↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界の為に死んでくれ  作者: ソラ子
第三章 スティグマ
29/229

立ち塞がる2人

グランツへの道すがら、主に、戒める者(グレイプニル)の事について聞いた。


戒める者(グレイプニル)とは、この国の騎士団。


そんな戒める者 (グレイプニル)の主な役割は……


1つ、魔物からの護衛。


魔女の出現にともない、凶暴性をました魔物。


結界が貼られている街の中で暮らすだけならいいのだが……街を出るとなると、一般人だけでは相当に危険らしい。


そして2つめは………


()()()()()()


そして……この2つめが相当に厄介。


魔女の素性……居場所……果ては、本当に居るのかすら分かっていないのだから……


この世界の人間ですら、世界が破滅に向かっている詳しい理由は分からないそうだ。


そして……最後に3つめ、俺達の捕獲。


こればっかりはなぁ……騎士が真面目じゃないことを祈るばかりだ。


アイルやシノに話しを聞いているうちに、あっという間にグランツの街が見えてくる。


そして……俺達を待ち構えるようにして立っている人影を……この目が捉える。


シノとアイルも人影に気がついているのだろう、会話をやめ、意識を集中させていた。


人影に近づくに連れ、だんだん、はっきりとその顔が見えてくる。


男女の二人組だ。


女性の方は、森であった騎士たちと同じ格好をしているのだが……ところどころ装備が薄いというか、動きやすそうにアレンジされている。


そしてなにより……頭は無防備だ、何もつけていない。


髪の色は金。髪型はツーサイドアップで、その顔からは、自信が溢れていた。


そして……男性の方は……


「やぁサクラ。また会ったね、なんて言う偶然だろうか」


「どーみても偶然じゃ無いだろ」


男性の方は……フィーアだった。


「サクラくん、フィーア様と面識があるんですか?」


隣に立っているアイルが、フィーア達を警戒したままで、こちらに話しかけてくる。


「城を出るときに、ちょっとな」


「良く、無事でしたね……」


「フィーアの気まぐれで、見逃してくれたんだ」


そう、あの時見逃してくれたのは……フィーアの気まぐれ。


そしてその気まぐれは……もう起こらないだろう。


「フィーアって……()()フィーアか?」


それまで黙っていたシノが口を開く。


「あぁ、俺とは違う、才能ある勇者様だ」


「勇者本人が来るなんて……サクラは人気者だな」


「全くだ」


シノも、口調こそふざけているが、その顔には全く余裕がない。


頬から一筋の汗も流れている。


「アイル、勝てるか?」

 

アイルに問いかける。


こんな時に女性であるアイルを頼るなんて……とても情けない。


情けないが……頼れるのはアイルだけだ。


「絶対に不可能です」


アイルは迷い無く答える。アイルの表情にも、もちろん余裕はない。


「どうやっても?」


「どうやってもです」


アイルが勝てないのであれば……正直お手上げだろう。


シノは魔法も使えなければ、身体強化も苦手らしいし……


そして……俺は、残念ながらこの中で一番弱い。


こうなったら、またフィーアの気まぐれが起こるのを願うしか……


「安心してください」


そして不意に、フィーアの隣にいる女性が一歩前に出た。


「あなた方のお相手はこの(わたくし)……王国騎士団戒める者(グレイプニル)、4番隊副隊長………メルクリア・エーデル・ヴァイツェンが勤めさせていただきますわ」


そう言うと、金髪ツーサイドアップの女性……メルクリアは、大げさな動きで自分の胸に手を当てる。


………今、メルクリアは、自分のことを()()()と言った。


ここに来るまでにアイルたちに聞いたのだが……


今の所、戒める者(グレイプニル)には、1から5までの部隊があって、それぞれの隊長を、その中の最大戦力……


つまりは、5人の勇者が努めている。


そして……こいつは………メルクリアは4番隊の副隊長。


少なくとも……勇者を除けば、騎士団の中で、4番目には強いと言うことになる。


フィーアだけでも不可能。それに加えてこんな化物までいるんじゃ……


「と……言うわけで君たちの相手はメルルだ。僕は手を出さないから安心してくれ」


「……その呼び方、辞めてくださいませんこと?」


「いいじゃ無いか、可愛くて」


「だから嫌なのですわ……」


フィーアは……笑顔でメルクリアと会話していた。


そう、()()()


もちろんこちらにそんな余裕はない。シノもアイルも、未だ油断なく二人を睨みつけている。


「随分と余裕じゃないか、勇者様」


「ん?別に余裕という訳じゃないよ。そこにいるアイルは……警戒に値する人物だからね」


「………………っ」


フィーアの言葉に、メルクリアが反応した。


「あそこにいる……銀髪の女性が、アイルなんですの?聞いていた話と、髪の色が違うようですけれど……」


「彼女がアイルで間違いないよ。最初は僕も、髪の色に驚いたけど……彼女がサクラと一緒にいるのは知っていたからね。知人にバレないように、色を変えたんじゃないかな?」


……せっかく髪を染めたのに、フィーアにはすぐにバレてしまった。


だが……ここまでマジマジと顔を見られれば仕方ないだろう。彼は、アイラとも面識があるだろうし、同じ顔だということはすぐにバレる。


しかし……それよりも気になるのは


なぜ、アイルが俺といることを知っているのかという事だ。


そのことを知っているのは……ここにいる、俺と……シノと……あとは………


「そうですか……貴方が、召喚士の妹、アイル・コールなんですのね……」


メルクリアがアイルの方を見る。


「こんなところで会えるなんて………貴方への恨み、ここで晴らさせてもらいますわ………ッ!」


アイルへの……恨み?


アイルが人から恨まれるようなことしたのか?


考えにくい……


「私への恨み……ですか?メルクリアさんとは、初対面のはずですが……」


どうやら、アイルに心当たりは無いようだった。


「えぇ、(わたくし)達は初対面ですわ」


「メルクリアさんを知らなかった私が、あなたに恨まれるような事をしたと言うんですか?」


「えぇ、そうですわ。貴方は(わたくし)を知らなくても、(わたくし)は貴方を………いいえ、戒める者(グレイプニル)に所属している人間なら、誰もが貴方を知っていますわ」


「それは……どういう」


アイルの驚きの声を聞いてから……


大きく息を吸って、メルクリアは告げる。


「それは貴方が……」


なぜ、メルクリアが……以前からアイルを知っていたのか


戒める者(グレイプニル)の副隊長に任命されたにも関わらず……それを………」


なぜ、メルクリアがアイルを恨んでいるのか


()()()()()ですわ」


その……理由を



















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。