表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界初心者  作者: 寿々喜 節句
第三章(後半)
135/141

真実④

 盗賊の品ではなく、勇者様が盗んだ品だというのか?



「汚染水問題を解決した俺らは王様からクラトゥ村をもらった。それで王様のことを調べたら、結構めんどくさがりな性格だということを知った。普通に考えて、報酬で村を差し出すか? つまり余ったり不要になったものを報酬として差し出すことで、面倒なことから手を投げる癖があるようなんだ」


「それがどうしたの?」



 話の流れがわからない。



「だから、俺はトリストからシーフのスキルを習い、盗みを行った。チラシ配りの最中とかにな。それで、盗賊討伐を行った後、出どころのわからない宝石を報酬として正式に俺のものにしようと企てたんだ。まあ、結果としてレスティに没収されてしまったけどな」


「盗賊の仕業と見せかけて、マッチポンプを働いていたということ?」


「まあ言ってしまえばそうだな。まあしかし、トリストが宝石を見つけたときはヒヤッとしたよ。だってトラップをレスティの前で解除してから宝石を見つけたからな。危なかったよ」



 そういうことか! なぜあのときに気が付かなかったのだろう。


 トリストがトラップを解除してから宝石を見つけたということは、宝石は盗賊のものではない。


 なぜなら、盗賊にはトラップを解除する技術がなかった。あの地獄絵図が出来上がったのはそれが理由だ。


 だから、解除されていないトラップの向こう側に盗賊の盗品があるわけがない。


 あるとしたら、トラップを仕掛けた人物による盗品だ。


 つまり、勇者様による盗品ということだ。



「その顔は、今気が付いたという表情か? よかった。今までバレていなかったのか」

 勇者様がレスティの顔を見ていった。



 よかったではない。全くもってよくはない。



「勇者様のせいで悲しんだ人がいるのよ!」


「そうかもしれないが、その人にとっての事実は、盗賊に宝石を盗まれ勇者が成敗した、ということだ。討伐した時点でその人たちの気は晴れているはずだ。問題ない」


「問題だらけよ……」



 私が没収したからよかった。勇者様には悪気というものがないのだろうか。



「この際、全部はなそう。ロンギヌスの槍についてもな」


「それにも何か隠し事があるの?」


「まあそうだな。あの槍は俺が作ったものだ」



 勇者様の口から出てくる言葉は今まで見てきた景色を崩壊させる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ