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シナリオを退場した悪役令嬢は、賢者様をハッピーエンドに導きたい!!(旧題:元悪役令嬢な私と賢者様の生活)  作者: 冬野 冷
第二章 乙女ゲームの舞台、それはルミワ魔法学園!!
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お久しぶりです! 読んでくださっている皆さん、ありがとうございます!! 今回は前半エリシア、後半神視点になっています。前半は少し甘い? 後半は新キャラ登場です。


 レイン様はこのまま離してくれなさそうなので、このまま話を続けることにする。け、けしてレイン様にずっと抱きしめててほしいからとか、そんなやましい思いじゃないよ!? 本当に、本当にレイン様が離してくれないから、仕方な~く・・・・・・いや、正直に言おう。私はできるだけこの状態を引き延ばしたいだけである。

 う、うん。まあ、あれだよ。大好きな人に抱きしめられたらうれしくない? 私の場合は前世からだよ、前世!! いや、乙女ゲームレインと今ここにいるレイン様は全然別人だけどさ・・・・・・。そういえば、レイン様、背が伸びたな~。出会ったときはもう少し低かったと思うんだけど・・・・・・今は160センチくらい? 私が150センチだからな~。目線が同じくらいだったんだけど、今は私が少し上を向かなくちゃいけないんだよね。

「レイン様、学科申請に行こうか!!」

「申請?」

 私はぐるりと回転しレイン様に背中を向け、アイテムボックスから申請書類を取り出した。

「これだよ、これこれ!!」

「ああ、さっき入り口でもらった・・・・・・」

「そう!」

 レイン様は、グッと私を引き寄せて書類を覗き込むように見た。

「うん。この書類に必要事項を記入して、入りたい学科の科長さんに提出するの」

「ふ~ん、なるほど。ありがとう、エリシア」

「い、いえいえ」

 ・・・・・・と、吐息が! 耳に!! うわぁぁ、これは全然考えてなかった! な、何だろう。正面から抱きしめられるのとは、また違った感じがする・・・・・・。

「じゃあ、行こうか。錬金術科」

「うん!」

 レイン様は私を離して、私と手をつなぎ、錬金術科のあるほうへ向かう。え、待って・・・・・・またこの状態で歩くの!?

「レイン様!?」

「どうしたの?」

「手、手!!」

「うん? 嫌じゃないんでしょ?」

「そうだけど! 人が見てて!!」

「大丈夫大丈夫」

「大丈夫じゃないよ~!!」

 さっきみたいにたくさんの人に見られるってことでしょ!! 私が恥ずか死するわ!! それに、それに!!

「このままだと、レイン様が私の婚約者だって、誤解されちゃうよ!?」

 レイン様は私の言葉に反応したけど、足は止めずに人がいるほうへと向かう。

「別にいいよ」

「え?」

 今、なんと?

「僕がエリシアの婚約者だって勘違いされても、それで何か変わるわけではないし・・・・・・」

「いやいやいや、このままだと、レイン様に婚約者はできないし、結婚もできなくなっちゃうよ!?」

 自分で言っといてなんだけど、そうなんだよねぇ。このまま私と一緒にいたら、マジでレイン様に奥さんができない。私はレイン様のことが好きだし、私の家族は私の恋を成就させようとして外堀を埋めていたけど・・・・・・私はレイン様が幸せになってくれたらそれでいいし・・・・・・。

「僕、婚約の話は全部断ってるよ?」

 ・・・・・・え? 婚約の話は・・・・・・断ったぁーーーー!?

「なんで・・・・・・」

「僕、そんなに人とかかわるの好きじゃないし、今みたいに生活できなくなるし・・・・・・なにより、僕に婚約者ができたら、エリシアと一緒に入れないでしょ?」

「っ!?」

 っっ・・・・・・レイン様、半端ないです!! キュンって、キュンってした!! ときめいちゃったじゃないですか!! 惚れなおしちゃったじゃないですか!! 

「あ~、もう! わかったわ。なら私も腹をくくる!! だから、レイン様!!」

「なあに?」

 くっ!! その小首をかしげるポーズ、いつ見てもかわいい!! じゃなくて!!

「変な噂が出まわったら・・・・・・ちゃんと、責任取ってくださいね?」

「ん・・・・・・わかってるよ。エリシアも、その言葉、忘れないでね?」

「忘れないよ!!」

 むう、レイン様は、私のことを何だと思っているんだか・・・・・・。私がレイン様の手をぎゅっと握っった時、レイン様はふと足を止めて振り返った。

「レイン様?」

「いや、何でもないよ・・・・・・行こうか」

「はい!!」

 

 私たちは手をつないで、錬金術科へと向かうのだった。






++++++++++




 時間は少しさかのぼる。

 エリシアたちのいる庭を覗きやすい、高めの建物の室内に、2つの人影があった。


「あらあら。少し見ない間に、ずいぶんかわいい顔をするようになちゃったわねぇ。恋する乙女の表情だわ。相手の方は・・・・・・まあまあ、シアちゃんが好きそうなお顔の子ね。ずいぶんとかわいらしい顔立ちの・・・・・・」

「見るべきなのはそこじゃない」

「あらあら、うふふ。そんなにせかさないでほしいわぁ。シアちゃんのあんな顔、見るのは初めてなんだから・・・・・・もう少し、堪能させなさいよぅ~」

「確かにそうだが・・・・・・お前は心配じゃないのか、メリア」

 少年は自身の隣に立つ少女を見た。艶やかな黒髪に、長いまつ毛に縁どられた少したれ目がちなワインレッドの瞳。白磁の肌に血のように赤い唇。成長期であるはずなのに見る者の目を奪うような、豊かな体つきと美しい顔立ち。まだ少女であるのに大人の色気を漂わせている。

「あら、私が心配していないように見えて?・・・・・・メルト」

 メリアと呼ばれた少女は、隣に立つ少年を見た。艶やかな黒髪に、長いまつ毛に縁どられた少し釣り目勝ちのワインレッドの瞳。白磁の肌に血のように赤い唇。成長期であるはずなのに見る者の目を奪うような、整った体つきと美しい顔立ち。こちらも、まだ少年であるはずなのに大人の色気を漂わせている。そして・・・・・・少年と少女はまとう色だけでなく、その顔立ちも、とても似ていた。

「心配に決まっているでしょう? 私の知っている限り、あれがシアちゃんの初恋よぉ~」

 メリアはそう言って、再び双眼鏡を目に当てた。それを見てメルトも双眼鏡を手に取る。

「『変な噂が出まわったら・・・・・・ちゃんと、責任取ってくださいね?』、ですって! ああ、やっぱり。シアちゃんはかわいいわねぇ~。そこで、『じゃあ、私と婚約してください!』って言わないところがシアちゃんらしいわ~」

「それがシアさんだろ? メリアとは違うんだ・・・・・・というか、読唇術を使って会話を探るのはやめろ。それは本来の使い道ではない」

「でも~・・・・・・メルトだって使ってるじゃなぁい?」

「・・・・・・レイン・クライシス。俺たちと同年代。国から正式に認められた賢者。今までは学園に通っていなかった。森に引きこもっているって聞いていたが・・・・・・出てきたのは、おそらくシアさんがきっかけだ」

「話をそらしたわねぇ~? まあいいわ。彼、レイン君っていうのねぇ。見た感じ、シアちゃんのことが好きみたいに見えるけどぉ~?」

「たぶん、両片思いってやつだな」

「あらあら、なんというか・・・・・・ふふ、これからが楽しみねえ」

「そうだな・・・・・・ん? あいつ、いきなり立ち止まってどうし、ッッ!?」

 突然、二人の背筋が冷えた。双眼鏡越しに、レインがこちらを見ていた。その瞳は先ほどまでエリシアを見ていた瞳とは全く違う、禍々しい赤色だった。

 ヒュッと、二人は息をのんだ。しばらくするとその瞳はそらされ、元の穏やかな色に戻りエリシアを見ていた。

 二人はその場に腰を落とし、はっと息をついた。

「何よ、あいつ」

「俺たちのこと、間違いなく気づいていた・・・・・・」

「そうね。あんなにばっちり目が合うなんて、思わなかったわぁ~」

「シアちゃんは・・・・・・」

「シアさんは・・・・・・」

「「厄介なのに恋したわね(な)」」


 二人の言葉は、二人以外に聞かれることなく、消えていった。




 私的にはもっと、糖分マシマシな話にしたいんですけど・・・・・・エリシアとレイン、まだくっついてないんですよね~・・・・・・。くっついてないのにこんなに甘いの!?と思いながら温かく見守ってくださるとうれしいです。どこかでレイン視点のお話も入れたいと思っています。

 私が書いている他の小説・・・・・・『断罪者 ~絶望を知った少女が救済する物語~』『不老不死な魔王×勇者の異世界転生生活』のほうも、気が向いたら読んでみてください~。活動報告にイラストのせてます。

 よろしくお願いします(≻₋≺)

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