表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
やがて君を魔女にする  〜異能ゼロの俺、最弱魔法少女を世界最強に育てる〜  作者: 蒼久保 龍
一部 世界最弱の魔法少女、夢を賭けた一戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/160

2話 水魔法で魔女狩り撃退

【前エピソードのあらすじ】

 フィナという水の魔法使いを狙い、拳銃を持った男が現れる。

 彼女と共に、その場を切り抜けるため、俺はフィナに魔法のサイズを大きくして使うよう指示を出した。


 俺が飲み込まれた水の塊は、道端いっぱい、人間2人を飲み込むほどサイズが大きくなっても水流が強かった。


 そのため、さっきから俺の身体はグルグルと水中で回転していて、大変気持ち悪い。


 アロハシャツの男は拳銃の引き金を引いているが、それは意味をなさない。


 そして、50秒くらい経った後、突如、水の塊が消え、俺は地面へ落下する。


 俺は落下時に受け身をとったが、彼は気を失っているのか、地面に叩きつけられていた。


 地面で俺が咳き込んでいると、フィナは遠くから俺に声をかけてくる。


「言われた通りにやったけど、大丈夫!?」


 全身濡れた俺は咳き込みながら、まず敵を確認する。

 彼は全く動かない。

 おそらく水を飲みすぎて気絶をしているのだろう。


 彼が持っていた拳銃は、俺とフィナの近くまで飛ばされ、地面に転がっていた。


「ああ。魔法で作られた水が本物なのか、中に入って確かめてみたかったし」


 しかし、さっきフィナの師匠は、フィナへ魔法を使えなくなる罰を与えたと言っていた。

 明らかに矛盾するが……。


「えー……魔法の中に突っ込みたいなんて、変わってるね」


 地面に倒れた彼女はドン引きしたような目で俺を見ていたが、すぐににっこりと笑顔に変わる。


「でも! とにかく! すごい、すごいよ! 貴方が走って突っ込んだ時はどうなるかと思ったけど!」


 俺はそんな彼女の様子を見てほっと息をつく。

 

 そして、立ち上がり、彼女の方へ近づいた。

 すると、フィナの笑顔はすぐに物憂げな表情に変わる。

 どうやら、さっきの笑顔は作り笑いだったらしい。


 彼女は地面を見つめながら、ポツリと言う。


「その、ごめん。泣いてる場合じゃなかったのに」


 が、そんな彼女に対し、俺は率直に言った。


「魔女狩り1人には、勝てたな」


 フィナはきょとんと俺の目を見た。

 が、すぐに視線を逸らす。


「それはあなたが機転を利かせてくれたからで、私は何も……」


「いや、魔法が手段だとすれば、大事なのは使い方と使うタイミングだから、勝因はフィナの魔法の大きさ。まさかあんなにサイズが大きいとは思わなかった。ありがとう」


 正直にそう言うと、フィナは「え?」と言って俺の顔を見上げる。

 そんな彼女の戸惑う視線をまっすぐ見て俺は言う。


「少なくとも、一人の魔女狩り? を倒すことができる魔法だった、ということだろ。誇って良いんじゃないか? 魔法のことは何も分からーー」


 そう言いかけた言葉を止める。

 何故なら、目の前のフィナが目を丸くして、俺を見つめていたから。


 快晴の空から照らされる光で、まるで川のせせらぎに光が反射した時のように、彼女の瞳は輝いた。


 そして、その瞳に俺の姿が映って、数秒後。

 彼女はぽつりと言った。



「生まれて初めて、魔法を褒めてもらえた……」



 その瞳にうるうると涙がたまっていく。


「ありがとう! ありがとうー! 同期の誰からも、絶対、魔女狩り一人にだって勝てないって言われてたのに! あなたのおかげで勝てちゃった! すごい! 天才!」


 俺は濡れた身体で彼女をもう一度背負うと、彼女はぽつりと言う。


「それに、良かった……。私のせいであなたが怪我をしなくて」


 それから、数秒の間、彼女は俺の肩に顔をあてた。

 本当にせわしないが、嫌いじゃないな。


 と、フィナは俺の背中の上でゆっくりと顔を上げ尋ねてくる。


「ちなみに、どうして大きくしようって思ったの?」


「ん?」


「私の水流衝撃波のこと! まさかサイズを大きくして巻き込むように使うなんて思いつかなかった!」


「フィナは水流衝撃波をどんな魔法だと思ってる?」


「えっと、その、友達に衝撃魔法を使う人がいたから――、その人みたいに物をぶつけて衝撃を与える魔法だと思ってた!」


「俺は、初めて水流衝撃波と言う単語を聞いて、その魔法を見た時、水流のエネルギーを活かすのかなと思ったんだ」


「あのー……。えと、どう言う意味?」


「小さな球を見た時、水流の強さが特徴だと思った。だから、大きくなるなら大きくして巻き込んだ方が、当たった時に目を回すし逃げ出せないだろ」


「なっ!?」


 フィナはそう言うと、俺の背中の上で固まった。


「それに、あの水の中だと狙って撃つなんてできないだろ」


 俺が突っ込んだのは、フィナを殺させないためのリスクヘッジ。


 沈黙していた彼女はポツリと言う。


「天才じゃん」


 すっかり涙が止まったらしいフィナは呟くようにそう言うが、すぐに自分へツッコミを入れる。


「あの一瞬で!? ていうか私、速度を上げるための練習しかしてないんですけど!」


 さらに続けて言う。


「って! まずそもそも何でそんなに魔法を詳しいの!?」


「さあ」


 彼女は面白いくらい、忙しい魔法使いだ。


 そんな、彼女と出会ったのはつい1時間ほど前の話。


 その落ちこぼれ魔法使いは、この福岡の地に、空から落ちてきた。

ここまで読んでくださりありがとうございます。

フィナを応援したい! と思っていただけたら、ブックマークして続きを追っていただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ