22
「さて、レイン様。今から妖精たちを召喚しましょう」
レイン様も正気に戻り、術者も捕まえたので、本格的な消火活動を始めようと思います。
「え?妖精を?」
「この火事は精霊の仕業なんだよ。精霊は私が〆るから、レイン様は妖精たちに火を消すよう指示してほしいの」
「精霊!?1人で大丈夫なの?」
「大丈夫。はい、これつけてね」
「え、ナニコレ」
私がレイン様に渡したのは、私作の変身装備『妖精の王』。金色で、緑色の宝石のついたサークレットです。ちなみに、これはネタ装備ではない。
「いいからつけてみて」
「う、うん。頭に着ければいいの?」
レイン様が、頭にサークレットを乗せると・・・・・・
「うわっ!!ナニコレ!?」
レイン様が輝き・・・・・・
深緑色の服に身を包み、金色の半透明の羽をはやしたレイン様がいた。白い髪は地に着くほど長い三つ編みに、紅い眼は黄金の瞳に変化している。所々に金色のアクセサリーをつけている。その手には身の丈ほどある緑の宝石がはめられた金色の杖を持っている。
『妖精の王』、私作のオリジナル装備です。【妖精王】にしか装備できない、【妖精王】のための装備で、『身体能力補正・大』『魔法攻撃補正・大』『魔力使用量激減』などの効果がある。その中でも特に素晴らしいのが、『妖精たちの行進曲』だ。『妖精たちの行進曲』は、固有スキル【妖精召喚】と【妖精使役】を合わせて威力を向上させた、『妖精の王』を装備しているときだけ使えるスキルだ。今回は、このスキルを使ってもらいたいので装備してもらいました。
「レイン様、さあ、『妖精たちの行進曲』と叫んでください」
「え、う、うん。『妖精たちの行進曲』」
レイン様を中心に地面が金色に輝き、波打つ。そして、その地面からたくさんの妖精たちが現れた。みんな緑色の服を着ている・・・・・・ということは、家の妖精たちじゃないか!!さすがに家の維持をしている子たちはいないみたいだけど・・・・・・
「キャハハハハ!王様だ~!!」
「女王様もいる~!!」
「この火を消すの?消すのです~?」
「どんどん消すよ~水を出すのです」
500人ぐらいいるんじゃないかな。妖精たちが水を生み出して、火にかける。この調子なら、大丈夫そうだね。
「じゃあ、レイン様、あとはお願いね」
「うん・・・・・・気を付けて」
いったん、空に戻る。そして・・・・・・
「チェストーーーー!!」
勢いをつけて私は精霊に殴り掛かった。
数十分後・・・・・・
「ふぅぅ~」
「終わった」
無事、消化し終えた私たちは、今、ヴァルテス家に向かっている。後処理とか、いろいろ、大変だった・・・・・・。
闇に落ちた精霊を沈めた後、一気に火を消した。クライシス家の屋敷はボロボロだったが、時空間魔法で屋敷の時間を巻き戻し、火をつけられる直前の状態にした。精霊がいたから時魔法で時間を巻き戻しても、結局、火事になるから、精霊を止めなくちゃいけなかったんだ。時空間魔法って、万能に見えて、実は万能じゃないんだよ・・・・・・。〆た精霊たちはエレメントっていうエネルギー体に戻して、瓶詰にしてアイテムボックスに封印した。あっ、妖精たちはうちに返したよ?変身をといたらいっきに疲れが襲ってきた・・・・・・。
「・・・・・・エリシア」
「ん?な~に、レイン様?」
「ごめんね。こんなことに巻き込んでしまって・・・・・・もし、君が来てくれなかったら僕は・・・・・・」
・・・・・・う~ん、そんなに気にする必要はないと思うけど。というか、私がここにいることに対しては何かないのか。
「レイン様レイン様、私がなぜここにいるのか聞かないの?」
「いや、だって、エリシアだし・・・・・・」
おい、待て、どういう意味だ。
「エリシアって、僕がいるところにたいていいるし、何故かいない筈の所にいたりするしいひゃいいひゃい!!いひゃいお、えいいあ!!」
「それって、ストーカーって言いたいの?ん?」
「ちひゃうよ~」
もう、そんな言い方しなくてもいいのに。確かにレイン様のそばにいることが多いけどさぁ。失礼だな。思わずレイン様のほっぺをつねってしまったじゃないか。レイン様の頬から手を離すと、レイン様は涙目になりながら頬をさする。場違いだとわかっているんだけど、そのかわいい姿にキュンキュンする・・・・・・。萌え萌えです、レイン様。その姿に疲れが癒される!!っと、いけないいけない、こんなことしてる場合じゃなかった。
「レイン様、私は巻き込まれにきたんだよ。・・・・・・レイン様は、こうなることを知っていて、1人でここに来たんでしょ?」
「・・・・・・うん。」
「今度は、ちゃんと私にも言ってよ。私も手を貸すから」
「なんで・・・・・・だって、これは僕の問題で・・・・・」
「私はレイン様の弟子だよ?巻き込んでくれなくちゃ困る!!」
「でも・・・・・・でも」
「あ~もうっ!!私はレイン様の弟子なの!!それを認めてくれたのはレイン様でしょ!!ふつうは、弟子に面倒ごと押し付けて、高いところから見下ろしてるのが師匠なの!!レイン様は優しすぎるんだよ!!・・・・・・こういう時は一言『ありがとう』って言ってくれたらすべて解決するんだから・・・・・・まったく、こういうところは、あの乙女ゲーム・レインを見習ってほしいよ」
思わず、乙女ゲーム・レインを思い出してしまう。あのレイン様は本当にサドかったなぁ・・・・・・。乙女ゲーム・レインぐらい傲慢になれとは言わないけど、もう少し、傲慢になったほうがいいと思う。
「おとめげーむ?」
「ああ、こっちの話だから気にしないで。とにかく、お礼一つでプラマイゼロになるんだから気にしなくていいの。・・・・・・さぁ、レイン様。私に何か言うことは?」
「っ、あ・・・・・・」
私は、期待を込めてレイン様を見る。じーっと見つめる。
どれくらいたっただろう。時間にすれば数秒のことだったかもしれないが、私にはに数分以上、経ったように感じた。
「エリシア」
「はい。何ですか?レイン様」
「・・・・・・ありがとう」
「どういたしまして!!」
私は、レイン様にとびっきりの笑顔を返した。
これにて第一章は終了になります。
第二章の更新はしばらくお待ちください。




