表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界初心者  作者: 寿々喜 節句
第一章
20/141

事情聴取④

「それでいいだろ? いいよな。いいんだよ。さっきも言ったけど、魔法剣士、シーフ、治癒士ってバランスいいんじゃないの? 俺の立ち位置はこれから決めるとしても、ほら、強そうじゃない? いいと思うなぁ俺。うん、いいと思う。いいよ、絶対」

 ゴリゴリに押し通す。


「にゃっとくできにゃい……」


「私もです」


「悔しいけど……バランスいいのは確かだわ……」



 レスティだけは少し俯瞰して物事を考えられるようだ。



「そうだろレスティ! いいね。物分かりがいい人は好きだ」


「にゃ! 実際、僕ちゃんもそう思うにゃ」


「そうですね。パーティとしては相性のいい職種ですね」


「うんうん。そうだろそうだろ。それじゃあこれはもう決定ってことで。よかったな、三人とも。希望通り、勇者と共に行動できるのだ。おめでとう」



 案外簡単に操れそうだ。



「おめでとうじゃないわよ……」

 レスティは片肘を付いて言う。

「じゃあ、まあ、もう、それでいいわよ」


「もやもやが残っているにゃ……」


「してやられました」


「いやいや、俺は三人の熱い思いに胸を打たれたんだ」


「ホントと何言ってんのよ……」

 はぁとため息をつくレスティ。

「ところで勇者様、泊まる所とかあるの? ないなら私の家に空き部屋があるから使っていいわよ」


「あ、レスティさん、それは抜け駆けですか?」


「ずるいにゃ! 勇者様を独り占めするのはずるいにゃ」



 リアとトリストがレスティの提案に反対する。



「二人は泊められるの?」


「泊めました」


「泊めたにゃ」


「ああ、そっか……」



 レスティは転移後三夜の幸助の行いを失念していたようだ。



「「「……」」」



 気まずくなる三人。



「おい、話を続けよう」

 幸助はこの空気はまずいと判断する。


「じゃあローテーションで泊めるのはどうでしょうか?」

 リアが妙なことを言い出した。


「俺が順番に泊まっていくって事か?」


「変にゃ感じがするけど、平等だにゃ」


「ええ、確かにそうね。妥協案としては最善かもしれないわね」


「それなら、今日から、私、トリストちゃん、レスティさんという順番で泊まるって事でいいですね」


「問題ないわ」


「問題にゃい」



 何やら勝手に幸助の今後が決定されているようだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ