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史上初の聖王大聖女ですが、休暇の過ごし方が分かりません!!  作者: Atelier Lotus


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第12話 観光案内

 夕方。


 予定が決まらないまま、ソフィアは教会の廊下を歩いていた。


「何か……」


「何かないでしょうか」


 せっかくの休暇。


 何もしないまま終わるのは、少しもったいない気がする。


 ソフィアはできるだけ目立たないよう、廊下の端をそっと歩く。


 すると。


「あっ、聖王大聖女様!」


 巡礼者が気付き、慌てて深々と頭を下げた。


「お、お疲れ様です!」


「いつもありがとうございます!」


 近くを歩いていた神官たちも立ち止まり、一斉に礼をする。


「聖王大聖女様」


「本日もお疲れ様でございます」


「い、いえ!」


 ソフィアは慌てて頭を下げ返した。


「こちらこそ、いつもありがとうございます!」


 笑顔で応えるものの、内心は落ち着かない。


(休暇なのに……)


(気がもちませんよぉ……)


 なるべく目立たないように歩いているのに、すぐ見つかってしまう。


 史上初の聖王大聖女という肩書きは、思っていた以上に有名だった。


 そんな時だった。


「あっ」


 廊下の一角に置かれた棚が目に入る。


 そこには巡礼者や観光客向けの冊子が並んでいた。


「教会の中に、街案内が置いてありましたね」


 ソフィアは一冊手に取る。


 表紙には大きく、


『王都ルミエール観光案内』


 と書かれていた。


「ですが……」


 少しだけ複雑な表情になる。


「私としては、神聖な教会を観光名所のように扱うのは、いかがなものかと思うんですけど……」


 教会は祈りを捧げる神聖な場所。


 もちろん巡礼者を迎えることは大切だ。


 だが、こうして街案内が置かれているのを見ると、何とも言えない気持ちになってしまう。


「……まあ」


「今日は、お世話になりましょう」


 そう呟き、ゆっくりとページを開いた。

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