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冒険者組合へ

「おー、これが町か」

「うむ、私も人間の町に来るのは久しいな」


二人は町の壁が見える茂みに隠れていた。

あの過酷な空の旅も終わりようやく町に入れると思ったのだが、町の入り口には門番がおり入ってもいいものか悩んでいた。そのため、様子見のため門番が見えるところに隠れるように身を隠していた。



「セシリアって前にもこの町に来たことあるのか?」

「いや、ないぞ。前に来た人間の町はまた別のとこだったからな。だから、この町の入口の入り方など知らんぞ。」

「いや、思ってたけどセシリアが身をひそめるからなんとなく付き合ってたんけどこれ意味ある?」



・・・二人の間に沈黙が訪れる。

セシリアは瞬きを何回かした後言葉を放った。



「ば、ばかもの!決して楽しみで取り乱したわけではないぞ。ただ、一応危険かもしれないと思ったからこうしたわけであってな。それにだいたい―――」



沈黙を破った後のセシリアはそんなしゃべるキャラだったの?と思わせるほどいきよいよくしゃべった。

好はそれをニコニコしながらおとなしく聞いていた。

全てを言いつくしたのかセシリアは顔を俯きさせた。


「セシリア可愛いところあるな」


好は純粋に心から思ったことを言葉にした。


「な、なにを言うか若造が。フン、私はもう知らん。後は貴様が何とかしろ!」

「はいはい」

「はい、は一回だ!」


相当恥ずかしかったのか一々指摘することの言葉が強かった。


「はい・・・」

「分かればいいのだ」


まるでお母さんみたいな指摘をするともうこれ以上話すことはないと思わせるようにそっぽを向いてしまった。


(仕方ない取りあえずあの門番のところまで行くとするか)


好はセシリアを連れて門の目の前まで歩いて行った。

門は2メートル程で左右には先程からいる門番が立っている。


門の目の前まで行くと門番に声をかけられた。


「止まれ。お前たち見ない顔だな。どこから来た」


馴れた様子で門番は好達に聞いた。


「あ、えーっと山奥の田舎から来ました」


苦笑いをしながら好は質問に答えた。

門番をじっと睨みつけると―そうか―と言い今度は違う質問をしてきた。


「この町に来た目的はなんだ。見たところ商人には見えないが」

「俺たちはこの町で冒険者になろうと思っていて」

「冒険者か。見たところ強そうに見えんが、そうか。なら、最後にこの水晶に手を置いてくれ」


強そうに見えんがは余計だろ!と思いながら好は片方の門番が出した水晶に手を置いた。

置いた所特に光るなどの変わった様子などなくなにも起こらなかった。


それを見た門番はそちらの嬢ちゃんもといいセシリアも水晶に手を置いたが好の時と同じで特に何も起こらなかった。



「よし、これは犯罪者を見つけ出すものなんだが特に二人とも問題ないみたいだな。それじゃあ気を付けて冒険者やるんだぞ」


門番は最後に笑顔で言った。

見た目は怖いが根はいい人なのだろう。

好たちはその言葉をもらったあと町に入った。

ちなみにここまでセシリアは無言である。


(早く機嫌直してもらわないと)


町に入るととても賑わっており周りには商人らしき人や見た目が怖そうな冒険者らしき人たちもいた。

しばらく歩いていると香ばしいいい匂いがしてきた。

すると、セシリアはクンクンと匂いを嗅ぎながらも必死に食べ物につられないように不機嫌な顔をとっていた。


「はぁー、すいません。おばちゃんそれ一つください」


好は近くにある香ばしい匂いがする店で一つ注文した。


「はいよ、鉄貨一枚ね、ちょうどだね。毎度」


お金を払い好はおばちゃんから串に肉がついている所謂焼き鳥みたいなものもらった。

それをそのままセシリアに渡した。

セシリアはそっぽを向いていたが肉を差し出すとカブッとかぶりついた。

美味しいのか幸せな顔をした。だが、まだ不機嫌な顔を保ち続けたいのか二つの感情が顔に表されていてなんとも言えない表情だった。


セシリアの顔を見ていると好も腹が減ってきたのか先程の店でもう一つ買って食べてみた。


(んー、味があまりないな。肉も固いし、俺の舌が贅沢なだけなのかな・・・にしてもセシリアはうまいと言ってもう全て食べつくしてしまったな。空腹は最大の調味料だもんな)


そんな事を考えているともう陽も傾き始めていたので好は慌てて冒険者組合に向かった。

あらかじめ、あの店のおばちゃんに場所を聞いていたので場所は少し探したら直ぐに見つかった。


「ここが冒険者組合か。結構大きいな」


やっと、機嫌を直してくれたのかセシリアが言った。


「あー、確かにな。これが憧れの場所か。ラノベとかではよく想像して考えていたけれど、なんか目の前にすると感動するな」


確かに冒険者組合は大きかった。

三階だての建物で辺りの建物を見渡しても大きさは一目瞭然だった。


冒険者組合の建物の入り口は観音開きの作りだった。


「よし、行くか!!」


二人はゆくっりと入っていった。




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