世紀末です!
昼、雨が降っていた。
雨雲が崩壊したビル群を覆い尽くし、大きな雨粒は無様に歩き回る屍を叩く。
商店街は不気味な程に暗く、それでいて生ゴミが腐った異臭とゾンビ達の呻き声が聞こえてくる。
そんな人類の終焉を描いたような住宅街を、一人、寝起きの男が家の二階から絶望した目で見下ろしていた。
何を隠そう、俺である。
「な、何だこれ……」
悲報、目が覚めたら世界が終わってた件について。
目下には生者を求め這いずり回るゾンビ達が。
そしてあちこちから上がる火の手と、今亡き主を待ち続けるライトのついたままの車を見るに、未だこのパンデミックが起こってから対した時間は経っていない事が窺える。
いや、何だこれ。マジで何だこれ。
え、まさかこんな大惨事が起こってたのに関わらず俺ずっと寝てたって事?
いやいや、流石に俺でもこんなくっさい異臭がするところで寝れねーし、ましてやここどこや!?俺こんな部屋で寝た覚えないぞ!!
ギシ……ギシ……。
その瞬間、背後の階段を誰かが上がってくる音が聞こえてくる。
……お、お、おおおちつけ俺!
まずこの部屋を確認するんだ。
この部屋はのび太ん家の2階みたいな構図で出来ているらしく、階段につながるドアは破壊されている。何てこったい。
ま、まだだ。よく見たらこの部屋にはバットがある!
よし、これで上がってきたゾンビの頭を叩きってやラァ!!
俺は部屋の隅に置かれていたバットを拾い上げ、入口の真横で待ち構えた。
「落ち着け、ゾンビなら腐ってて頭蓋骨ごといける筈……」
武器を持ち、深呼吸をひとつ。
そもそも、今ここで戦わなくても、窓から屋根に避難すれば――
「っああもう、来るなら早く来い……!」
今ここで屋根に上がろうとしたところで、慌てて足を滑らす可能性だってあるんだ。屋根が外れたり音で気づかれる事だってあり得る。
相棒のバットを握りしめ、その時を待つ。
そして勢いよく近づいて来たそれに狙いを定め、部屋に飛び込んできた生物にバットを振り落とした。
「はっじめまして!もう起きたんガハッ……!!!!??」




