18 デートではない!
俺はリーゼントをキメると、チコに言って外に出る………と、椿が居て………仕方なく出掛ける事にした。
椿は単車で来ていたが、俺は銀次との2ケツで椿の後ろに付いていく…。
街中に出ると、お洒落な店の前で止まった。俺達も隣に止める。
俺にはなんかお洒落過ぎる………。
服屋なんだが、入りにくいと言うか、白ドカン(ズボン)が無い店に来るのは、銀次に無理矢理連れて行かれて以来だ。
「椿、なんかココの店カワイイ❤」
「銀ちゃんならそう言ってくれると思ったの❤」
2人はウキウキしているが、俺にはキツい!
「金ちゃん、入ろう❤」
「う、うん………」
銀次には手を引かれたが………入ると、なんかメルヘンチックな店で………居心地の悪さは半端ない!!
「銀ちゃん、服を見に行こう。金ちゃんもそんな所に立っていないでさ❤」
椿に誘われるまま付いていくと………何というか、心臓が早く動きすぎて失神しそうだった!
そして………。
「キャー、コレ銀ちゃんに似合いそう!」
「椿にも似合いそうだよ」
ソレはピンクのTシャツ………しかも、冬に着たら凍死しそうな程に肩を見せているし、何かこんなのが似合いそうな銀次と椿………居づらい。
「金ちゃん、どう?」
「う………ん………良いんじゃないか?」
銀次の嬉しそうな表情………お前は短ランとボンタンが一番似合ってんじゃなぇかよ………クスンッ!
「ちょっと、試着してみない?」
「良いね❤椿も選びなよ!」
2人の世界………言って、2人は選んで試着室に入っていく………。
俺は………その前で待っていると、カーテンが開いた!?そして、見せてきた服は似合っているし、セクシーだった。
胸元は大きく開き、その胸の谷間は魅惑的。でも………何て言うか………。
「どうかな?金ちゃん、こう言うの好き?」
「良いんじゃないか」
俺的には何か違うと言いたいが、銀次の嬉しそうな、少し不安そうな複雑な表情を見ていると、俺の考えは違うなと思っていた。でも、似合うって言うか………まるで一点物みたいに似合っていた。パンク系だな。銀次の好きそうな服ではある。
「金ちゃん、顔が赤いよ」
少し笑っている椿に俺は溜め息を吐く。
「椿、黙れ」
「照れてる~❤」
椿はニヤニヤした表情を浮かべる。
そんな椿はオーバサイズの服。でも、2人はミニのスカート………目のやり場に困る………。
「………似合ってんよ」
銀次と椿は両手を合わせて、抱きつく勢いで喜んでいた。まあ、それも悪くはないな。
それから色々と服を見ていくが、俺は黙って付いていく。でも、2人は楽しそうだからいいや。
そりゃ、俺だって銀次が女になって驚いたが、皆が受け入れてんなら、それも良いかなって思い始めている。
なんか子供を心配する親の気持ちだな。
「金ちゃん、次はコッチ❤」
「ほら、金ちゃん!」
「ああ、分かったよ」
銀次と椿は子供みたいだな。いや、まだ子供なんだろうよ。俺の手を引く姿はな………。ただ………気付けば良かったのか?それとも確信犯なのか?
入ったのは………ランジェリー・コーナーだった………。
俺は回れ右をしたが、2人に身体を手で回されて元に戻る。そして………ランジェリーコーナーに………。
「あの………その………」
「金ちゃんって………ビビっている?プププッ❤」
銀次………挑発して俺が逃げられないようにしやがって!!
「ビビってねぇよ」
「楽しいよ。そうだ!試着して、どっちが金ちゃんを興奮させられるか勝負しよ❤」
「うん、銀ちゃん❤負けないからね~」
そして………今は試着室の前………逃げ様としたら銀次に笑われる………クソッ、逃げられない!!
「金ちゃん、コレなんかどうかな❤」
カーテンを開き………銀次と椿の下着姿に鼻の奥が熱くなる!?
エロいしカラフルだし、スケスケだし。何?この面積の小ささ!?
コレは………レースってやつか?それに終わる事はなく、その後も色んな下着姿を見せられて………フラフラしてきた。
ビビらない自信はありましたよ。でも、何で女物の下着って眩しいんですかね?俺のトランクスなんて地味だぞ。なのに、女物はここまでカラフルなのか?そして、面積が小さいのか?
「金ちゃん、初めての夜にコレなんかどう?」
「いや、その………銀次、待て!」
銀次は俺に何を言わせたいんだよ!
「それとも………もっと大人の物が良いのかな?」
そして、最終ラウンドは大人な下着姿で………ストッキングを………「どう?」とつまむ銀次と椿に………鼻血を出していた………。
❤❤❤
それから、ショッピングを終えて、俺達は近くの店でメシを食う事になった。
結局、下着は買いやがった!!
「金ちゃんにはドキドキものだったでしょう❤」
「私も銀ちゃんと悪ノリしちゃった❤」
スッゴい楽しそうだな。まあ、こんぐらいいいのかもな。
「椿!誰だコイツ!?」
振り向くと、そこにはレザーのジャケットを羽織るスカート姿の、ロン毛の女が立っていた。
見た所、美人の部類に入るが………整形している位に不自然な美しさだ。
「三郎!?」
「ナナ………と呼べ」
「アンタ、何で私に付き纏うんだよ!」
「………外に出ろ」
椿の胸ぐらを掴もうとしたから、俺はその腕を掴んで立った。
「話しなら俺が聞いてやるよ」
「誰だ?」
「金次って言えばいいか?」
「お前が………ウチの者を………下の者が世話になったな」
「そうかい。じゃあ、お前が「京極 三郎」君かい?」
わざとバカにすると、奴は俺にシフトした………。
「今夜の夜9時………「△△倉庫」って所に来い」
「良いぜ。喜んで行くよ」
そこで、三郎は去って行った………。
俺はスマホを取り出した………。
(金ちゃん、どうしたい?)
「小太郎か?京極からの誘いだ。「△△倉庫」って所で待っているそうだ。時間は夜9時」
(全員、集めるか?)
「ああ。三十人、全員で行こうぜ」
(メールしておく)
俺はスマホをしまった。
「椿、奴は俺が潰すぜ」
「私も行くよ!」
「僕は自分の単車じゃなくて、金ちゃんの後ろに乗っていくね」
「ああ。今夜は夜空の見えるデートだな」
今夜は楽しめそうだな………。




