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The Creation of Witchcraft Online(魔術創造)-最強魔術師への道-  作者: える
第一章 魔術の深淵を覗く時
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ユーゴヘイム

生きてます。

少しずつ再開していきます。

 【ベルドゥーガ】は縦に広い……。

 戻ってきたはいいが、クラリネ達がどこにいるのかが分からない。さっきはクラリネのマーキング魔術のおかげで見つけることができたが、ひとりで見つけるのは厳しそうだ。2人と別れるのは得策じゃなかったなぁ。


 PP(移動式床)に乗ってしばらく探してみたが見つからなかったので一旦捜索を中断する。どうせなら【ベルドゥーガ】の街を散策しながら探そう。もし今がストーリークエストの延長上ならば、NPCが何か知っている可能性もある。

 先ほどは追いかけっこ優先でしっかりと街を見れていなかったが、やはり技術の国【アースタシア】の街のひとつ、この壁の中全体に技術が詰まっている印象がある。壁やPPの素材は何だろうか……特別な鉱物のような気もする。紺色……いや、深い緑色の素材にマナジーと思われる光の線が走っている。そういえばスキエンティア魔術大学で闘ったゴーレムも同じような感じだったな。この素材自体も【アースタシア】の技術の一部ということか。

 ゴーレム戦の時のことを思い出し、眼にマナジーを集中させて【魔力視野】を発動する。ゴーレムと闘っていた時は【魔力感知】というスキルだったが、【魔力視野】というスキルに進化したようで以前よりも細かな魔力感知が行える。【魔力視野】を発動させて壁やPPの側面を見てみると、先ほどよりも光って見える。しっかりマナジーが見えているということだろう。離れているとぼんやりと壁全体が光っているように見えていたが、近づいてみると違うものが見えてきた。


「これは……魔法陣か?」


 壁の側面には何やら俺には読むことができない難しい文字(記号?)のようなものがびっしりと記されており、その文字の並びによって模様が描かれている。漫画や小説なんかで見たことがあるような魔法陣とイメージ的には似ているが、ここの魔法陣は“文字だけ”で描かれている。よく画像などで見るような、直線や円を組み合わせて描かれているものではなく、その直線や円の部分も文字によって描かれているといえば伝わるだろうか。そんな魔法陣が【ベルドゥーガ】の壁全体にびっしりと描かれているのだから感嘆ものだ……。


「美しいだろう。」


 不意に横から声をかけられた。

 見ると、濃紺のスーツのような服を身にまとった老人が立っていた。ロマンスグレーの髪をオールバックにして、銀縁の眼鏡をかけている。おじいさん、というより“おじさま”といった感じだ。品のある風貌だが、どこかの執事とかだろうか……。


「はい、【アースタシア】には今日初めて来たので、この壁に見とれてしまって……とても美しいです。これは魔法陣ですか?」


「そうか、儂はこの国で何十年と生きているが、いやはやこの壁は何度見てもため息が出るほど美しい。其方の言う通り、これは魔法陣。厳密に云えば“魔術陣”と呼ばれるものだが……まぁ、些末な違いだ。」


 老人は酔いしれるように壁の模様を眺めながら語る。しかし“魔術陣”か。ここでも魔術と魔法は分けられているのか。つまり、魔術陣とは別に魔法陣と呼ばれるものも厳密には存在しているということ。


「ふむ、其方はスキエンティアの者だな。」


「なっ!?」


 突然断定されたことで戸惑いを隠せない。まだ少ししか話していないのに何故分かったんだ。そんな俺の驚きを意に介せず、老人は笑っている。


「顔に出やすいタイプか? そんなことでは隠し事はできないぞ。【アースタシア】に初めて来た、しかも初めて来た都市が【ベルドゥーガ】ということは、【ウィズダム】の首都【ソフィリア】から来たと考えるのが妥当だ。そして、【アースタシア】出身の者でもないのに、この美しい魔術陣を鮮明に見ることができるのであれば、スキエンティア魔術大学の魔術師である可能性が一番高い。……もちろん、100%確信があった訳ではないが、其方の反応を見るに正解のようだな。」


 確かに顔には出やすいタイプだが……なんだか悔しい。


「お見事です。スキエンティア魔術大学 新入生のダニエルです。……あなたは?」


「儂はユーゴヘイム。【アースタシア】の技術に魅せられた、しがないジジイだ。」


 ユーゴヘイムと名乗った老人は、“しがないジジイ”と自分では言っているが、只者じゃない感がすごい……。【アースタシア】の有名な技術者とか、実は貴族でしたみたいなパターンだったりしてな。


「それにしても、今日はスキエンティアからの来客が多い気がするな。」


「……そうだ。ユーゴヘイムさん、二人組の子どもを見ませんでしたか? 銀色の髪の少女と、黒髪の少年なんですが。」


「あぁ……そういえば元気な二人組が言い争いしているのを見たな。」


「そっ!! それはどこで!?」


「確か、あっちの方向だったかな?」


 ユーゴヘイムさんは、そう言いながら斜め上の方を指さした。つい何時間前かにPPを飛び移って少年を追いかけていたのを思い出す。


 また、追いかけっこか……?


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