表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
25/62

簿記勉強スタイルのメンテナンス

 午前中の合宿を終え、お昼を食べて、三時のおやつ休憩となった。

 先生は、授業をしながらずっと「暑いな!暑いな!」とボヤいていた。この合宿を行っている場所は、海がすぐ近くにあるため、海風で少々冷たいものの、エアコンはない。あるのは扇風機が2台のみである。

 先生は、「アイスを買ってくる!」と息巻いて出て行ってしまった。僕は、たたみの上にゴロンと寝転がって天井を見た。ただただ茶色板が広がっていた。木目というものは面白いもので、たまに人の顔のような形をしている時がある。

 僕が木目で人探しをしていると、先生は勢いよく戻ってきた。

「買ってきたぞ!」

 僕らに、スイカの形をしたアイスバーを配り、先生は高級なクリスピーアイスの封を切っていた。

「先生だけずるい」

 橋本が、不満を述べた。

「ふ、子供は黙っていなさい。君らにこのアイスの味はわかるまい」

「ぶー」

 しかし、やはり僕らはこどもなのか、アイスバーをほおばりながら「おいしい、おいしい」と口を揃えて言いながら食べていた。夏のアイスは何を食べても実際はうまいのだ。

 アイスを食べ終えると先生は「このあとは若干メンテナンス的な作業に入ろう」といった。

「君たちは、どのように勉強をしてるかまずは聞きたいな」

 と先生は言った。そして、席に座っている順で答えて行った。進、鮎川、僕、橋本、桜の順だ。

「仕訳問題を解いて、答え合わせの繰り返し。わからなかったところは、教科書を見る感じです」

「ざっと、教科書見て、仕訳問題の問題と答えをコピーして作ったプリントをひたすらみる感じです」

「僕は、前の二人とほぼ同じなんです。やる気がないときは、ひたすら試算表の上から下を計算していかに早く合計できるかを練習してます」

「わたしは、教科書を今は見てます。直前になると問題を解きまくるという方法です」

「私は……、過去問を解いてます。テキストとかあんま読んだことなくて」

 僕らが一通り述べると、先生は「なるほど……」と言ってしばらく黙りこんだ。しばらくして先生はその口を開いて喋り始めた。

「まず、イチローの電卓練習は面白いな。先生もよくやってたよ。試算表から財務諸表を作成する問題とかの試算表の合計をひたすら計算する。これは、やる気がないときとかに有効だ。そうそう、君たちが情報処理の授業の最初の10分間でタイピングをひたすらやる感覚に似ているな。これで、電卓を左手で打てるようになったな」

 電卓というものは、本来右手用に作成されている。しかし、簿記をやるとなると、打って書いてをスムーズに行うために利き手はペン、反対が電卓という流れになるのだ。左利きの人ならばバッチリとなる。

「あと、今は仕訳が簡単だからなんとかなっているが、1級クラスになってくると仕訳は難しくなってくる。だから、ひたすら解いて答え合わせってなっても中々正解をかけなくて、次第にやる気がなくなってきてします。だから、答えを見ながら問題を解いても全然大丈夫。もちろん、試験直前の模試あたりまでには仕訳をマスターしておかないとダメだけどな」

「簿記は、書く、打つ。が大切だ。ひたすら仕訳は書いて覚える。そして、電卓でそれらを合計して解答する。この繰り返しでしか簿記は上達しない。近道などない。急がば回れでしかないのだ」

 メンテナンス。なるほど。僕らは間違った勉強をしていないかどうかチェックするということだったようだ。しかし先生は、君たちの勉強方法が大きく間違っていないことに安堵したようだった。

「よし、じゃ今日はこの辺でおわり。合宿もあと3日間。ゆっくり休むように!」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ