文化祭の売上分析2
「分析?」
「そう、分析」
僕らは、文化祭を終えて図書館に集合していた。
他のみんなはテントの片付けやら構内の清掃で忙しくしているらしい。僕は、「おまえ簿記得意だろう」という意味不明なクラスメイトの言葉によって、会計係となってしまった。(僕は、簿記はそこそこできるが、決して会計が得意なわけではない)
余談ではあるが僕は図書館の雰囲気がとても好きである。
図書館はとても静かで、四季がよく楽しめる場所だからである。春は、桜が見え、夏は暑い日差しと緑。そして涼しいクーラー。秋は読書の秋というくらいだから、本がよく似合う。冬は、灯油ストーブの燃える音を聞きながら椅子に座る。僕は特に本を読むわけでは無い。中学生の頃は座ってたり寝てたりしていた。図書館だからと言って必ずしも本を読まなければならないという理由はない。
また、図書館の匂いも好きである。高校生になって気づいたのはあの匂いはカビの匂いであるということ。
本にカビが生えているのだ。
僕は、少しだけカビが好きになった。
「はい、ぼっけとしない」
橋本は僕の頭を叩いた。僕はぼけっとなどしていないのだけれど。
「で、まずは何からするの」
「とりあえず、各野菜の売上高から計算しましょうか」
普通の企業であれば、売上高を把握するやり方は色々あると思う。というか業種によってまちまちだろう。小売業なら、店舗別の売上を集約して計算するだろうし、サービス業ならば、契約書等々の金額によってサービス料金を集計する。建設業ならば……僕は考え始めたらきりが無いことに気がついたのでこの辺りでやめた。
なお、僕らの文化祭でやった八百屋は大変ありがたいことに仕入れた分が全て売れていた。普通の会社であるのならばそんなことは無いと思う。だから、売価に仕入数量を単純にかけただけで売上高を把握することができた。
「橋本、きゅうり一袋が100個売れて、トマトが100個売れて……」
僕は一つ一つ橋本に売上高を報告していった。
「ふーん。結構売れたわね」
橋本は満足そうな顔をしていた。さしずめ、僕は会社の経理係で、彼女はやり手の女社長といったところか。




