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ひととま  作者: 珈琲
第一章
14/104

13

そういば、ノアいつ来るんだっけ?


はっ と目を覚ましたら真っ白な天井が見えた。

電気が眩しい。


「あれ?」


「目が覚めたか!よかった!!!」

「よかった〜!!」


横にいたお母さんに抱きしめられる。

「お母さん、結構痛いよ…痺れるよ……」

「あっごめんね。つい……」


窓の外は真っ暗。雪がまた降っていた。


「ちょっと呼んでくるね!」

母ユウカは急いで部屋をでた。

「ノア!ハルが起きたよ!」


「まじ!?よかったー!」

病院の廊下、長椅子に座っていたノアが急いで部屋に入って来た。


「ハル!!よかったーー!」


お布団ごと抱きしめられるハル。


「痛い痛い!…ノア助けてくれたの?」


「うん。副団長と。ハル一人で頑張ったね。公園の子達もみんな無事だよ」


頭を撫でられた。


ーーー


同日の昼過ぎ、第四騎士団の第一班が街に到着。

神殿のある山の麓まで行く途中のことだった。


団長たちも一瞬の気配に気づいた。

「……」


「何かあったな。気づいた奴だけでいい。向かってくれ」

団長が副団長に指示をだした。


十五人程で駆けつけ、

公園の中心部に土属性で作られた円柱の結界が視界に入って来た。


「結界か。……おいおい、これは見事だなぁ。ヒビひとつないし、遮断率も完璧じゃん」

コンコン、と叩く。


右手を当て解除しようとするも無反応。

「あれ?」

「すみません、心当たりあるので俺いいですか?」

同行していたノアが一言。


無茶はしないでくれよー……


大剣を地面と結界の間に差し込み、ぐいっと隙間を作った瞬間。


シャボン玉が弾けるように、結界が消失した。


ハルが岩を魔法で飛ばしまくったあと、倒れ込んだのが見えた。魔物は今にもハルに飛びかかろうとしていた…が。真っ黒な目玉がこっちを見て動きを止めた。



「なんだあれ…」

「見たことないよ…」

団員達も、初めて見る魔物に戸惑っていた。


魔物からは禍々しいオーラが見える。


「新人は下がってろ。やれる奴だけ行くぞ」

鞘から引き抜いた細い剣は、炎を纏っていた。

副団長が先陣を切って魔物に切り掛かる。


ガキィィィィィン!!


重い高音が辺りに響いた。

耳が痛い。バランスを崩しそうになった。

「コイツすげぇ固え!」


咄嗟に後ろに飛び、魔物の反撃をかわす。



魔物は皆に任せて、ノアは急いでハルの元へ。


「ハル、しっかりしろ!」

鞄から出した回復薬をじゃぶじゃぶかけて、止血をする。


ノアの後方では先輩の団員たちが戦っているが、いかんせん魔物の動きが早い。

鋭い爪で切付け、縦横無尽に駆け回る。

今年入団した新人達は目で追うこともできず、

どんどん後退していく。


副団長はさすがだ。全て見切って剣で受け流し、攻撃の機会を狙っている。



「ちゃんと処理しておくからね」

そうハルに告げ、

「副団長、俺が殺りますよ」


「ん?」

あ、怒ってる?

とノアを見て思った副団長。


ノアは大剣にバチバチと雷を纏わせていた。

離れた場所にいる副団長もピリピリ感じるくらいに。


地面を一気に踏み切り、魔物を正面から突き刺し、そのまま地面に叩きつけ、内部から感電させた。一瞬の出来事だった。


魔物は黒焦げになって、固い外皮だけが残った。



「ノアだっけ。お前やるな。結構びっくりしたんだけど」

「すみません。目は良い方なんです。」

「まぁそういう話しじゃないんだけどな。まぁいいや。知り合いなら病院連れてってやれよ。お前らは回復薬飲んだら戻るぞ」


「はい」


「じゃあノア、落ち着いたら麓に来いよ」

「承知しました」


ーーー


「て、かんじ」


団長に報告する副団長。


「ノアの件だけどさ。まだ入団して一年も経っていなくて。それなのに単独で討伐。期待できそうですね」


「そうか。なかなか筋のある奴来たんだな。手合わせでもしてみたいね」


「あと、下っ端が噴水の裏手に召喚用の魔法陣見つけてさ。『ストーンシャドウ』って描かれてて」


「誰かが仕掛けたって事か…この国に居ない魔物だな」

団長は顎に手を当て、考えこむ。


「目的も犯人もまだわかんねぇけど、早くに捕まえたいとこだね。野放しはまずいですからね」


「調査班は?」

団長が聞く。


「一班でしてるよ。今の所手がかりは無さそうだけど」


だいたい各班五十人居ないくらい。四班まである。


間違い多いですね。

文字数増えました。

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