表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界初心者  作者: 寿々喜 節句
第一章
21/141

事情聴取⑤

「え、俺の意見は?」


「「「必要ない!」」」

 一人は語尾が「にゃい」だった。


「あ、は、はい」

 まあこれは仕方ないなと幸助も思う節がある。


「それではこれで決定しますね。勇者様、今夜は私のお家で過ごしましょう」


「リア、勇者様を泊める際のルールも決めておかない?」

 レスティはドリンクを一口飲む。

「夜勇者様と肌を合わせるのは禁止にしましょう」


「そうですね、色仕掛けで選ばれたって思われたくないですものね」


「にゃ! 確かにそうだにゃ! そんなこと思われたくにゃい! でも添い寝はいいかにゃ?」


「それくらいはいいんじゃない?」


「そうですね、添い寝はセーフにしましょう」


「キスはどうにゃ?」


「それは……だめじゃない?」


「うーん、肌を合わせるわけではないですが、唇を重ねるのも禁止にしましょう」



 どんどんと話が進んでいく。



「俺も当事者だけど、ルール制定には参加できないのでしょうか?」

 幸助は勇気を振り絞って質問をしてみる。


「「「できません」」」


「あ、は、はい」



 撃沈。



「それから、お昼にはどこかに集合して、パーティとして活動しましょう」


「それじゃあとりあえず、明日はこのクルミカフェでどう?」


「僕ちゃんは問題にゃい」


「私は賛成です」


「それじゃあは決定ということで」


「仰せのままに」



 ルールが制定されたようだ。そのルールによると、今夜はリアの家に泊まり、明日はトリスト、その次はレスティの家。俺には拠点がない。そして昼にはみんなで集まり、パーティとして活動をすることになった。


 パーティの活動……乗る気はしないが、俺が状況打破のために勢いで言ってしまったのだから仕方がない。また何かしら機会があったら、この状況を何とかして変えよう。


 それぞれが会計を済ませるために伝票を見る。テーブルで集金してまとめて払うようだ。


 幸助はコーヒーとサンドイッチを頼んだが、お金やはり足りてなかった。


 三人がそれに気がついたようだ。



「え、お金持ってないのに頼んだの?」

 レスティが呆れたように言う。


「え、うん」


「にゃんだって!?」


「転移されたばかりで、ほとんど一文無しなんだ」

 幸助は悪びれもなく言う。


「困りましたね。それじゃあ私が払います」

 リアが女神のように見えた。


「あ! いやいや、私が払うわ」

 今度はレスティまでうれしいことを言ってくれる。


「にゃ?」

 トリストは首をかしげている。


「レスティさん。今日は私に家に泊めるのですから、私が払います。そして私が養っていきます」



 あ、そういうことか。代金を持つことで、優位に立とうとしているわけですか。


 幸助としては無料で食事ができるので誰でもいいと思っている。



「にゃ! それじゃあ僕ちゃんも払いたいにゃ!」



 一悶着あったが、レスティとトリストが折れたようだ。



「じゃあとりあえず、ここはリア、あなたが払ってちょうだい。明日以降は明日決めましょう」



 三人は納得したようだ。リアがトリストとレスティから代金をもらい、会計を済ませる。



「それじゃあ勇者様、行きますよ」

 リアは幸助を引っ張る。



 クルミカフェを出ると、外は暗くなっていた。街灯に明かりが灯り、昼間と違った街並みに見える。


 クルミカフェを背に三方向にそれぞれの家があるようだ。ここは街の中心にあるらしい。



「リア、くれぐれも。くれぐれもよ」

 釘を刺すレスティ。


「また明日にゃ」

 能天気なトリスト。


「わかっています」

 落ち着いた表情のリア。



 歪な関係だが、俺のパーティだ。パーティって誕生日とか、ハロウィンとか、楽しいイメージだが、これはハードモードなパーティだ。はあ……先が思いやられる。


 幸助は自分の行いが招いたことだということを失念していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 「「「必要ない!」」」 一人は語尾が「にゃい」だった。 なんか面白いw 肌合わせるの禁止…普通に破られる予感しかしない…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ