エッチな自撮りを送るJK
金曜土曜と、メイと一緒に部屋の片付けを済ませて迎えた日曜日の夜。
時刻は22時前。もうじき7月が終わるといったタイミングだ。
「うーむ……しっかし変わったもんだな」
求人サイトで仕事を探しながら、夜食のカップラーメンをすすっていた俺は己の部屋を眺めて思わずそんな独り言をつぶやいた。
たった二日程の掃除に過ぎなかったが、メイがかなり本格的にあれこれやってくれたおかげもあり、見違えるように綺麗になっている。昨日は新しいカーテンやら姿見やら小物やらを買いに行って模様替えも済ませたため、マジで別もんの部屋みたいだ。メイの私物であるちょっとした私服やコスメやオシャレなディフューザーまで置かれていて、マジでもう侵略されそうだぞこれ。
けどまぁ、それが割とイヤではないってのが不思議なところなんだよな。
「あーそういやメイのヤツ、この前はお目当てのかき氷が売り切れでめちゃくちゃがっかりしてたっけな。はは、今度どっかで埋め合わせしてやらないとな」
ふと思い出して笑うのは、俺の部屋を片付けた後で一緒にスーパー銭湯へ行った帰り。
メイに連れられて向かったオシャレなガラス張りのスイーツ店は遅い時間でも女性やカップルに大人気であり、材料がなくなってしまったとのことで、メイが食べたかった商品がことごとく品切れだったのだ。
他のにするかと尋ねたが、メイは「ゼッタイあれじゃなきゃヤダ!」と涙目の決意をしたのでいずれ再訪することにしたわけだ。ちなみにその帰りのスーパーでダッツを3つ選ぶときにはすっかりご機嫌になっていたので俺としては助かった。
そうそう、それにあの後でメイが作ってくれたパスタはどっちも美味かったな。なんでアイツが作ると普段より激ウマになるのか不思議なもんだ。
「……メイのごはんが食べたいな」
思い出したら、急に腹がきゅうと鳴く。目の前のカップラーメンも十分に美味いんだが、記憶の味には敵わない。なにより今日はメイが来ていなかったこともあって、夕食は適当にコンビニのおにぎりとパンで済ませてしまったがよくなかったかもしれない。
──俺はいつの間にかスマホを握っており、メイとのチャットアプリを開いていた。また月曜日にくるというやりとりで終わっている。
「……いやいやいや、こんな時間にJKを呼びつけるとかありえんぞ。一瞬でもそんなこと思っちまうのどうかしてるぞ俺!」
冷静になって己の律する。だが急に食欲の湧いていた腹の音は収まらない。
そんなとき、持っていた俺のスマホがブブブッと震えた。
「わっ!? って、こんな時間にメイからか? なんの用――っちょおっ!?」
画面を見た瞬間、思わず声を上げて凝視してしまう俺。
無言でいきなり送られてきたのは――水着姿のメイの自撮り写真だった!
左手を伸ばして上の方から撮っているのだろう。自室のベッドの上らしき場所で、カメラ目線でウィンクするメイ。
その白い水着はなぜか肩紐が左右どちらもほどけており、右腕だけで水着や胸全体を持ち上げるように支えながら絶妙に隠している。
ちょっと過激なグラビアポーズみたいな姿に息を呑む俺。
わかってはいたがやはり相当に大きかったメイの胸の谷間は白く光を反射し、今にもあれこれ見えてしまいそうな危ういバランスゆえに腕や水着がもう少しズレてくれていたら――とついよろしくない想像をしてしまったとき。
「うおわっ!?」
鳴り響く着信音。今度は写真ではなく電話だった。もちろん相手はメイだ。
ドキンッと跳ねた心臓に手を当て息を整える。
「落ち着け落ち着け……男はクールだ! クールになれ!」
そう自分に言い聞かせ、応答した。
『──あ、おにーさん? ごめんねー今日行けなくてさ。ちゃんと夜ごはん食べた?』
「お、おう。コンビニのおにぎりとパンを少々』
『えーそれだけっ!?』
「いやあと今カップ麺食ってる。夜食的な……」
『んも~あたしがいなきゃそんなのばっかじゃん! せめて野菜くらい一緒に摂ってよね~? あっ野菜ジュース飲んだからおけとか言わないでね。ちゃんとモノで摂取するのが大事なの!』
「ぐぬっ……」
片手に握っていた野菜ジュースのパックを手にうろたえる成人男子。くっ先に言い訳を封じられた!
すると向こうから『ハァ~』とは呆れたような声が聞こえる。
『ホントしょーがないなー。明日は作りいったげるからちゃんと食べなよー。てか今度から、あたしがいないときなに食べたか逐一写真で送ってもらおかな?」
「ジムの個人トレーナーかよ!? さすがに勘弁してくれ謝るから!」
『アハハハ半分冗談! 半分ね?』
「じゃあ半分本気じゃん……で? こんな時間に電話なんて珍しいな。どうしたよ?」
そう尋ねると、向こうで『えへへっ』とご機嫌な声が聞こえた。




