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異世界初心者  作者: 寿々喜 節句
第三章(前半)
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ダンジョン攻略②

「トリスト、察知には引っかかっていないのよね?」

 レスティさんも不安になっているようだ。


「引っかかってにゃいにゃ」

 きっぱり答えるトリストちゃん。



 トリストちゃんはちょっとおバカさんなところもあるけれど、シーフとしてはかなり腕がたつ。本当のことなんだろう。



「だけど、痕跡は残っているにゃ。この先に人か、それを倒した魔物がいるにゃ」


「わかったわ。それじゃあさらに気を引き締めていくわよ」



 勇者様からの発言はなかった。


 緊張しているのだろうかと思ったけれど、前を歩く勇者様の雰囲気はいつもと変わらず、飄々とどこ吹く風。


 気が引き締まっているのか緩んでいるのかもわからない。


 さらに進むと目の前を歩く勇者様が反応した。それと同時にトリストちゃんが両手を広げ進行を止めた。



「反応ありだにゃ」



 トリストちゃんが小さい声で言うと、勇者様もうなずいた。


 ぞれぞれが武器を構える。


 相手は人なのだろうか、魔物なのだろうか。空気が張り詰める。



「相手に動きはにゃいにゃ。こちらから向かうしかにゃいようだにゃ」



 察知されることは織り込み済みということだろうか。待ち構える戦法ということか。


 陣形を崩さず、警戒心を解かず進む。


 薄暗い洞窟を進んでいると、奥に明かりが見えた。



「影が見えたわ」

 戦闘を歩くレスティさんが何かに気が付いたようだ。


「人影のようね。残念。先を越されたようだわ」


「残念だにゃ。まあでも魔物はいにゃいようだにゃ」



 緊張がほぐれ力が抜ける。


 安全だとわかると、武器をそれぞれ鞘に納める。



「まあ最初ですからね。楽しい経験になりました」



 ふうと息を吐いて力の入っていた肩をほぐす。



「おーい、聖槍は見つかった?」

 レスティさんが先客に声をかけながら進む。



 トリストちゃんも勇者様もそちらに向かうのでついて行く。


 レスティさんが話しかけても、相手からの反応はない。


 聞こえないということはないと思うけれど。


 近くまで行くと軽装をした男性だった。ぼーっと立ち尽くしている様子だ。


 手には聖槍と思われるきれいな槍を持っている。

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