表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界初心者  作者: 寿々喜 節句
第三章(後半)
136/141

真実⑤

「ロンギヌスの槍はこの世界のものではないの?」


「当たり前だろう。この世界にロンギヌスの槍があるわけがない」


「どういうこと? あれを持っていた男だって、知っていたじゃない。勇者様のいた世界での聖槍で、転移されてくる勇者たちが言う、アニメやラノベでよく出てくる聖槍なんでしょ?」


「そう。だからあるわけがないんだ」



 なぜそうなるのだろう。



「いいか? ロンギヌスの槍というのは俺のいた世界にある、宗教の聖槍、ということは以前話したな。その聖槍は伝説となっていて、いくつもロンギヌスの槍と思われる槍が見つかっている。そのどれもが本物かどうかわからない状況なんだ。さらに、それは俺のいた世界でも、俺のいた国、日本の話ではない。この世界は日本人の転移しかないんだよな? つまり、日本以外からの転移のない世界に、日本に存在しない、どれか本物かわからない聖槍が、この世界にあるわけがないんだ」



 筋が通っている。その理由であれば、この世界にロンギヌスの槍がないと証明できていると思う。



「で、でも、あの男は確かにロンギヌスの槍だと信じていたわ」


「そう、それが面白いんだ。アニメやラノベってやつは、とにかくそういう聖なるものが好きらいしいだ。あの男はアニメやラノベが好きだったんだろうね。そういうやつに限って信じてしまうんだろうね」


「じゃ、じゃあ勇者様は他の勇者が飛びつくだろうと思って、わざとロンギヌスの槍としてあれを作ったって言うの?」


「そういうことだ。練習していた黒魔術がどれだけのものになったか試したくなってね。あれを作って、アニオタに飛びつかせる。そして俺が討伐する。そして、王様から報酬として、ロンギヌスの槍を回収する。そういうプランだった」


「そうだ! あの槍には黒魔術が付術されていたんだ」



 忘れていたけれど、危険な黒魔術が施されていた。あれも勇者様が付術したというのか。



「リアの家で黒魔術の本を見つけたんだ。それを読み込んで習得していった」


「勇者様も黒魔術を使えるの?」


「ああ、使えるようになった。でも使い道がなくて、それで試したくなって槍を作った。それが失敗だった。いつものように報酬として槍を回収できると思ったんだけど、没収されてしまった。プランを変更せざる得なくなった」


「プ、プランの変更?」


「ああ、あの槍から俺へとたどり着かれては困るからな。そこで、リアに犠牲になってもらった」


「ど、どういう意味?」



 リアを犠牲にした?


 聞きたくないと思うと同時に、聞かなくてはいけないとも思う。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] アニオタほいほいwwwwwww
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ