十七話
俺は部屋の中一人で漫画を読む。
こんな炎天下の夏、クーラーの効いた部屋でゴロゴロするというのは最高だ。
窓を開ければ、海も見え、見慣れている光景であれどノスタルジックな雰囲気になる。
ここの地域は恋人の聖地と言っても過言ではないほどにカップルに人気のスポットだ。
まあ俺にはそんなことは良い。
問題は葵だ。
俺は漫画を胸の上に置き、少し考える。
ここ最近連絡を取り合っていない。
好きだ、とかそういうのは置いといて普通に遊びに行こうぐらいは言えんのか俺よ。
自分の意気地なし加減には腹がたつなぁ…。
そんな事を思っていた頃だった。
携帯がけたたましい音を鳴らし、俺に知らせる。
画面を見るとそこに表記されていたのは紅だった。
そういや紅のデートはどうなったんだろうか…。
何だかんだ言ったって紅も黒髪ストレートロング美女、ほかの男が放って置くわけがない。
葵との相性も良いみたいだ。
「もしもし?」
俺は少し躊躇しながらも、紅からの電話に出る。
『もしもし?佐藤くん?』
「はいはい、もしもし?」
『今から貴方の家に行っても良いかしら?』
「あーはいはい…は!?」
『あら?聞こえなかった?今から貴方の家に行って良いかしら?』
「あ、ああ…別に構わんが…」
『分かったわ、貴方の家は葵くんから聞いてるから出迎えは不要よ、じゃ』
ツーと電話の来れる音がする。
は?何で紅が俺の家に?
しかも唐突過ぎて、思わず了承してしまった。
……まあいいか、どうせ暇だったしな。
しかし、一体何の話だろうか。
紅が家に来て話したい事…。
その時俺は気づいてしまった。
これは、葵と恋仲になるために協力してくれとかいう類だろうか。
ああ、絶対にそうだ。
しかしその話は俺の予想は外れ、予想外の事を言われた。
「佐藤くん、私の彼氏になりなさい」
……はああああ!?
すいません、すごい長い時間空けてしまいました。
この話を楽しく待っていた方々にお詫び申し上げます(果たしてそんな人たちがいるのだろうか)
徐々に進めて行きますのでご了承ください。
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