十四話
14・ニアサイド②
▼○
3人は受付嬢に言われた通りの道を辿り〈安らぎ亭〉へと辿り着いた。
早速中に入り宿泊をする。
「いらっしゃい!お泊まりですか?」と受付に居た可愛らしい少女が話しかけて来た。
「ああ、3人頼む。部屋は3人部屋があればそれで」
「わかりました。一泊夕・朝食付きで銅貨60枚になります」と言われたので銅貨を60枚支払う。
「それとこちらの宿帳に名前の記入をお願いします。もしかけなければこちらが書きますのでご安心を」
「大丈夫だ」そう言い宿帳にデウスと記入する。
「ありがとうございます。それともし体を拭くのに湯をご使用するなら一回銅貨5枚頂戴します」
「ああ、了解した」
「お部屋は階段を登った先を左に行き二つ目の部屋です。こちらがお部屋の鍵になります。お出かけになる際は受付に鍵を渡してから出掛けて下さい」
少女から部屋の鍵を貰い部屋に向かう。
部屋に入り荷物を下ろす。
部屋に入るとソーリャが魔法を使い部屋を監視しているものが居ないかなどを探る。
「デウス様 部屋を監視している者は御座いません」
「そうか、それとさんで言いと言ったろ?様は目立つ」
「はっ!申し訳御座いませんデウスさん」
と片膝をつき頭を下げる。
その態度も駄目だと言いたいが諦めてベッドに腰掛ける。
もう一方のガアードは扉前で仁王立ちしている。
デウスは内心人選を間違えたか?と思いながらも、まあ成るように成るだろうと考えることにした。
「先ずはこの街を探索してこの街の構造などを調べるとするか」
「はっ!畏まりました」
「……御意に」
「そうだな…荷物などもあるし追跡者が居ないか確かめる為にもソーリャはここに残って待機せよ」
「…はっ!」
珍しくソーリャの返事が一泊遅れた。
ガアードは逆に珍しく嬉しそうに口元を少し緩ませている。
「では、留守を頼んだぞ。ソーリャ。ガアード行くぞ」
「御意に」
「はっ!」
ガアードを連れて宿を出る。
神創暦431年07月27日10:24
時刻を確認するともうあと1時間半後に昼なのでそれまでに軽く辺りを散策した後宿に戻り、ソーリャと合流した後に昼御飯を食べに行く事にした。
街の中心にある広場には大きな石碑が置かれて居た。
立札があり読んでみると『この石碑には世界の強者の順位が上から50人迄表示される。この石碑に載るように日々努力せよ』
『そして石碑に載れたならばシングルナンバーである世界最高峰まで辿り着きたまえ』
と立札には書いてある。
石碑を見ると上から九番目までのシングルナンバーだけ石碑の色が違った。
二桁の順位は白で表示されているのに対して一桁の順位は赤く表示されて居た。
近くの者に石碑について聞いて見ると、この石碑がどういう原理で作動して順位を決めているかはわからないらしいがこの石碑に間違いはないとの事だ。
実際にこの石碑に書かれている者が死ねば石碑から名前が消えて下の名前の順位が繰り上がりまた新たに石碑の一番下に名前が表示されるとの事だ。
更に二桁は良く名前が上がったり下がったりと移動が激しいらしいが上から十五番目は中々変動せず一桁のシングルナンバーに至ってはここ数十年変動していないとの事だ。
始めの内はシングルナンバーに挑戦を挑む者は後を絶たなかったが、誰一人として倒せた者は居らずシングルナンバーに挑んだが故に地形が変えられる事が暫しあった為にシングルナンバーに挑む者はいつしか潰えた。
そしてある日遂に恐れて居た事が起きたシングルナンバー同士の激突だ。
彼らが争った場所は島国だったが彼らの闘いにより消滅した。
勝ったのはシングルナンバーの序列4位。
敗れたのはシングルナンバーの序列8位。
敗れた序列8位は一命を取り留め姿を消した。
だが石碑に名が刻まれ順位も変動して居ないことから生きておりその力はまだ健在と言うことだ。
順位は以下の通りだ。
序列1位・破壊神・ノヴァーク
序列2位・巨神・タイタン
序列3位・神祖・ドラキュラ
序列4位・魔帝・ガイザーク
序列5位・龍騎士・スラーグ
序列6位・荒神・ミルステット
序列7位・傭兵王・レンタリティ
序列8位・真勇者・アキラ
序列9位・武神・ストロンガス
となり以降は序列10位と続いている。
自然と石碑の名前を確認したがどうやら自身の名前はまだ載って居ないようだ。
それもそうかいくら強い種族に生まれたとしてもまだレベルは2-この前にダンジョンに侵入してきたDランク冒険者の一団を倒した事によりレベルアップした-だ。
そう納得したところでその場を後にした。
■■■
それからガアードを従えて街の中を見て回る。
時々冒険者を見かけるが皆若い。
やはり此処が駆け出し冒険者の集まる場所だと理解した。
そういえば冒険者養成学校と言うのがあるんだったな。
後で調べて見るか。
だが此処は領都ではないから情報が集まるかどうかだな。
だが駆け出しの冒険者はこの街に集まる為にその中に冒険者養成学校の卒業生がいる可能性があるな。
思考しながらも脳内に街の中の地図を綿密に記憶して行く。
ある程度街の構造を把握し時刻を確認して見ると
神創暦431年07月27日12:08
と昼頃になって居た。
一旦〈安らぎ亭〉に戻る。
「お疲れ様でした。デウスさん」
「ああ、待たせたな」
「いえ、滅相も御座いません」
「これから昼食に出掛けるぞ」
「はっ‼︎了解しました」
ソーリャとガアードを付き従えて宿の前を掃き掃除している少女にオススメの場所を聞いた。
「そうですね。〈満腹亭〉なら安くボリュームがある料理が食べられます。味はそこそこですね。それかオシャレな店が良ければ少し高いですが〈喫茶ロマネ〉がオススメです。そこのデザートは絶品ですね♪私も一度両親と行きましたがパンケーキがとても美味しかったですよ♪後は……そうですね。味もよく値段もリーズナブルな店なら〈大衆屋〉がオススメです」と色々と物知りなこの少女──名前はマリネ──が教えてくれた。
「お前達はどれが言い?」とデウスは二人に意見を求めたが二人は声を揃えて「「デウスさんがお決めになった場所ならどこでも」」と答えた。
デウスはそんな事を聞きたいのではないんだがな……と思ったが黙っている事にした。
結局は自分が決めなければならないかと思い〈大衆屋〉に行く事に決めた。
マリネには感謝を伝えてお駄賃として銅貨を5枚渡した。
マリネは「ありがとうございます!」と嬉しそうに受け取り何を買おうかな?と嬉しそうに呟いていた。
マリネに教えて貰った〈大衆屋〉を目指しながら道行く人の服装や冒険者の装備を観察しながらデウスはある事を考えていた。
それは倒した冒険者の不要な物をどうするかと思った時にダンジョンを操作するウィンドウに新たに売却ボタンが表示されていたのだ。
それをタッチすると売却するものが選べたのでそれを選択し売却するとDPが少しではあったが得られたのだ。
物の価値により貰えるDPが変化したので価値が高い物程より多くのDPが獲得出来たのでデウスは商会を立ち上げて見るかと考えた。
商品はDPで召喚出来る食べ物や家具などだ。
それが幾らで売れるか試して消費されるDPよりも収益があるようなら本格的に商会を立ち上げて見ようと画策している。
だが商会を立ち上げたとしても誰に任せるかが悩みどころだ。
今の所戦闘に長けた者が中心の構成であるし見た目がちょっとアレなので新たに召喚する必要性があるだろう。
まあ、そんな先の事よりも今は冒険者としての地位を上げて信用を勝ち取ってからにしようかと考えている。
更に商会を立ち上げる目的は他にもある。
商会を大きくしてこの国の市場に介入し市場操作が出来るくらいに地位をあげるのが目的だ。
例えばこの国がデウスのダンジョンを危険と判断して討伐隊を送り込もうと画策した場合その情報をいち早く手に入れる為の他に、その討伐隊が必要とする武器や食料の確保の妨害をして迎え撃つ準備期間の引き伸ばしを目的としている。
まあ、それまでに結構な時間や妨害があるだろう。
何せ既存の商会は面白く思わない為に妨害は予想される。
だが、やらないよりはやった方が断然言いと判断しその為の準備をする必要がある。
その為に冒険者になったのだ。
◆
暫く歩くと〈大衆屋〉に着いた。
昼頃とあり中は混雑しているかと思いきやそれほど人は居なかった。
あまり繁盛して居ないのか?と疑問に思い道行く人に尋ねると訝しげな顔をされたが親切に教えてくれた。
何でも冒険者ならこの時間は依頼を受けて外に出ている事が多く外で食べるのだとか。
それと基本的に朝と夕方しかきちんと食べる人は居なく昼は間食を少しする程度が普通らしい。
だが王都や都市では昼を食べる人も珍しくはないので「あんたは都会の出か?」と聞かれたので山奥に住んでいたのでこの辺の常識には疎いと言っといた。
でこの街ニアサイドで昼をちゃんと食べるのは衛兵などの兵士や大工などの力仕事関係者で冒険者は外で手軽に食べれる携帯食料で済まし、街の中の人々は殆ど食べず偶に間食をする程度らしい。
お礼を言い別れる。
中に入り本日のオススメを3人前頼むとすぐに運ばれて来た。
出て来たのはスープに肉を煮込んだ物だ。
味はマリネに言われた通り美味しかった。
昼食を食べ終わるとデウス達はこの街一番の商会にDPで召喚した物を売却しに向かった。
To be continued......




