表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
77/80

ヨカッタネ

「マスター大変だ!街道沿いに魔物の集落跡があったぞ!」


そう言いながら、血相を変えた冒険者達が冒険者ギルドに入って行くのを見て、悪い顔が出そうになるのを抑えながらついて行く俺。


一日経つか経たないかのうちに、依頼人の俺と、俺が雇った冒険者が帰ってきた事にいらだちを隠せないギルドマスター。


そんな事はお構いなしに、慌てて駆け付けた冒険者からの報告を順序良く聞き、ギルドの正式な文章にまとめる受付員の女性は次々と作業を続けていく。


緊急性が高い情報と判断されたものは素早く正確に把握し、報告しなければならない。

その行為が街の安全を守るという事を、今までの経験から学んでいる受付員は、それらが発見された場所や、状況などを正確にまとめ、あっと言う間に報告書を作成する。


報告書としてまとめられたそれらの情報は、ギルドマスターに流れると同時に、緊急性が求められるものに関しては「クエスト」として情報と同時に「確認」だったり「討伐」と言ったジャンルに分けられ、冒険者ギルドの掲示板などに張り出されるのだ。


そんなプロの仕事に感心しながら冒険者ギルドの中でお茶を入れてもらって待っていると、今度は、先日馬車が被害にあった人たちが再度冒険者ギルドを訪れ、焦っているギルドマスターに近寄って行く。


そこは腐ってもギルドマスター。

「何度もお越し頂き光栄ですが、あなた方にお話することはもう何もないはずですが・・・」と軽く汗を拭きながらタヌキっぷりを見せようとしているのですが、ふと被害者一行の一人が何気なく目にとめた依頼書に書かれている内容を見て、一瞬笑顔になり、依頼書を剥がしてギルドマスターへ突き付ける。


「あれっ?この依頼書には、先日私たちが被害にあった場所の事が書いてありますね」


「あ、あの時壊されてしまった馬車の残骸まだあるみたいですね~」


「あの時は一週間後でないと調査出来ないって言っていたのに、本当にありがとうございます」


なんて、笑顔で言う被害者一同と、報告書を交互に見て真っ赤になったり、青くなったりしているマスター。


「こ、こんなのでたらめだ!!こんな報告なんて俺は聞いてない!!」なんて言ってるマスターの後ろで、今度は、明らかに不満な顔を浮かべる先ほどの冒険者パーティーがギルドマスターを囲む。


「あ”?俺らが嘘の報告をしてるって?」


「ギルドマスターが管理している冒険者の事信用できないってか?」


なんて言葉にする野郎や、言葉にしなくても自分の剣を抜き差ししてみせたり、威力の強い魔法を出したりひっこめたりしている冒険者さんの多い事多い事・・・


俺も後ろから、依頼主の私も見てます。間違いない情報ですよー なんて声をかけると、一瞬怒りの表情を見せるギルドマスターだったが、依頼人の俺にそんな顔を出来る訳もなく、慌ててつくろおうとするが、そんなマスターの顔色をもっと悪くさせる一団が入場するんだよね。


「マスターさん、アンタに話があってね」と言いに来たのは、どうやらこの街の各地区の代表さん達らしい。


「今まで地区の依頼をすべて破棄してたの、アンタの独断と偏見らしいな」


「ギルド本部に問い合わせをしたら、街のためになる依頼は断ることはない、街があってのギルドであるから、街にとっても大事な依頼を無下に断るということは、決して許されるものではない、って返答があったぞ」


「今まで正当な理由なく、私らの依頼を独断で断っていたのは何故かな?説明を求める」


と、笑顔で話しながらも目が怒ってる、はたから見たらかなりおっかない表情をしているご老人たち。


三方からほぼ無言の圧力をかけられ、たじたじになっているギルドマスターは、「こ、こ、ここでは話が出来ないから、ご、後日に話を・・・」と、受付カウンターの入り口に手をかけようとしたが、今度は入り口が空かないため、入り口の戸をガシャガシャ乱暴にやってるんだ。


そんな入り口にカギをかけたのは、受付の方々。


「私たちは自分の仕事に誇りを持っています」


「あなたの勝手な思いで、大事な依頼を断らなくてはならない私達の気持ちなんてわからないでしょう!あなたには!!」


「もう我慢なりません!ここで白黒はっきりつけてもらいましょうか!!!」


皆さん、カウンターから出てギルドマスターを睨みつけてるよ。


馬車の被害者

街の代表者さん

所属している冒険者さん

ギルドの受付スタッフの皆さん


みんな敵に回してどうするのかな?


最後に俺からも一言。


「あの・・・俺の依頼不成立になっちゃったんだけど、今までのお金全額返金してもらえますよね?」


・・・


その瞬間ね


せdrftygふじこpl@;:「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


なんて訳の分からない言葉を発して、おっさん倒れちゃったのよ。


いろんな意味でキャパオーバーだったんだろうけど、自業自得だから仕方がないよね。


でもね


出来たらもう少し粘ってもらいたかったなぁ~


「あれっ?なんか終わってる感じですか?せっかくモンスターの死骸持ってきたのに」と悔しそうに言うマネックスとイデア、そして護衛の方。


実は、俺と冒険者さん達が慌てて戻った後に、モンスターの遺体を土から出して、魔法のかばんに入れてもらってたんだよね。

証拠がない!って粘られたら「ここに証拠がありますよー」なんて、鞄からがっつり出してやろうって怒り心頭な皆さんの要望にそってやったのに、これどうしようね?


さらに「ありゃ、捕まえてた冒険者・・・いらないかな?」と今度は街を守ってる兵士の方。

考えてみたら、怪我して帰ってきた冒険者を捕まえて吐かせた方がずっと楽という事に、気が付いて事情聴取なんてやってもらってたんだけど、ホントすいませんね・・・


で、


あまりにあっけなかったので、ちょっとつまらなくなってしまった俺。


せっかくなんで、冒険者ギルドの一室にマスターを運んであげたんだよね。




丁寧にベットに寝かせてあげてね。


一人じゃ寂しいだろうから、相方数匹もおいてあげたの。


ほらっ、せっかく証拠が欲しいって言ってるんだから、証拠を置いてあげようって思ってね。


ベットを囲んで証拠を並べてあげてね、部屋いっぱいにしてあげたのよ。


最後によく寝れるようにって厳重にカギまでかけてあげて、俺ってとっても親切だね!


そう言う俺に対して・・・


「えげつな」


「わ、私は見てませんよ」


「わ、私は本日こちらに来てません!取り調べが忙しかったもので」


様々な反応を見せる皆さんを見ながら、冒険者ギルドの門を閉めるお手伝いをする俺。


今日は冒険者ギルドは一日お休みらしいです。


誰も明日までギルドに寄らず、一日羽を伸ばすらしいですよ。


冒険者ギルドの周りに住まわれてる方はほとんどおらず、お店はいろいろ了承してるみたいですから、きっとギルドマスターも良い夢見れることでしょう。


ホント良かったね・・・クククク

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ