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水の聖者~20の柱~  作者: 森川 悠梨
第一章 冒険篇、白の魔術師
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誰かを想う心

 少年をベッドに寝かせると、ジャノンは少年の服を脱がせてから手袋をつける。


「……念のためだ。お前ら、それぞれこいつの四肢をしっかりと押さえつけておけ。……これから傷を縫う」


 治療室の中にいた四人の医術師やギルド職員にそう声をかけ、ジャノンは針と糸を手にした。

 この村は発展しているとは言っても田舎の村の一つにすぎない。傷を縫ったことのある人物というのはジャノンのみであり、そういった意味でも彼は重要な人材である。

 それ故に医術師もギルド職員も、全員不満はないままに少年の四肢を両手で押さえつける。


「アラン、火を出せ」

「え? あ、はい」


 何をするのかわからないアランだったが、手の上に玉状の火を出現させる。

 するとジャノンは、躊躇なくそこに針を翳す。熱くないのかとも思ったアランとルートスだったが、ジャノンは全く熱がる様子はない。理由は彼が手に装着している手袋なのだが、二人がそれを知るはずもない。


「よし、やるぞ」


 そう呟くと、ジャノンは糸を通した針を、少年の傷口のすぐ近くに突き刺す。


「……っ! あああああッ!?」


 少年の悲鳴が響く。

 意識が覚醒したらしく、いきなり脇腹に刺すような――実際に刺しているのだが――激痛が走って少年が悲鳴を上げたのだ。

 困惑、疑問、恐怖、そして痛みからくるその悲鳴は、アランの心を深く傷つけた。それによって、彼の眉がふと顰められる。

 同性で初恋の相手とは違う人物であっても、あの少女に似ていることに変わりはない。

 だからこそ、少年の苦しみが自分の心の傷となってしまう。

 だが、それでも、ここまで運んできた身として、ここを離れる気にもなれなかった。

 そんな幼馴染みの様子に気づいていたルートスだったが、特に何を言うでもなく、少年の痛みを想像して眉を顰めていた。


「ぐぅ……ああっ……! はあ……はあ……」


 数時間後になって、ようやく治療が終わる。さすがのジャノンの額にも、薄らと汗が滲んでいた。


「はあ、はあ、はあ……」


 苦しそうに喘ぐ少年の顔にも体にも、汗が滲み始めていた。


「熱が出てきた。服を着せて、細かい傷の手当ても頼む。……お前らはどうする?」

「俺はここにいます」


 アランは即答した。二度しか会ったことのない初恋の相手に酷く似た少年の傍にいたいと思うのは、アランにとっては当然のことだった。ついでに、拾ってきた自分に責任があるとも感じている。


「俺も、残ります」


 拾ってきた身として責任があるというその思いはルートスも同じで、ジャノンに対してそう返すのだった。


「……そうか。じゃあ、ミーシャにもそのことは俺から伝えておく。とりあえずはこいつも大丈夫だ。もう少し遅れていたら、間に合わない所だったな」

「そ、っか」


 アランは小さくそう呟いていた。

 ジャノンはそんなアランを静かに見つめていたが、すぐに気を取り直してルートスに言った。


「じゃあ、俺は酒場に行く。何かあったら言ってくれ」

「わかりました。ありがとうございます」


 アランが見知らぬ少年を助けようとしたのは、初恋の相手に酷く似ていたから。ルートスが見知らぬ少年を助けようとしたのは、アランが必死に助けたそうにしていたから。ジャノンが見知らぬ少年を助けようとしたのは、ルートスと同じ理由だ。

 少年がレイヴァであるという特徴を持っていることが後押ししたのだろう。

 ジャノンも冒険者だ。レイヴァのことくらいは知っている。

 レイヴァというのは白銀の髪を持つ戦闘民族だ。今ではその集落も滅びたために滅多にいない希少な種族として知られていたが、彼らの特徴の中に、助けてくれた相手に対する恩は仇では返さないというものがある。

 彼らが一度仲間だと相手を認識すれば、その絆は強固なものになる。

 別にジャノンは少年に恩を売りたいわけではなく、助けたとしても村にも自分にも危険はないだろうと判断したのだ。

 傷つきやすく繊細な性格で、寂しがりなところもあるという。相手の感情に敏感で、警戒心が強い。色々と特徴を持っているレイヴァだが、それも仕方のないことなのだろう。

 エルフと同じように、彼らは顔立ちの整った者が多い。男女関係なく夜の相手にと選ばれることも多く、更には自分たちの戦力として捕えたり、奴隷として買い取られることもよくある。

 この世界では高い戦闘力はかなり重視されるため、それを理解している彼らとしては見知らぬ相手に警戒心を抱かずにはいられないのだ。

 だから、少なくとも怪我が治るまではこの村にいさせるが、それまでにアランたちへの警戒心が解けるかどうかはわからない。

 だがそれでも、消えそうだった命を助けることができたジャノンは、その祝い酒として一人で爽快感を感じつつ酒場の席に座るのだった。




「あ、アラン、ルートス」


 そう言って恐る恐る医務室の中に入ってきたのは、アランやルートスとともに依頼で外に赴き、少年を見つけてきたミーシャだった。


「ミーシャ、来たのか」

「うん。一応、私もこの子を見つけてきたんだからね」


 考えていることは同じだった。ミーシャも、少年の事を気にしていた。ジャノンに、少年は一命を取り留めたと知らされた時は、どれだけ安堵したことか。


「大丈夫、なんだよね?」


 ベッドの脇にある椅子に腰かけながら、ミーシャはそう問いかけてくる。それに対してルートスが首を縦に振って肯定した。


「ああ。傷は深かったけど、何とか間に合ったって。もう少し遅かったら、間に合わない所だったって」

「じゃあルートス、大活躍だね」

「……だな」


 自分が気づいていなかったら、ほぼ確実に彼は死んでいただろう。そう思うと、目を大事にしていて良かったとも思ってしまう。

 少々苦しそうに息をしている少年を眺めながら、彼はしみじみと呟く。目元は冷やされた布で覆われていて見えないが、その下はわずかに赤くなっており、高い熱が出ていることを示している。

 アランが、布を外して水の入った桶に浸す。そして絞ると、少年の汗を拭って再び水に浸し、絞って先ほどと同じように載せた。


「アラン、その人って、やっぱり……」

「彼が起きているところを見たことがないから、何とも。……けど、酷く、似てる」


 アランはミーシャに問われてそう言う。

 ルートスはアランの言う少女を見たことがないので何とも言えないのだが、少年にかなり似ていると言われれば、そこから少女の姿を想像するのはそれほど難しくはなかった。


「それと……さっき傷を縫っている時にちらっと見えたんだけど、この子の目の色も、あの子と同じ……青色だったんだ」

「え……それ、本当?」


 ミーシャが信じられない、と言ったように訊ねる。すると、アランは間もなく首肯した。


「もしかすると……あの子と血縁関係にあるのかもしれない。機会があったら、その辺も訊ねてみる」


 アランはそう言って小さく笑みを浮かべた。

 少年を助けるのに少しでもジャノンに協力できたのが、少し嬉しかったのだろう。


「アラン……」


 アランのそんな表情を見て、ルートスはただそう呟く。


(このままの勢いじゃ、夜中までここにいそうだな)


 ルートスは内心でそう呟くが、幸い今は冬。依頼も滅多に出ないし、活動回数も少ない。とりあえず少年が目を覚ますまでは好きにさせてもいいだろうという思いは、少なからずあった。


    *


 アランたちが少年を助けてから、三日が経った。その日は酷い風と雪が降る日だった。

 ギルドの医務室の中で、アランはうつらうつらしながら、少年の看病をしていた。


「うっ……」


 うめき声が聞こえ、アランがハッと顔を上げる。

 半ば寝ぼけた目で正面を向いたまま、アランがまた寝落ちしそうになった……その時だった。


「あ、れ……?」


 そんな、戸惑ったような小さな声が聞こえたのは。


「っ!? お、おい、気がついたのか!?」


 一度まばたきをした少年の視線がアランに向き、少しして小さく見開かれた。


「え……? ぁ……」


 掠れた声で小さくそう呟く。

 はっとして、アランは慌てて水を取りに行く。


「ほら、咽ないようにゆっくり飲め」

「っ……」


 アランが吸い飲み器の口を差し出すが、少年は警戒心を露わにして水を飲もうとしなかった。

 そのことにアランは疑問符を浮かべるが、無理には飲ませまいと吸い飲み器を引っ込める。


「……どうした? 水分は摂らないと……」

「ここは、どこだ……?」


 掠れた声だったが、何とか少年はそう口にする。すると今度はゆっくり上半身を起こした。


「おい、まだ寝てろよ」


 アランはそう言うが、少年は聞かずにさっと周囲を見回した。

 尚も辺りを警戒しているらしく、鋭い視線を送っていた。


「……ど、どうした?」


 心配そうに声をかけるアラン。それを聞いて我に返った少年が、はっとしてアランを見る。


「ここは?」

「カル村のギルドだ。北の丘の近くで倒れていたんだぞ? ……大丈夫か?」


 少年は、尚も心配そうに話しかけてくるアランに不思議そうな視線を向けて尋ねる。


「……なんで、俺なんか、助けた?」


 次にきょとんとした表情を作ったのは、アランだった。だが、アランはこれがチャンスだとばかりに、素直に答えることにした。


「……俺の初恋の女の子に、とても似ていたから」


 その時、少年の肩がピクリと揺れる。だが、下を向いていたアランには気づかれることはなかった。


「腰まで伸びたサラサラな髪を持っていて、深い青色の、宝石みたいな瞳はすごく目を引く綺麗な女の子なんだ。白いドレスに、日焼けしていない白くて綺麗な肌が、魅力的な女の子だった。……もし。もし、だけど。その女の子のこと、何か知らないか? 知ってたら、教えてほしい」


 アランは顔を上げて、懇願するかのような視線を少年に向けていた。だが、少年はそっと視線を逸らしながら言う。


「……悪いけど、知らない」

「……そうか」


 少し残念そうだったが、知らないというのなら仕方ない。そう思い、アランは素直に引き下がった。

 そんなアランを見た少年は、警戒心を数段階下げた。彼の、初恋の相手を思う気持ちは本物なのだ。人の感情に敏感なレイヴァだからこそ、それを理解することができたのだ。


「……いつか」

「……?」


 小さく呟いた少年の声に、アランはその顔を上げて耳を傾けた。


「いつか、会えるといいな」


 小さく微笑んだ少年の表情もまた、本物だった。優しく、友人に向けるかのような笑み。


「……ああ。ありがとう」

「やめてくれ。礼を言うのはこっちだ。助けてくれて、ありがとう」


 少年はそう言って、再びアランに問うた。


「名前を教えてくれ。命を助けてもらった相手の名前くらいは覚えておきたいから」

「アランだ。ああ、俺はお前を見つけてこっちまで運んできただけだ。……まあ、見つけたのも俺じゃないんだけど。お前を手当てしたのは、Bランク冒険者のジャノンって人だ。今度会ったら紹介するよ。……良かったら、お前の名前も聞かせてくれないか?」

「断る理由はない。アルだ。よろしく頼む」


 アルと名乗った少年の目には、アランに対する警戒の色は既にない。

 美しく、深い海を連想させる宝石のような瞳が、やはり名も知らないあの少女に似ている。幼い顔立ちは美しいとすら表現でき、静かに波を立てる海のような静かな佇まいを持つ少年は、知性に溢れた瞳を細めた。


「……それで、俺は、何日寝てたんだ……?」


 アルは周りに気を配りながらアランにそう訊ねる。だがアランはそんなアルの様子に気づいた様子もなく、頭に疑問符を浮かべて言う。


「そう、だな……三日くらいか?」

「その間、変わったこととかはなかったか?」

「え? ……あー、わからないな。俺、ほとんどここにいたから……」


 アランは曖昧にそう答える。だが、アルは落ち着かない様子で相変わらず周囲を見回している。


「……こうしちゃいられない。世話になった、これ、煮るなり焼くなり好きにしてもらっていいから」


 どこからか取り出した包みをアランに半ば押しつけると、アルは慌ててベッドから降りるが……


「いっ!?」

「っ! アル!」


 脇腹の傷が痛んだのか、アルはアランとは反対の方で床に倒れこむ。アランは慌ててアルに駆け寄り、彼の肩を持つ。


「馬鹿か。お前、まだ傷が治ってないんだぞ!?」

「……馬鹿、か。そう言ってもらっても構わない。とにかく、俺はすぐにこの村から……っ、出て行かないと……!」

「何をそんなに急いでるんだ? 何を慌てている? 早くこの田舎から出て行きたいだけなら、しばらく我慢して大人しくしていろ!」

「駄目、だ! お前や、俺を助けてくれた人たちを巻き込みたくない。頼む、行かせてくれっ……!」

「だっ……そんな体じゃ無理だって!」


 そんなふうにして、アランは何とか立ち上がろうとするアルを押さえる。だが、怪我人とはいえアルは戦闘民族の末裔、レイヴァだ。そんな相手に力比べでアランが勝てるはずもない。


「おい小僧、目ぇ覚ましたのか?」

「じ、ジャノンさん!」


 ちょうどいいとばかりにアランが叫ぶ。


「すいません、手伝ってください! アルが、ここからすぐに出るって言い出して聞かなくて……!」

「あ? おら、まだ寝てろって。何だかは知らんが、お前はまだ怪我人だからな。俺としても、このままお前を野に放つわけにゃいかねえ」


 ジャノンにそう言われても、アルは諦めた様子はない。


「あんたが、俺を助けてくれたんだって聞いた。ありがとう、心から感謝したい……けど、時間がないんだ! 命の恩人とその人たちの暮らす村を、巻き込みたく、ないんだ……っ」


 アルは目を潤ませてそう言う。

 本気で何か事情がありそうだと察したジャノンとアラン。

 ジャノンが代表して、アルに声をかけた。


「おい、アルとやら。お前がどんな事情を持っているのかは知らんが、少なくてもこの村に危害を加えるわけじゃないんだよな?」

「……? ……ああ、もちろんだ。そんなことしたら、人じゃ、ないだろうが。だから出て行こうと……いっつつ……」


 疑問符を浮かべながらもアルは少し不満そうにそう答える。


「そうか。じゃあな、言っておくが、こちとらお前の命を助けた身だ。それをみすみす野に放って死にでもしたら、意味がないだろうが。その様子を見る限り、深い事情があるようだからな」

「っ……」


 アルは言葉に詰まる。だが、ジャノンはアルに考える時間を与えずにさっさと続ける。


「それに、だ。俺たちがお前を助けた時点で、俺たちはお前の事情に巻き込まれてんだよ。だから、今更だろ」

「そ、それはだから……!」

「うるせえ。面倒なことに巻き込まれるのは承知でお前を助けたって言ってんだよ」

「っ……!?」


 アルは今度こそ何も言えなくなる。そこに浮かんでいるのは、後悔。この村に転がり込んできたことによって、こんなにも優しい人たちを自分の事情に巻き込んでしまった。

 今までこうした形で出会ってきた人たちは、下心を持った者しかいなかった。

 こうして命を助けたのだからと、自分を手に入れようとした者。強引に拘束して、他のレイヴァも手に入れようとして拷問した者。傷を負って体力が衰えているのを良いことに、手当をしたらそのまま奴隷として自分を売った者。

 そういった者たちがいたからこそ、アルは最初、アランを警戒していたのだ。

 また、自分を手に入れようとするのではないかと。また、拷問されるのではないかと。

 だが、ここにいる人たちは違った。だからこそ、怖いのだ。

 自分の事情のせいで、自分のことを思ってくれた人を死なせてしまったら……と。


「あ……」


 アルが何かを言いかけた、その時。

 轟っ、と音が鳴り、ギルドの窓が破壊される。


「うっ!?」


 ジャノンが咄嗟にアランとアルを庇って前に出る。小さな破片などは彼の背に当たったものの、特にダメージもなくその爆発は治まった。


「ちっ、なんだ!」


 苛立ちを露わに、ジャノンは叫ぶ。


「これはこれは。大変失礼いたしました」


 緊張感のない中性的な声が医務室に響いた。外では少しずつ騒ぎになってきており、ギルドの職員や冒険者が医務室へと駆け寄ってきていた。


「っ……てめえっ、この人たちを巻き込むことないだろうがっ!」

「おやおや、巻き込んだのは、あなたなのではないのですか?」

「ふざけんなっ!!」


 脇腹の傷の痛みなど無視して、アルがそう叫ぶ。


「……あいつ、知ってるのか?」

「……っ」


 アルはアランを視界から外す。

 目の前に現れたのは、エメラルドグリーンの髪をオールバックにしている若い男だった。服装は白いタキシードという、この場では明らかに場違いなもの。


「その者をこちらへ素直に引き渡していただければ、この壁もしっかり元通りにして去ります。……どうか、お聞き入れいただきたく」


 そう言って、男は礼儀正しく頭を下げた。

 だが、男はこうしてギルドの壁を強引に突き破ったのだ。明らかに目の前にいる男は――敵。

 そうである以上、命を拾った身としては、ジャノンの中に少年を引き渡すという選択肢はなかった。


「へっ、テメエみてえなクソ野郎に、渡してたまるか」

「やめっ……!」


 ろ、と言おうとしたアルの口を、アランが塞ぐ。


「それはそれは。いいのですか? あなた方は、その少年に巻き込まれたのですよ?」

「んなの知るか。こちとらそれを承知で助けたんだ、最後まで助ける責任ってのがあるだろうよ」


 そう言って、ジャノンは背中の大剣を抜いて、構える。


「ふう……厄介ですね」


 憎々しげに吐かれるそんな男の言葉。

 男も腰の剣を抜いて構え、ジャノンを見据えた。


「待っ……」

「おらあああああっ!」


 雄叫びを上げながら、その巨躯が持つものとは思えないスピードで十メートルほどの距離を一気に縮める。

 一気に振り降ろすと、男は驚いたような表情を浮かべ、呟く。


「これは……本当に厄介ですね……!」


 咄嗟に剣を振るい、衝撃を少しでも緩和させる。そして身を屈めると、後ろへ跳躍。

 だが、ジャノンもそこへ追撃を仕掛けようとしない。

 なぜなら、その男が武器を構えていなかったからだ。それだけでなく、以前にアランと模擬戦をしていたアルファのように、ほとんど隙がなかったのだ。


「……ふう。今の私では、どうやらあなたには勝てないようです。申し訳ありませんが、今回はこれで失礼いたします。では」

「っ! おいこら、待てっ!」


 ジャノンは叫ぶが、次の瞬間には男はその場から消えていた。そして更に次の瞬間には、男がいた場所に真っ白な鉄の槍が、いくつも突き刺さっているのだった。


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