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そういば、ノアいつ来るんだっけ?
はっ と目を覚ましたら真っ白な天井が見えた。
電気が眩しい。
「あれ?」
「目が覚めたか!よかった!!!」
「よかった〜!!」
横にいたお母さんに抱きしめられる。
「お母さん、結構痛いよ…痺れるよ……」
「あっごめんね。つい……」
窓の外は真っ暗。雪がまた降っていた。
「ちょっと呼んでくるね!」
母ユウカは急いで部屋をでた。
「ノア!ハルが起きたよ!」
「まじ!?よかったー!」
病院の廊下、長椅子に座っていたノアが急いで部屋に入って来た。
「ハル!!よかったーー!」
お布団ごと抱きしめられるハル。
「痛い痛い!…ノア助けてくれたの?」
「うん。副団長と。ハル一人で頑張ったね。公園の子達もみんな無事だよ」
頭を撫でられた。
ーーー
同日の昼過ぎ、第四騎士団の第一班が街に到着。
神殿のある山の麓まで行く途中のことだった。
団長たちも一瞬の気配に気づいた。
「……」
「何かあったな。気づいた奴だけでいい。向かってくれ」
団長が副団長に指示をだした。
十五人程で駆けつけ、
公園の中心部に土属性で作られた円柱の結界が視界に入って来た。
「結界か。……おいおい、これは見事だなぁ。ヒビひとつないし、遮断率も完璧じゃん」
コンコン、と叩く。
右手を当て解除しようとするも無反応。
「あれ?」
「すみません、心当たりあるので俺いいですか?」
同行していたノアが一言。
無茶はしないでくれよー……
大剣を地面と結界の間に差し込み、ぐいっと隙間を作った瞬間。
シャボン玉が弾けるように、結界が消失した。
ハルが岩を魔法で飛ばしまくったあと、倒れ込んだのが見えた。魔物は今にもハルに飛びかかろうとしていた…が。真っ黒な目玉がこっちを見て動きを止めた。
「なんだあれ…」
「見たことないよ…」
団員達も、初めて見る魔物に戸惑っていた。
魔物からは禍々しいオーラが見える。
「新人は下がってろ。やれる奴だけ行くぞ」
鞘から引き抜いた細い剣は、炎を纏っていた。
副団長が先陣を切って魔物に切り掛かる。
ガキィィィィィン!!
重い高音が辺りに響いた。
耳が痛い。バランスを崩しそうになった。
「コイツすげぇ固え!」
咄嗟に後ろに飛び、魔物の反撃をかわす。
魔物は皆に任せて、ノアは急いでハルの元へ。
「ハル、しっかりしろ!」
鞄から出した回復薬をじゃぶじゃぶかけて、止血をする。
ノアの後方では先輩の団員たちが戦っているが、いかんせん魔物の動きが早い。
鋭い爪で切付け、縦横無尽に駆け回る。
今年入団した新人達は目で追うこともできず、
どんどん後退していく。
副団長はさすがだ。全て見切って剣で受け流し、攻撃の機会を狙っている。
「ちゃんと処理しておくからね」
そうハルに告げ、
「副団長、俺が殺りますよ」
「ん?」
あ、怒ってる?
とノアを見て思った副団長。
ノアは大剣にバチバチと雷を纏わせていた。
離れた場所にいる副団長もピリピリ感じるくらいに。
地面を一気に踏み切り、魔物を正面から突き刺し、そのまま地面に叩きつけ、内部から感電させた。一瞬の出来事だった。
魔物は黒焦げになって、固い外皮だけが残った。
「ノアだっけ。お前やるな。結構びっくりしたんだけど」
「すみません。目は良い方なんです。」
「まぁそういう話しじゃないんだけどな。まぁいいや。知り合いなら病院連れてってやれよ。お前らは回復薬飲んだら戻るぞ」
「はい」
「じゃあノア、落ち着いたら麓に来いよ」
「承知しました」
ーーー
「て、かんじ」
団長に報告する副団長。
「ノアの件だけどさ。まだ入団して一年も経っていなくて。それなのに単独で討伐。期待できそうですね」
「そうか。なかなか筋のある奴来たんだな。手合わせでもしてみたいね」
「あと、下っ端が噴水の裏手に召喚用の魔法陣見つけてさ。『ストーンシャドウ』って描かれてて」
「誰かが仕掛けたって事か…この国に居ない魔物だな」
団長は顎に手を当て、考えこむ。
「目的も犯人もまだわかんねぇけど、早くに捕まえたいとこだね。野放しはまずいですからね」
「調査班は?」
団長が聞く。
「一班でしてるよ。今の所手がかりは無さそうだけど」
だいたい各班五十人居ないくらい。四班まである。
間違い多いですね。
文字数増えました。




