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黒き門・白き門  作者: 灰色人生
第一章 ミディア王国編
20/24

二十話

 


 20・〈ノービスの森〉の脅威④


 ▼○


 神創暦431年08月10月10:01


 暫く防御に徹しながらガルチョフ率いる討伐隊の生き残り35名は有志の集団が纏まっている地点を目指しながら後退を続け、漸くその地点に到着した。




 ガルチョフは己の目を疑った。


 良くて半壊、悪ければ全滅している可能性があった有志の集団である低ランク冒険者達の居る場所に漸く着いて目的の集団を発見したまでは良かったが、そこで予想外の光景を目にする。


 確かに冒険者達の数も予想通り40名余に減っていたが、それ以上に魔獣の死骸が山積して居た。


 フォレストウルフを筆頭にワイルドウルフにその上位種であるハンターウルフ、ハウンドウルフにまた更にその上位種バトルウルフ、ウォーウルフとその死骸がそこら中に見受けられる。



 その光景を作り出したと思われる3人の冒険者達は今まさにシルバーファングにとどめを刺して居た。



 そのシルバーファングの近くにはブロンズファングの死骸が複数体転がっていた。



「な、何者だ奴らは?」と思わずガルチョフの口から驚きの声が漏れる。



 その声に反応して冒険者達の視線が注がれる。



 最初は『良くも俺たちを囮にしたな』と恨みがましく殺気のこもった目で睨んだが彼ら討伐隊も半壊状態を見て幾分か、冒険者達の溜飲は下がったがその討伐隊の後ろを追いかけて来るゴールドファングを目にして再び憎悪の視線を向ける。




 ◇◇◇◇



 ガアードが「デウスさん。討伐隊の面々がゴールドファング共を引き連れてやって来ましたがどう致しましょうか?」と質問して来た。



 デウスはそれに一瞥をくれる事もなく一言「殲滅する」とだけ告げた。



 その意図を察したガアードとソーリャは頷き行動に移る。




 まずソーリャがこの辺り一帯を包み込む様に岩の防壁を作成した。



 これによりゴールドファング率いる魔獣の群れは勿論の事、討伐隊や冒険者達も此処からは出られない。



 討伐隊が呆然と岩の防壁を見つめて居ると魔獣達が襲いかかって来た。


 ガルチョフは慌てて指示を出し撃退するもまた数人が犠牲になり他にも何人か負傷した。




 そんな討伐隊の様子を見ながらデウス達はゆっくりとゴールドファングの居る方向へと歩いて行く。



 ゴールドファングやシルバーファング達は野生の勘かこちらを威嚇しながらも何とか脱出しようと配下の魔獣に岩の防壁を壊す様に指示を出すが奴ら程度ではビクともしない強度を誇っている。



 デウス達はある程度近づいたところで止まる。


 その間も討伐隊と魔獣達は争いお互いに数を減らして行く。


 討伐隊はこちらへと近付いてくるのでソーリャに命じて目の前を火の壁を出しこちらへと来れないようにした。


 討伐隊はこちらへと文句などを言うが知った事か、初めにこちらを囮に使ったのは向こうだ。


 まあ、この事を証言させる為にガルチョフとその副官は後で確保するが五体満足かどうかはあちらの態度次第だな。



 冒険者達はゴールドファング共を警戒しながらも何人かは交代で休憩に入り体を休めて負傷者の看病をする。



 こちらに介入する意思はなくどちらかと言うとデウス達を支持しているようだ。



 それから十数分後討伐隊は瓦解しそれぞれが別方向へと逃げ出す。


 ガルチョフが止まる様に命じるが言う事を聞かずに一目散に生き延びる為に逃げる討伐隊の面々。



 デウスはガアードに「ガアード。あの男とアイツとアレもついでに確保しろ」と命じるとガアードは了承しガルチョフとその副官に後一人念の為に確保させた。



 抵抗する間も与えずにガアードは一撃で意識を刈り取り3人を片手で担ぎ上げこちらに運び襖巻きにしてソーリャが岩で檻を作りそこに収監する。


 デウスは首の凝りをほぐす様な動作をした後二本の剣を構えてゴールドファングに向かって駆け出す。


 一歩、一歩が爆発的な速度と距離でゴールドファングに迫る。



 ゴールドファングが振り下ろして来た前足を体を少しずらすだけで紙一重で交わし隙だらけの心臓を一突き。それだけでゴールドファングを絶命させる。



 デウスがゴールドファングから剣を引き抜き布で剣に付着した血を拭い辺りを見るとガアードが斧でソーリャが魔法で残りの魔獣を全て葬り去った。



 そうして脅威が去ったのを確認した冒険者達は勝鬨をあげデウス、ガアード、ソーリャの3人を讃えた。




 彼らは積極的に素材の剥ぎ取りに協力してくれた。


 デウスは幾つかの魔獣の素材を手伝ってくれた礼にと譲り渡した。



 彼ら冒険者は喜び口々に礼を言う。



 その後討伐隊の面々の装備も回収し死者の遺体を一箇所に集めて火葬した。



 遺体を放置してそのままにするとアンデッドになる可能性がある為だ。



 その後形が残った骨を一つずつ砕き土に埋めて処置兼埋葬は終わりだ。



 その後は準備を整えてニアサイドへと帰還する。


 ガルチョフと副官に後一人はまだ目を覚まさずに気を失ったままだ。


 その運送は手伝いを申し出た冒険者達に任せた。





 数時間後無事彼らはニアサイドの街へと辿り着いた。





 To be continued......



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