反抗期
体調を崩しておりますので、短い1話を投稿します。
「ご苦労であった。」
エイドスさんの手には、先ほどアストラから取り返した魔術書が握られている。
「して……クラリネはどうした?」
「えと、アストラと一緒に【アースタシア】に残りました。」
「はぁ……余計なことはせずにまっすぐ帰ってくるようにと言っておいたのに。グレゴリ、【アースタシア】へ行って2人を連れ戻してこい。君たちは下がっていいぞ。」
「はっ。」
エイドスさんは近くにいた漆黒のローブを着た男に声をかけた。男はすぐに大聖堂を出ていった。
「あの、今回の魔術書盗難の件、エイドスさんは全部わかっていたんですか?」
エイドスさんが俺たちの方をちらりと見る。
「もちろん分かっていたよ。【英知の樹】から魔術書を盗み出せるのはアストラしかいない。」
「じゃあ、なんで俺たちに頼んだんですか?」
「ふむ、疑問に持つのも無理はないか。確証が持てない部分があるから全ては話せないのだが……アストラと、クラリネは数年前から私が教養や勉強を教えていてな、彼らのことはよく分かっている……つもりだったんだが、数か月前からアストラの様子が少しおかしいのだ。」
「おかしい……ですか?」
「今回の件を含めて、もう何度も魔術書を勝手に持ち出している。それに、毎週行っていた勉強にも最近はほとんど参加しなくなってな。……なに、早く訪れた反抗期であるならば心配はしないんだがな。どうもきな臭い雰囲気がしていてな。だが、今回【アースタシア】でアストラを見つけた時もひとりで逃げ回っておったのだろう? やはり私の思い過ごしかもしれん。」
エイドスさんが本当はもっと詳しく知っていて、隠している可能性もあるし、俺たちと同じように疑問符を浮かべている最中なのかもしれないが、結局アストラの行動が最近不審だということだけしか知ることはできなかった。エイドスさんはそれ以上語らず、今回の件の礼だけ述べて去って行ってしまった。
「なんだか、ただのおつかいクエストみたいな感じだったねぇ~。拍子抜けしちゃった。」
「まあでも、アストラ君が無事でよかったじゃないですか。」
結局、これ以上一緒に行動する理由もなくなり、パーティは解散することになった。フレンド登録をして、また何かあったら連絡を取り合うことを約束して別れた。
ほどなくして俺は【ベルドゥーガ】に戻ってきた。
アストラとクラリネがまだスキエンティア魔術大学へは帰ってきてないのが気になった。
それと、ストーリークエストが終了したアナウンスはまだ鳴っていないことに気づいたのだ。
元気になったら投稿再開します。今週中に復活できるように頑張ります。




