第二十四話 大魔王軍、軍師を得て羽ばたく
「はい、状況が整理できました」
邪神のいうとおり死ななかった。
友しか切れないってことは、友達じゃなかったんだな。
ちょっと寂しいけど、いつも通りのことだ。
「つまり、正妻の地位は確定しているってことです」
死ななくて、そしたらノンちゃんとリリちゃん達の戦いが始まった。
止めようと思ったんだけど、勇者兼魔王のノンちゃんは、かなり強いみたいで、ちょうど1対4で互角だった。
「私達は心臓をもらいましたけど、それだけです。ノンちゃんは口移しで貰った特別な存在です」
その間、王女兼聖女兼痴女は忙しく働いていた。
大勢いた神官とか取り巻き女子達を避難させて、ノンちゃん達の争いの被害が出ないように結界みたいなのを張ってた。
それで、ノンちゃん達の争いが膠着状態になった所で、仕切りだした。
「恋人、正妻の地位を約束されているのはノンちゃんだけで、他の魔王は愛人でも側室でもありません。ただの部下です」
魔王兼聖女になってから、マトモになったんだろうか。それとも、元々、悪女だったから大魔王軍幹部として相応しい人材になっただけだろうか。
みんな反論せずに黙って聞いてるから、大魔王軍参謀といったところかな。
「もちろん、将来にわたって固定された立場というわけではありませんが」
途端に雰囲気が変わった。
なぜか、ノンちゃんに膝枕されて、やさしく髪を手櫛で梳かれていたのだけど、ブチブチって何本か毛が引っこ抜かれた。
ずっと「「「「ギギギギ」」」」ってリリちゃん達の歯ぎしりの音が聞こえていたのだけど、ピタリと静かになった。
何か言った方がよさそうな気がした。
「大魔王軍参謀に任命するから、とりあえず、これから、何をしたらいいか、考えがあったら言って」
「はっ。善神と名乗ってはいますが、所詮は植民地主義のハゲタカどもです。搾り取れるだけ搾り取って、コストカットばかりの焼き畑農業です。まずは善政をしくとともに、邪神教の布教を通じて、奴らの霊格を弱めることを提案します。奴らは損切りと称して撤退するでしょう」
いや、そういうことじゃなくて、この膝枕とか、皆の歯ぎしりとかの解決策が聞きたいの。
「この方針を既定路線として、大魔王国を盤石なものにするため、お世継ぎ問題についても御英慮を願いたく」
みんなの目がギラギラしてる。
命が幾つあっても足りそうにない。
何も言ってこないけど、邪神がニヤニヤしながら見てるのが分かる。
あとがき
もう書くつもりは無かったんですけど、前作、意外と読んでくださる方がいらっしゃって。
万が一にも誰かの目にとまって、億が一にも誰かの記憶に残ったなら。
それは、とても幸せなことだと思って。
いや、どうか、自分のことなど忘れ去って欲しいと思う人生だったのですけれど。
それでも未練というものが、あるのですね。




