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レジェンド探偵 ASAKURA ~俺のハードボイルドに触れると火傷するぜ(俺が)~  作者: Sakamoto9


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第85話 澄み湯

「明日、金属バンドの腕時計を買って、また夜あの道で試してみるか。」


「そうね、ほら、だって明日はウメさんのライブあるでしょ。例の道で試して、そのままライブ・アンド・ルーズ行くってのはどう?」


「あぁ、それでいいな。」


「あ、オレは明日ちょっと別件があって、直接ライブ・アンド・ルーズ行くけど大丈夫か?」


ウメさんが申し訳なさそうな顔をした。


「あぁ、全然問題ない、というか、バイヤーが3人も居たら、オレ達が声かけられる可能性が下がっちゃうんで、ウメさん居ない方が逆に都合が良いさ。」


「なるほどな。 まぁ、じゃ、ライブ・アンド・ルーズで待ってるよ。 なにかわかったらオレにも教えてくれよな。 あ、そうか、オレは今日から、外歩くときは、この腕まくりを止めてみよう。 あの、急に声かけられるのはマジで気味が悪いからな。」


「どうせ声かけられるなら、可愛い女の子からの方が良いよねー。アタシみたいなー?」


「そりゃそうだわ。 わははは。」


なんだかんだとひとしきり盛り上がったあと、3人で屋台を出た。


「それじゃ、また明日ねー。」


「お疲れさん。」


「おぅ、お疲れ。明日、待ってるぜ。」


ウメさんと別れた後、ネコ娘とゆっくり夜道を歩いて宿に戻った。


「ふぅ、今日も疲れたけど、楽しかったね。」


「実験、失敗したけど、もうひとつの目印がわかったんで、結果オーライってやつだな。これも日頃の情報活動とレジェンド探偵としての第六感とアンテ・・」


「おやすみー。」


ネコ娘が顔まで毛布を被ってしまった。


「ちっ。とにかくこのネコは人の話を最後まで聞かないな。まったく躾のなってないネコだよ。そういうダメネコには腕時計買ってやらないからな。」


バッと毛布が開いてネコ娘が顔を出す。


「お休みなさいませ、レジェンド探偵様。」


バサっ。


また直ぐに毛布を被った。


「まったく現金なネコだな。」


「グー・・」


ネコ娘が毛布の中からイビキの音真似をしてる。


「今度はタヌキ寝入りか。タヌキネコめ。」


オレもベッドに寝転がった。


 チュン、チュン、チュン・・。


ん? 朝? なんだ、横になったとたんに寝ちゃってたか。


窓際のベッドを見る。 お約束通り、ネコ娘はどこかへ出かけて・・ない。

まだベッドの上には膨らんだ毛布があった。


顔を洗って窓際の椅子に座った。


「あら、今朝は早起きなのね。おはよう。」


ネコ娘が毛布から頭を出してきた。


「おはよう。早くはないだろ。キミが遅いんじゃないか?」


「そう? 今何時なの? あれ? もう9時? ホントだ。アタシ良く寝たんだ。 ふわぁぁぁ。」


大きなあくびをしてる。


「オレはそろそろジュースでも飲みに行こうかと思ってるけど、キミはどうする?」


「アタシも行く。ちょっと待って、すぐ準備するから。」


宿を出て、いつものミックスジュース屋へ向かう。


「今日、腕時計買いに行くんだよね?」


「あぁ。朝飯終わったら探しに行ってみるか。」


「そうね、まずは朝ごはんよね。今日は何にしようかな。」


「まだ喰ったことないものが良いな。」


「まだ食べたことないものねぇ。うーん、何があるかな・・。」


ミックスジュース屋についた。


「おはようございまーす。今日のおススメは?」


ネコ娘、すっかり店員のお姉さんと顔見知りになってる。


「あら、おはよう。今日のおススメは、ヴェルド・スパーク。青柑、若葉果、ローストルートとミントリーフ、それに蜂蜜が少し入ってるの。」


「アタシ、それ下さい。」


「オレも同じものを。」


黄緑色で少し濁った感じのジュースを一口飲む。


お、想像したよりも苦めだ。蜂蜜はもっと強いかと思ったけど、かすかな風味ってくらいで、これはこの苦みに丁度良い感じだ。


「今日のは苦めだね、でも、健康に良さそう。アタシ、これも好きだな。」


「あぁ、甘さ控えめなところが良いな。」


ミックスジュースを飲み終えて噴水の方へ向かって歩く。


「結局、朝飯何にするか決まったのか?」


「うーん、まだ考えてる。まだ食べたことないものでしょ? 食べたこと無いもの・・ あ、じゃ、玉子スープの店行こうか。」


「玉子スープ? そんな専門店があるのか?」


「アタシも行ったことないから、詳しくは知らないわ。 果物屋のアニーさんが話してくれた店なの。」


「へぇ、まぁ、物は試しだ。行ってみよう。」


市場の外れの方まで歩いてきた。


「あ、あれだ! あそこ、『澄み湯』って看板。」


「澄み湯。面白い名前の店だな。」


中に入るとテーブルが4卓だけのこじんまりした店だった。


「いらっしゃい。普通で良いですか?」


背が高めでほっそりした女性の店員だ。


「え・・えと、メニューってありますか?」


ネコ娘が戸惑ったような表情で尋ねた。


「あ、初めてのお客さんでしたか。 ここは玉子スープの専門店で、メニューは玉子スープ種類だけなんです。 ただ、サイズは普通盛と大盛が選べるんです。」


「なるほど・・。 じゃ、アタシ、普通盛お願いします。」


「玉子スープの専門店ってそういう意味だったのか。 まぁ、面白そうだ。オレも普通盛りで頼む。」


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