20 全員集合!
俺達は海沿いまで来たが………やっぱり春ではまだ寒いな。
そして………倉庫の前に止まった。
倉庫の中ではドラム缶でたき火をしている連中が居た………が、その間を縫って三郎が出て来た。
「京極、タイマン張るか?」
「いいぜ!来いよ!」
皆には悪いが、団体戦はしなくて良い。それが無理ならっと思っていたが、どうやらタイマンを張るだけの根性はあるようだな。いや、田代の話しでは京極は他の奴等から疎まれているらしい。でも、理由は知らない。つまり、タイマンが終わった後に他の奴等は襲撃してくるはずだ。
俺は単車を降りて、1人で倉庫の中に入って行く………。
「派手な制服だな?それに、昭和だよ」
「誇りだよ。お前はロカビリーだな」
革ジャンにロング・スカート………どっちが昭和だよ?
「金次、来いよ」
俺は目の前に立ち………ゴングの音など無い中で拳を振るった!
―――バンっ!
俺の拳が京極の顔にヒットした……タイマンか………今度は京極のパンチを俺が受けなとな。
「いいね~❤その瞳❤ナナはゾクゾクするよ❤」
そして、俺達は殴り合っていた………もちろん、三郎の顔を余り狙わない様にして。だから甘ちゃんなんだろうが、女みてぇな顔を殴る気にはならん。
せっかく綺麗にした顔を………俺なんかと違うのに殴れねぇよ。
やっぱり、銀次の事があるのかな?
………だが、三郎は………ナナは認めるが、それとは反面、銀次の様には強くなかった。
パンチも弱いし、何か無理な表情を見ていると………後が無さそうだな。
やっぱり、力で成り上がったらしいが………周りの奴は………70人は居そうな連中はニタニタしている。つまり、負ければ………コイツは用済みなんだよな。
俺達と違って、仲間じゃないから。
皆の為に身体を張っているのに、裏がアリアリで気味悪い。
そして、何度も殴り合いを続ける中、裏で動きがあった。何かを話し合っている。
そして、俺は最後の拳を京極に叩き込んだ………倒れそうになる京極は踏ん張った!?
でも………俺は………いや、条件を出して帰ろう。これ以上は首を突っ込む必要は無いしな。
「もらったー!!」
やっぱり京極は裏切られる運命なのか。そう思う前に、俺は京極を狙う鉄パイプを腕で防いで、京極を守った!
「裏切りか?」
「デケェ顔をしてんじゃねぇぞ!何がタイマンだよ!この昭和野郎!」
もう一度、京極の手下は鉄パイプを振り上げて、京極と俺を狙った!!
だが、ソイツを3人の男が殴った。
「ヘッ!お前ら、俺はまだいけるぜ」
丸も田代も山田も頭にきていたみたいだな。俺は軽口を叩くが、腕を痛めちまった様だな。
「金ちゃん、自分はコイツらを許す気にはなれないと思います!!!」
「皆殺しでおじゃるよ!切腹ー!!」
「山田は頭にきているスよ!金ちゃんは下がってくんさい!」
言って………いや、皆が突っ込む!?
まだ、裏がありそうなのに、いま動いたら意味なくねぇ?まあ、コイツらに何を言っても無駄。血の気が多い分、情に熱く仲間思い。止めるのは野暮ってもんだろうな。
乱闘が始まった………。
その中、ボロボロの京極が俺の腕の中で睨んでいる。
「金次………何で庇った?」
「話しは聞いているよ。お前は俺の学校に転校してくるし、女になったお前はバカにされていた………いや、崇められなくなった。それは………確証は無いが、俺の学校の者が裏で手を回しているのも知っている。お前は用済みなんだろ?」
「何で顔を殴んなかった!そうすれば、お前ならあたしの事なんか一撃だろ!?」
「お前の顔………」
俺は京極を見た。
「そんなに綺麗なのに傷を残したくなかったんだよ」
「………金ちゃん❤❤❤」
ん?なんかコイツ顔が風邪でも引いたみたいに赤いぞ?
「なあ、京極?大丈夫か?」
「ナナって呼んで………ポッ❤❤❤」
ウルウルしている………そうだよな。仲間に裏切られたんだもんな。
「ああ!タイマンを張った奴は友達だ。何時でもお前の味方だぜ、ナナ!」
ウルウルしているナナ………。
「………ヘッ!泣くんじゃねえよ。カワイイ所あんじゃねぇか」
「金ちゃん❤………素敵………❤❤❤」
えっ?なんか………違うぞ!?
銀次みたいな目になっているんですけどー!!!
お、俺は………とりあえず、京極を座らせたまま、近場の敵を殴った!!
じゃないと………俺は三郎に惚れられる!?いや、このままではマズい!?
「椿、ナナを連れて離れてくれ!」
その椿は女2人を相手に殴り合っていた。でも、椿はあっさりと2人の女を倒して近づいてきた。そして、ナナの腕を自分の肩に回した。
「金ちゃん、気をつけてね」
そして、三郎を椿が連れて行く中………三郎が俺を追う視線が………熱かった!?
まあ、いいや。
「小太郎、早く片をつけてくれ!」
5人を相手に鼻歌交じりで戦っている小太郎は、ある一点を指差した?
指の先を追うと………1人のパーカーを着た男が立っていた。
「田代の情報では、あのパーカー男が「三山」って奴で本当のボスだ!」
なる程………俺は道中敵を殴り倒しながら、三山の方に向かった………。
「金次、死ねや!!」
鉄パイプを振り上げながら叫ぶ男。俺はその男の鉄パイプを手で掴んで、その男の顔面を殴った!!
一撃で沈んだ男………その男を三山は笑ってみていた。
―――刹那!?
―――ガスっ!!
振り向くと銀次が俺を後ろから殴ろうとした男の顔面を殴った!そして、男を倒す。
やっぱり………銀次も三山を許せないよな。と、思ったのは一瞬の事で。
「金ちゃん、浮気しようとしたでしょ?プンプン!」
「えっ………?何時?」
「三郎に気があった!」
「ある訳ねぇーだろ!」
「ムキー!金ちゃんの浮気者!!」
言って、銀次は男女関係なく殴って倒していく………暴走列車だよ。まあ、今はいいが、後で説明しないとな。
いや、何もしていないのに何を説明するんだ?そもそも、何をしたって言うんだ?
三山を見ると………姿を消していた!?
どうやら、コレでは終わらない様だな?
そして………ケンカは俺達の勝ちで終わった………。
「金ちゃん、他の奴等は逃げたッスよ」
「そうか………山田、コッチのケガ人は?」
「重いのはないッスよ。軽くケガをしたぐらいです。やっぱり銀ちゃんは強えぇスよ!金ちゃんと一緒なら無敵すっね」
「んな事よりも警察が来んぞ!バックれる準備をしろ!」
「さっきの三山って奴スか?」
「逃げる理由………いや、はめられたか?それとも、奴は何かをしたかもしれん」
「うっス!」
俺達はその場を離れた………。




