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金ちゃんカッコイイ! 俺の相棒は高校デビュー  作者: 八神 月影


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24 転校生

 三日後。

 

 セーラー服を着たナナが俺達のクラスに入って来た………。


 俺達の視線は生暖かいものでも、哀れむものでもなく、ただ静に見ているだけだった。

 三美ちゃんは………大人っぽいナナに目を輝かせていた………が、ナナはそんな三美ちゃんには目もくれなかった。


 皆は………ピリピリしている………所か、ニコニコしている。やっぱり、男や元・敵でも女の子なら嬉しいんだろうな。

「じゃあ、席は椿ちゃんの隣ね」

 友達に成りたい………付き合うでもいい………そうか、ナナはもう1人だもんな。仲間に裏切られて………コイツはきっと淋しいんだもんな。


 俺は………ナナの前に立った。


「ナナ、ちっと話がある」

「………うん。金ちゃん」

 暗い顔を無理に明るくしてナナは言った。傷ついた素振りも見せずに。胸が痛むぜ。

 そんな俺達の前に山田と田代、そして丸が立ちはだかった?

「んだ?ゴラッ?」

 3人は俺に………頭を下げる!?

「金ちゃん、山田達に綺麗な女子を見せて下さい!」

「女子じゃ~………どうか、御代官様お見逃しを~」

「モテない自分達は、美しい女性を見る権利があると思われます!どうか、お願いします!ケンカは無しで!」

 言って、3人は最後には土下座していた!皆も………頭を下げていた。

 俺は軽く笑って、ノートを丸めると3人の頭を軽く叩いた。

「ばーか。そんなんじゃねぇよ。ただ、ちっとナナと話がしてぇんだよ」

 そんな俺の前に椿が立った。

「金ちゃん、説明は私がする!私が原因だから………皆、本当にごめん!」

 皆に頭を下げる椿………。そんな椿の頭を軽く撫でると、俺は笑った。

「なら、椿も来てくれ。………銀次、お前もな」

「ん~、金ちゃんの御指名なら行こうかな❤」

「カワイイ奴だな。銀次も皆も」


 俺達は屋上に向かった………。


 ❤❤❤


 今日は青空だな。

 こんな日は屋上で昼寝でもしたいぜ。

「それで、椿は何が言いたい?」

「金ちゃん、ナナは……1人なんだ」

 俺はナナを見た。

「だから、ナナは椿に近づいたのか?」

 頷くナナの肩は少し小さく感じた。

「転校して………酷いイジメを受けていたから、そこで自分を変えようとしていたんだ」

「そんで、行き着いた先が女の子なのか?」

「ううん。その………女の子に憧れていて、子供の時から女装とかしていたんだ。だから………ナナの事はイヤになったろ?」

 俺は笑っていたよ。

「銀次なんか子供の時から女装していたぞ。銀次、そうだろ?」

「うん。そうだよ」

 ナナは驚いていた………と言うよりも、どこか嬉しそうだった。

「えっ!?………その、そうなのか?」

 銀次はナナに何度も頷く。そんな銀次に椿が同意して話を続ける。

「だって、銀ちゃんは元から美形だったし、私でも銀ちゃんが女の子を似合うと思っていたよ」

「椿………金ちゃん?」

 何かを求めるように俺を見るナナ。そん時、俺は頷く。

「ナナ………自由で居ろよ。迷惑を掛けなきゃ、誰もが自由なんだからよ。後は責任だけを忘れんなよ、ハハハッ」

 俺の言葉にナナはしゃがんで泣いていた。

「そんな………こんなに苦しんだのに。イジメを生き抜いて強くなったのに………女の子になって変わったのに………」

 泣いているナナに俺達は笑みを向けていた。

「椿、友達なんだろ?今は少なくとも、そう思っているんだろ?」

「普通にしていてくれれば私は友達だと思っても良いと思っているよ。今は。でも………」

 椿は俺を見た?

 そんな事か………俺は椿の頭を撫でてやった。

「こんなちっぽけな世界で、敵だの味方だので別れる理由なんかねぇだろーよ。銀次、そうだろ?」

「そうだよ。男だろうが女だろうが関係無いよ。ねっ、金ちゃん❤」

 銀次はナナを立たせながら言ってやった。やっぱり銀次らしいな。

 俺は椿に向き直る。

「椿、友達で居てやれよ。冴も苺も、別にナナを嫌がっているって訳じゃないんだろ?」

「うん。金ちゃん………ありがとう!」

「椿、俺は何もしてねぇよ。………て、言いたいが、俺達はタイマンをしたんだ。だから、俺とナナは仲間で友達(ダチ)だぜ。そうだろ?」

 ナナは嬉しそうに笑っていた。コレで良いだろう。

「金ちゃん、何か嬉しそうだね」

 銀次は俺の顔を覗き込む。

「確か、銀次は………お前は嫉妬していたんじゃねぇの?」


 言うと、銀次は俺の腕に絡んできた。相変わらず、大きな胸だよな。


「嫉妬させる金ちゃんが悪いんだよ❤」

 イタズラな笑みを浮かべる銀次に、俺は軽く笑っていた。きっと、銀次は仲間が出来た事が嬉しいんだろうな。


「よう!モテモテだな、金次」


 屋上の上………給水塔の上から1人の男が姿を表した。

 2年の………名前は知らんが、皆が「マーチン」と呼ぶ、実質この高校を二分するチームの番を張る男が姿を見せていた。

「マーチン先輩よ~、何か文句あんのかよ?」

「いや、別に。ただ、三山から金次達をシメてくれって昨日頼まれてよ~」

「へ~、出来んのかい?」

「ああ。出来るぜ。試すか?」

 

 言って、マーチンは降りてきた。


 ヤンキー………そんな感じに髪を染め、改造した制服を着ている。そんな奴に俺は言う。

「タイマンすっか?」

「いいぜ………と、言いたい所だが。この場所ではやらん。今はクラスに戻れよ」


 俺は………確かにな。


「皆、行くぞ」

 俺達はその場を離れていく………。マーチン………何を考えている?


 俺達はクラスに帰って行った………。


  ❤❤❤


 クラスに戻ると、冴と苺が近づいて来た。

「椿、大丈夫なの?」

「あーし、金ちゃんに………」

 苺と冴がすまなそうな顔を浮かべていた。きっと、知っていたんだろうな。

「心配すんな。ナナは仲間だかんよ。俺とタイマン張って立っていられるのは、銀次と小太郎、そしてナナだ………仲間なんだよ」

「「金ちゃん………❤」」

 苺と冴は嬉しそうだな。

 三美ちゃん以外は………教科書を持って泣いてんよ。本当に面白い連中だな。

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