビエントの事に関して俺に非があるし。
しかし・・・しかしだ。
「でもお前も悪いだろ。確かにお前の肌を見ちまったさ、しかしそれだけで暴力を振るうのもどうかと思う」
「それだけ?それだけですって!いい、よく聞きなさい!エルフの裸を見るということがどういうことか!」
真剣な顔でセレスが言ってくるので思わず息をのむ。
「どういうことなんだ?」
「結婚、というか、いいなずけになるの」
セレスが目を泳がせ、恥ずかしそうにスカートの裾を掴みながらそう言う
「えっ・・ヤダ。」
「真顔で否定しないでよ!傷つくでしょ!」
「っていうか。裸を見ただけで結婚ってなんか古臭くない?」
「そういうしきたりなんだから仕方ないでしょ!だからあんたと私はもう結婚するしか・・・」
「お断りさせていただきます。」
俺は乙女な顔になっている、セレスに真顔でそういうとまたもや理不尽な暴力を振るわれる。
「お前な!元でも貴族だろ!お嬢さまだろ!だったらもっとおしとやかにしろよ!」
「うるさいわね!私の生き方は私が決めるの!カイトには何も言われたくないわ!」
頑固なわがままお嬢様エルフの機嫌がさっきよりも悪くなる中、俺らが向かう場所はモンスターの出る危険地帯だ。
モンスターはよく出るところには一キロ前に看板があり、商業者たちはその看板を見て進む道を変えたりする。
冒険者であれば仕事場であり、俺からしたら仕事というよりも作業に近い。
まぁ、そもそも冒険者ではないがな、それでもギルドで換金はできるので行く意味はある。
一応モンスターや俺らにもレベルの概念があるが、俺には無関係のように感じる。
何故なら・・・
「ね、その、さっきはごめんね物投げちゃって怪我したでしょ?」
「いや、いいよ。こっちにもいくらか非はあったからさ。それに怪我らしい怪我もしてないし」
「えっ!?そ、そう。」
オブジェは正直に言うとそれなりも重さがあったがそれくらいなら、足の小指をタンスの角にぶつけるほうがまだ痛い。
冒険者にもなれば冒険者カードでレベルを確認できるが、たぶんカンストしているかもしれない。
「そうかな?まぁ気にしないでそれよりも金を稼ぎに行こう」
ハラハーラ平野という土地には特に凶悪なモンスターはいなく、いるのは。
「スライム、スライム、スライム、あっコボルト。」
っとこんな感じでほとんどスライムだ。
俺は、黒魔法マリオネットで複数体のモンスターに魔法で作った糸をくっつけて一か所に集めて、赤と青の混合魔法の紫魔法で冷気と熱気を空気の弾に閉じ込め、集まった数十体のスライムに向けて放つ。
「はい、紫魔法ハイドロボム」
「水素って何?」
目の前で大爆発が起こるのを見ながらセレスが聞いてくる。
「大気中に含まれる元素の一つだよ。」
これくらいは常識だと思うが、あっすみませんここ異世界でした。
案の定セレスは首をかしげていた。
大量のスライムを狩り。魔石をごっそりと持って帰る。
ちなみに魔石はモンスターが絶命してもなくなりはしない。
そしてギルドに着くまでの道のりでセレスに俺が高校で学んだ元素記号などのことを教えた。
以外にもバカではなく、やはり貴族の令嬢だったのだなぁっと改めて思った。
「へぇ~、カイトの国の知識面白いね、いつか行ってみたいな。」
「あぁ、きっとそこならセレスを差別する人もいないさ。」
俺はきっと二度と帰れはしない故郷の事を思いながらセレスにそういうと。
「ねぇ、カイトはさ私といていいの?」
「それはまたなんでさ?」
声のトーンを落としてセレスがそう聞いてくる。
「だって、私がいなければカイトきっともっといい仕事が見つかるのに」
「あのな~昨日も言ったろ。俺は働きたくないんだ。だからお前がそんなことを心配する必要はない。むしろ余計なお世話だよ。」
「でも・・・」
落ち込んだように顔を下に向けるセレス。
「あぁもう鬱陶しい、いつも通りでいいよ。いつも通りで」
「私のいつも通り?」
「そう、例えばお酒を飲むと人に引っ付く癖があるバカで、紫色のえっろいパンツを履くいつも通りのバカでエロい、エルフでいいよ。おいどうした止まるなよ。」
セレスは動きを止めて再び下を向く何かをぼそぼそと話している。
「と・・・・・い」
「なんて?」
「と・・し・・い」
「といし?なんて?もっと大きな声で言えよ。」
「今の言葉!と、取り消しなさいよ!私はバカじゃないしエロくもないわ!」
俺は怒り沸騰するセレスを見ていると。
唐突に風が吹き、セレスのスカートをめくる。
「あっ、再びの紫、このエロフめ」
セレスは目に涙を浮かべて俺に向かって走ってくる。
「今魔法使ったわね!謝りなさいよ!あとエロフっていうな!」
「使ってない!使ってない!」
俺の平穏な生活はきっと来ないのだろうと思った。
作者「こういっちゃ、なんだけどさ。」
カイト「ん?なに?」
作者「この魔法の設定思い付きで書いたからあと後、後悔しそう。」
カイト「プロットくらいかけよ。」
作者「いやな、キャラとか大まかな話の流れは書いたんだけどね、魔法の関しては書いてるときに、色鉛筆が傍にあってな。」
カイト「おいおい、それで色に関する感じにしたの?」
作者「うん、結構いい案だと思ったんだけどな~」
カイト「よく考えなくても、普通に使い古された考えだってことに気づかないか?」
作者「書き終わったときに思ったよ。でも俺はこれで気に入っちゃったから!」
カイト「あっそ、皆さん、いいなって思ったら、感想、評価、レビュー、ブックマークなどよろしくお願いします!」
作者「次の話もぜひ読んでくれよな!」
作者・カイト(完璧だな)
セレス「・・・、またね」